なぜ、新日本プロレス後楽園ホール大会に現れた男性はここまでバッシングを受けたのか
新日本プロレスが開催している『Road to DESTRUCTION』。その9月8日に行われた後楽園ホール大会で、マナー違反をした男性が非難を浴びている。
色々な見方によっては一概に非難もよくないとは思う。例えば、あの男性は転勤が決まっていて、ひょっとしたら最後の後楽園ホール観戦だったかもしれない。子どもとプロレスを観戦するという夢がずっとあってそれが叶った瞬間だったかもしれないなど。
色々な角度で考えると「しょうがないか」という見方もなるが、ルール・マナーを守るのは大人としての責務だと思う。
マナー違反は以前から言われているが、なぜここまで叩かれるのか
これまでにもチビBUSHIが出現したり、ダリルを持っている女性がいたり、ライガー選手のそっくりさんがいたりなど、プロレスラーの入場にとって、観客の存在も大きなアクセントになっていた。だが、これまでとは異なる要素が男性にはあったように思う。
3つの要素から考えてみる
男性の行動が物議を呼んだ点を分析すると、3つの要素があった。
- 席から離れてジュース・ロビンソン選手の前に移動した
- 子どもではなく、自身が目立とうとした
- ジュース・ロビンソン選手推しなのか不明
この3つの要素が複雑に絡み合った結果、同男性に非難の声が集まったのではないだろうか。
選手が要望すれば多少はあり
1.については試合前にアナウンスが行われている。席から離れての観戦は禁止、と。だが、ある程度目を瞑られている現実もある。例えば、棚橋弘至選手やゴールデン☆ラヴァーズがリングの周囲でタッチをしている時に多少なりとも観客の移動がなければ寂しい絵になってしまう。
あれ?会場ノッてないのかな?と。
また、中邑真輔選手の壮行試合のように、スタンディングオベーションが起こった際もイレギュラーケースになる。行くなという方が無理な話という瞬間もあるのだ。決して推奨はしないが。
なので、選手から「Go」の合図が出ている時は大人の倫理観を持った上で、アリだと思う。
子どもたちは未来の新日本プロレスを支える存在だ
2.については、これまでにも数多くのケースがあった。“制御不能”になった内藤哲也選手が、“スターダスト・ジーニアス”から変わっていないのが、子どもファンには優しいことである。
大人がグータッチを求めてもまず無反応な内藤哲也選手だが、子どもを発見すると立ち止まってでも拳を合わせる。目を見開くポーズを取って、ちゃんと見てるぞ?というアクションも行う。
その裏側には、子どもにプロレスを好きになって欲しい、自分に憧れてプロレスラーを目指してくれたら最高に嬉しいという気持ちがある。
新日本プロレスブックス トランキーロ 内藤哲也自伝 EPISODIO1
- 作者: 内藤哲也
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2018/07/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
僕自身、子どもとプロレスラーの触れ合いは大好きだ。こうやって新しい世代に新日本プロレスが、プロレスが広がって行く。最高じゃないか。
ただ、今回の場合は子どもよりも男性が喜んでしまい、カメラにアピールまでしてしまった。
もしも、子どもにカメラアピールするように諭していたら、ここまで非難されることはなかったように思う。
推しなのか?
僕が一番気になったのがこの点だ。男性はジュース選手の大ファンなのか?推しなのか?という点である。
これまで、プロレスラーが観客をいじる時は必ず自身のファンという法則があった。
ロスインゴファンの子どもと内藤哲也選手のグータッチ。KUSHIDA選手のコスプレをした子どもにネックレスをプレゼントするKUSHIDA選手。ライガー選手のコスプレをした方を見つけた時のライガー選手の目をゴシゴシする仕草。
溢れる愛は会場でも目立つ。その結果、レスラーとの絡みが生まれる。微笑ましい光景だと思う。「羨ましい!」と思う方もいるだろうが、席はあくまでも運。もっとチケットを買うしかないのだ。
ただし、今回の男性はジュース選手のTシャツを着ていなかった。
いや、着ていないからファンじゃないということにはならないのだが、あそこまでオーバーにやるなら証明書であるTシャツがないと見ている側も正直キツイのだ。
溢れる愛から出た行動なら「次回からはしない方がいいですよ(ニッコリ)」となる気持ちも多少なりとは生まれる。実際はアウトだが。だが、目立ちたい、自己満足に走るのだけならば、さらに話が違ってくる。
それほどにプロレスTシャツは重要だと気付かされた。
愛を伝えるための前提として、着用の必要性はあるな、と。
レスラーがいじって来るのはいいが、自分から無視できないほどにアクションを求めるのは完全にアウト。
ツイッターを見ていると本当に気分を害している方も大勢いた。僕もちょっとキツいよなぁと思い筆を取った。
まとめ
- 子どもがプロレスラーに多少近づくのはご愛嬌としていいよ。でも、危ないから気をつけるのと、入場の邪魔になることはしちゃダメだよ
- もし、レスラーの方がリアクションを取った場合、大人はあくまでも子どもが主役の立ち居振る舞いをしてね
- そもそも、大人はよほどのことがない限り席は立っちゃダメだよ
- 推しの選手やユニットを明確にするためにTシャツを買おうね
こんな感じだろうか。
何はともあれマナー違反は良くないと思う。以前の記事でも書いたが、ファンそれぞれが注意(指摘)していい空気を作るべきではないだろうか。
やったもん勝ちの世界から、みんなでルールを守って観戦を楽しめるようになることを切に願う。
アーティストのライブで席を離れて近づく人はいない。宝塚や2.5次元舞台にもお作法がある。
プロレス観戦もそういったお作法が生まれる時期なのかもしれない。
僕は新日本プロレスが大好きだ。会場で見るプロレスは極上の体験だ。だからこそ、観戦マナーの話題がタイムラインに流れて来ることがない日を祈っている。
今日はよかったではなく、いつ行っても皆が楽しい新日本プロレスの会場を目指していけたらと思う。
★アンケート実施中!★