EVIL選手凱旋帰国から3年。闇の王は今、何を想う?

「俺は両国にパレハ(相棒)を連れてきますよ」

遡ること2015年。メキシコにてロス・インゴベルナブレスに加入した内藤哲也選手は新日本プロレスのリングで1人、プロレスラーとして爆発の時を待っていた。

未だ鳴り止まない己へのブーイング。1人で団体批判を繰り返す日々。

G1クライマックスが終わり、棚橋弘至選手が持つ、挑戦権利証を懸けた試合で“パレハ”は現れた。

内藤哲也選手と同じコスチュームで入場した謎の男。国籍すらも分からない状況の中、微動だにすらしない。

試合が終盤に差し掛かった時、男は動いた。

仮面を脱ぎ去ると目の周りを黒く塗った強面の素顔が明らかになった。

「誰だ?」

一瞬の間から、元ヤングライオン・渡辺高章選手であることが発覚する。

あれから3年。怪奇派レスラーの道を歩んだ元プレミアムな男、“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手は、新日本プロレスマットに凱旋帰国後初となる“挫折”を感じているのかもしれない。

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2018年上半期のEVIL

人から言われた忘れらない言葉は?という質問に「内藤哲也のパレハ」と応えたEVIL選手。凱旋帰国当初こそ、その風貌とキャラクターに色々な物言いがあったが、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン旋風が吹き荒れるに連れ、その声は自然と消滅した。今では“闇の王”待望論も少なくはない。

内藤哲也選手の隣にいるだけでなく、試合内容でもダークネスワールドを見せてきた。

2015年のワールドタッグリーグ準優勝。2016年11月のNEVER無差別王座戴冠。

更に2017年のG1クライマックスでは、シングル無敗を誇っていたオカダ・カズチカ選手を破る快挙を果し、その勢いでSANADA選手と挑んだ2017年のワールドタッグリーグでは、見事優勝を掴み取った。

この3年で「内藤哲也のパレハ」ではなく、EVIL選手としての人気を手中に納めたと言ってもいいだろう。

所属するユニット『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』は大人気。自身もシングル、タッグ戦線の両方で結果を残してきた。2017年にはIWGPヘビー級ベルトにも挑戦した。

だが、何かが足りない。

特に2018年はEVIL選手にとってそんな年になっているような気がしてならない。

最も大きな話題となったのは、IWGPヘビータッグベルトの戴冠と髙橋ヒロム選手の欠場に際し、ジャケットを手に持ち現れたこと。髪に赤のメッシュを入れたことだ。

つまり、シングル戦線で大きな結果を残せていないという見方もある。

もう1人のパレハ

SANADA選手は2018年に大きく株を上げた選手の1人だ。2018年2月10日、オカダ・カズチカ選手とのIWGPヘビー級選手権では、完全無欠のチャンピオンをギリギリまで追い詰めた。

また、2018年のG1クライマックスの優勝候補として、棚橋弘至選手はSANADA選手の名前を挙げた。

結果、優勝とはいかなかったが、大きく深い爪痕を残した。

特に、石井智宏選手やザックセイバーJr.選手、飯伏幸太選手との戦いは眼を見張るものがあった。

これから何かを起こす気配がある外から来た天才と、アメリカ帰りの元ヤングライオン。

多くを語らないSANADA選手だけに気付かなかった。EVIL選手よりもSANADA選手の方が先を歩き始めていることに。

さらにもう1人。EVIL選手が海外遠征壮行試合の相手を務めた髙橋ヒロム選手は現在、欠場中である。

冷酷卑劣、残虐、熱血な“闇の王”だけに、彼がいない事を一番気にしているようにも思う。

バックステージでは「今日のキーワードは『F』」という発言も飛び出した。

髙橋ヒロム選手を意識していないはずがないのだ。

EVILに挫折を教えたのは誰ですかー?

ここからが本題だ。

2018年9月17日の『』で“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手は、ザックセイバーJr.選手に丸め込まれた。

あまりにも呆気ない幕切れだった。

一時期はレインメーカー対策とまで称された自身の必殺技『EVIL』をあまりにも簡単に返されたのだ。

スリーカウントをその耳で聴き、呆然したEVIL選手はその場を数分間動かなかった。

あまりにもショックな表情を隠しきれていなかった。

確かにザックセイバーJr.選手は強い。そして、上手い。新日本プロレスワールドと会場でこんなに楽しさが変わる選手もそう多くないと思うほどに。

ザックセイバーJr.選手は会場観戦でタイプのレスラーだと思う。とにかく早くて上手い。関節技を途切れずにキメまくる。実際に対峙してみると、訳がわからないウチに何か技を仕掛けられていると錯覚するのではないだろうか。

2018年のニュージャパンカップ優勝。G1クライマックスでは内藤哲也選手を破り、更に頭角を現した。

内藤哲也を倒した男にタッグとはいえ、あっさりピンフォールを取られた。この現実を受け止めることができなかったのかもしれない。

這い上がる“闇の王”

オカダ・カズチカ選手は、2015年のイッテンヨンで棚橋弘至選手に敗北を喫し涙を流した。

泣いて強くなるほど、新日本プロレスのマットは甘いものではないが、確かな挫折を印象付けるものではある。

2018年9月17日、EVIL選手はザックセイバーJr.選手に大きな敗北を喫した。

もしも、連続で敗れるようなことがあれば、EVIL選手にとって初となる挫折に繋がるのかもしれない。

いい意味でトントン拍子にスターへ上り詰めたEVIL選手がさらにもう一度飛躍するためには、一度しゃがみこむ必要があるのだ。

2018年、下半期のEVIL選手に期待したい。

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