『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』は、現代の新日本プロレスの要素が詰まった傑作である
『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(以下、ルパパト)』が面白い。
特撮ヒーローなんて、子どもの見るのものでしょ?と侮るなかれ。
この『ルパパト』は子どもファンだけではなく、大人ひいてはプロレスファンにも喜ばれる要素が詰まった作品なのである。
ここでは、『ルパパト』の魅力に触れつつ、プロレスファンならではの視点で楽しむ見方を伝えたい。
これから見ても楽しめるようにネタバレは一切無しでいく。
・・・その予定であったが、本当の意味でこの作品の素晴らしさをプロレスと重ねてみると、多少のネタバレが必須だった。
『ルパパト』に興味を持ったらぜひ、視聴いただきたい限りだ。
ヒール2.0VSベビーの構図
『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』はタイトルに『VS』と入っている通り、『快盗戦隊ルパンレンジャー』と『警察戦隊パトレンジャー』がそれぞれの目的のために戦い、時には共闘するストーリーが展開される。
以前、この記事を公開した。
この記事で定義した『ヒール2.0』が『快盗戦隊ルパンレンジャー』にそのまま当てはまる。
快盗という決して正義とは言えない側に身を置きつつ、自分たちの目的のためにその身を投じる。
普段の明るいキャラクターと表裏一体にある儚さ。そんな人間味が『ヒール2.0』として、子どもや大人を中心に支持を集めている。
一方で、『警察戦隊パトレンジャー』は国際警察に所属する組織であり、完全な『ベビーフェイス』だ。
熱血漢のレッドにクールビューティなピンク、少しコミカルなグリーン。歴代であればこちらがメインの主役であり、タイトルでも先に名前が来るはずである。
ただ、時代の流れがそうさせない。
『ヒール2.0』。つまり、『ダークヒーロー』が時代の中心にあるのが現代のヒーロー像なのだ。
目的と手段の違い
『ダークヒーロー』と『ヒーロー』が時に共闘し、第三勢力(純粋なヒール)と戦う。
新日本プロレスで例えると、ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポンと本隊あるいはバレットクラブエリートと本隊が時にタッグを組み、バレットクラブOGや鈴木軍、新たな外敵と戦うようなものである。
想像するだけで、贅沢な時間である。
ただし、快盗と警察の間には川が流れている。純粋なヒールを倒すという手段は同じであるが、その裏側にある目的が異なる。
- 怪盗はコレクションを取り戻すことが目的
- 警察はギャングラー(純粋なヒール)を倒すことが目的
目的の違いが紙一重の関係を生む。利用する瞬間あり、助けられるシーンあり。
常に飽きない展開が続くのは、作品の裏側にある緊張感が肝となっている。
Xという存在
スーパー戦隊に追加メンバーは重要なアクセントである。
新日本プロレスで例えると、ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポンが1人、また1人と仲間が増える度に人気が高まっていったようなイメージだ。新メンバーが物語に新しい息吹を吹き込む。
『ルパパト』も例に漏れず、20話から追加メンバーが登場する。このXがこの作品を更に彩った。
怪盗と警察。どちらの組織にも所属する人物なのである。
表向きは国際警察の人間、その裏で怪盗とつながっている。
これは新日本プロレスで言えば、飯伏幸太選手がいろいろなユニットに属してタッグマッチに出場し続けるようなものだろう。
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など、新日本プロレスで例えるとこれまでに見たことがない景色が広がるようなものだ。
また、髙橋ヒロム選手は二重人格という説もある。本体とロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン。両方の試合に出場するヒロム選手も面白そうだ。
双方の組織に属しているからこそできる、トリックスターとしての役回りが『ルパパト』を更に加熱させている。
本当はどっちの味方なのか。本当の目的は何なのか。謎が謎を呼ぶ展開はプロレスファンの大好物だ。
スーパー戦隊の新境地
これまでのスーパーヒーロー戦隊シリーズは一部例外はありつつも、勧善懲悪を主軸に置いてきた。
『ヒーロー』と『敵』。つまり、『ベビーフェイス』と『ヒール』がぶつかり合う物語だ。
だが、『ルパパト』 は『ダークヒーロー』と『ヒーロー』、『ヒール』が三つ巴の戦いを見せる。
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人に応じて見方が全く変わる。同じシーンを見ているはずなのに、隣の誰かと感じ方が真逆だったりもする。まるで、新日本プロレスのようではないか。
『ルパパト』は煽り文句も秀逸だ。
「怪盗と警察。君はどちらを応援する?」
『ダークヒーロー』と『ヒーロー』。どちらを応援してもいい世界は日曜朝にも届いている。
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