ケニー・オメガ選手と飯伏幸太選手、Cody選手が3Wayで激突!?新日本プロレス in USA『FIGHTING SPIRIT UNLEASHED』を振り返る

2018年9月30日(日本時間10月1日)にアメリカ・WALTER PYRAMIDで開催された新日本プロレス in USAロサンゼルス大会『FIGHTING SPIRIT UNLEASHED』。

荒武者、闇の王、英国の匠、空王、悪党、W兄弟。そして、ケニー・オメガ選手と飯伏幸太選手、Cody選手が3Wayマッチについて。

新日本プロレスの新しい歴史がまたはじまろうとしている。ここでは、『FIGHTING SPIRIT UNLEASHED』で僕が個人的に印象に残ったエピソードをまとめていきたい。

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荒武者は日本から世界を目指すか

第3試合終了後、ROH TV王座に輝くジェフ・コブ選手に対し、後藤洋央紀選手が挑発を行った。

寡黙な後藤洋央紀選手としては珍しい光景である。渡米後、新日本プロレスのLA道場に足を運んだ彼には“同級生”との再会が待っていた筈だ。

「後藤、アメリカはいいぞ!最高の環境だ!」

「シバちゃん!マジで!?じゃあ俺、ROHのベルト狙うよ!」

もし、こんな会話が交わされていたとしたら?後藤洋央紀選手の新しい覇道はこれからだ。

闇の王、光は遠く

第4試合は衝撃の幕切れとなった。EVIL選手がザック・セイバーJr.選手にピンフォール負け。その瞬間、ザック選手の両手にある中心の指は高らかと突き上げられた。「これはマズイ」と感じたと同時に鮮烈の3カウントがコールされた。

ショックのあまり茫然自失となってしまったEVIL選手は、リングの中央から動くことができない。

『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』のリーダー内藤哲也選手もタッグパートナーを務めているSANADA選手も「こんなEVILを見るのは初めて」という表情を浮かべている。

闇の王を包んだ英国紳士の蜘蛛の糸は、まだまだ深く絡みそうである。

人の道を外れた男を隣につけ、浮かべるその笑み

棚橋弘至選手&KUSHIDA選手VSジェイ・ホワイト選手&外道選手のカードは、試合巧者が集っただけがあり好勝負となった。

ジェイ・ホワイト選手のブレード・ランナーによりG1クライマックスに続き、リングへ沈む棚橋弘至選手。

その後マイクを持ったジェイ・ホワイト選手にはおびただしい量のブーイングと歓声が浴びせられた。

そのチャントのボリュームにマイクパフォーマンスができない。ジェイ・ホワイト選手がより多くの注目を集める選手へと進化しているのだ。

また、外道選手からも目が離せない。コスチュームを一新、ブーイングが巻き起これば笑顔を浮かべる。

久しぶりのヒールに血が騒ぐとはまさにこのことだろうか。

世界売れっ子三銃士、最後の1人

スパニッシュ・フライ、サスケ・スペシャル、シューティング・スタープレス。

休憩明けのWALTER PYRAMIDの空気を一変させたのは、空王の秒殺狙いだった。

現在、ザック・セイバーJr.選手、KUSHIDA選手と並び“世界売れっ子三銃士”と称されるウィル・オスプレイ選手。

以前、髙橋ヒロム選手がKUSHIDA選手を秒殺した試合を彷彿とさせるような連続攻撃。

「このまま終わってしまうのではないか」そう、思ったファンもいたことだろう。

ただ、試合巧者であるマーティ・スカル選手も現在の地元・USAであっさりと引き下がるわけにはいかない。

徐々に自分のペースに引きずりこんでいく姿が印象に残った。

ヒロム、ミテイルカ?

試合中盤、ウィル・オスプレイ選手が髙橋ヒロム選手の得意技であるサンセットフリップ・パワーボムを繰り出す。

「holy shit!!!」

自身からジュニアの至宝を奪った男。現在、欠場中のチャンピオン。危険を省みない気持ちのこもったファイトスタイル。

幾度となくベルトを懸けて戦ったライバルに対し、特別な感情がないわけがないのだ。

最後は、マーティ・スカル選手の新技がウィル・オスプレイ選手に炸裂。

 KUSHIDA選手の待つ決勝戦へと駒を進めた。

キング・ハクの存在

キング・ハク氏も現れたW兄弟によるIWGPタッグ選手権は試合開始からフルスロットルだ。

ヘビー級転向後、身体の厚みが増したヤング・バックス。流れるようなコンビネーションのスピードはそのままに威力が上がっている印象がある。

だが、腰に爆弾を抱えているマット・ジャクソン選手が痛みの表情を浮かべると、一気に試合はタマ・トンガ選手、タンガ・ロア選手のペースへ。

マット・ジャクソン選手がトップロープに上がればタンガ・ロア選手に突き落とされ、テーブルが真っ二つに割れる大惨事に。

以前、EVIL選手がシングルマッチならヤング・バックスに負ける気はしないが、タッグになると話が別になると語っていた。

残されたニック・ジャクソン選手対GODでは流石に分が悪すぎると言ったところだろう。

ここからGODはニック・ジャクソン選手を痛めつける展開で試合を進めていく。

孤軍奮闘するニック・ジャクソン選手に触発され、マット・ジャクソン選手が復帰。腰の痛みに耐えつつ、シャープ・シューターをタマ・トンガ選手に見舞う。

だが、今度はマット・ジャクソン選手が孤立。2人で優勢に試合を進めるGODの前にいつ3カウントが入ってもおかしくない状況だ。

ヤング・バックス得意のインディーテイカーをタマ・トンガ選手がガンスタンで撃墜。なんとキング・ハク氏の介入なしでGODが勝利を掴んだ。 

NWAヘビー級王座・ローデス家の系譜

Cody選手はこれまで新日本プロレスのタイトルに縁がなかった。圧倒的な華と新日本プロレスのスタイルにも短期間でアジャストできるテクニックを持っているにも関わらず、だ。

チャンスがなかった訳でもない。新日本プロレスがアメリカ大会を行う度に、Cody選手はチャンピオンへ挑戦を行なってきた。だが、一歩届かない。

ケニー・オメガ選手に反旗を翻した時も、最終的にはリーダーの座を得るまでには至らなかった。

そんなCody選手は今回のIWGP USベルトを戴冠するために、2つの仕掛けを取り入れてきた。

左目付近のフェイスペイントと妻であるブランディ・ローゼスさんの介入行為だ。

Cody選手とジュース・ロビンソン選手の歴史をWWE時代まで巻き戻せば、明らかに格が違うという現実がある。

ただし、ジュース・ロビンソン選手は新日本プロレスの道場から再スタートを切ることで、自らを変えてきた。

Cody選手から見れば、自分よりも先にシングルベルトを戴冠した“ガイジン”レスラーにまで成長するほどに。

勝ち方よりも結果にこだわる

ジュース・ロビンソン選手のパルプ・フリクションが決まれば、なりふり構わず場外にエスケープ。ダメージを最大化するためにリング外でクロス・ローズを繰り出した。

さらに右と左のナックルが交錯する景色は圧巻。

Cody選手の新必殺技『DIN’S FIRE』が刺さった瞬間、試合は決まったと思ったが、ジュース・ロビンソン選手は意地のキックアウト。

最後は丸め込みでCody選手が試合を決めた。

勝ち方よりもベルトを求める。Cody選手の本気が見えた好勝負だった。

石井智宏という男

オカダ・カズチカ選手と飯伏幸太選手が対角線に立った後、石井智宏選手がケニー・オメガ選手を指名する。

絶対王者として君臨したオカダ・カズチカ選手を超えるほどの輝きを放つ。これが2018年の石井智宏選手だ。

ケニー・オメガ選手からタッチを受けた飯伏幸太選手も石井智宏選手の土俵に上がる。

『ゴールデン☆ラヴァーズ』の2人が最も意識しているのは石井智宏選手なのかもしれない。

もちろん、オカダ・カズチカ選手も負けてはいない。“恋人”飯伏幸太選手に攻撃を重ねる間にケニー・オメガ選手を挑発。

身軽になったオカダ・カズチカ選手はチャンピオン時代とは違う魅力を放ちはじめている。

石井智宏選手についてはこちらのランキングに入っている人気ブログでも言及されているので、ぜひチェックいただきたいところだ

VSケニー・オメガ

このスペシャルシングルが組まれた時、何でこのカードがメインイベントなのか?と思っていた。

だが、この一戦がケニー・オメガ選手の挑戦者決定マッチだと考えれば合点がいく。

ケニー・オメガ選手から直接ピンフォールを取れば、IWGPヘビー級への挑戦権利が生まれる可能性は高い。

事実、同日にIWGP USヘビー級ベルトを戴冠したCody選手もジュース・ロビンソン選手への直接ピンフォールで挑戦が決定したのだ。

そして、オカダ・カズチカ選手とケニー・オメガ選手が対峙した際、会場からは一際大きな歓声が巻き起こった。

2017年のイッテンヨン メインイベント。あの伝説の一戦は全世界に轟いているのだ。

地鳴りのような音が鳴り響くWALTER PYRAMID。メインイベントでそのテンションは最高潮に達している。

今の新日本プロレスをUSAで

石井智宏選手と飯伏幸太選手がバチバチにぶつかりあう。新日本プロレスのアメリカ進出について、カスタマイズするのではなく、そのままの新日本プロレスを見せることが重要だと棚橋弘至選手は語っていた。

この一戦には新日本プロレスの今が詰まっている。

最高の時間の決着は突然訪れた。

再結成後に誕生したゴールデン☆トリガーが石井智宏選手に突き刺さる。

GODがヤングバックスからベルトを奪った今、ゴールデン☆ラヴァーズがIWGPタッグ戦線に挑む可能性も出てきた。

新日本プロレス in USAのラストシーン

 ケニー・オメガ選手が飯伏幸太選手を指名。IWGPヘビー級タイトルマッチが決定した。だが、そこにCody選手が現れる。

 2018年10月8日の「KING OF PRO-WRESTLING」で3wayマッチを提案した。

以前のような乗っ取り計画ではない。「ただ、面白い試合をやろうぜ。見たことのない景色を『BULLET CLUB ELITE』が作ろうぜ」という気概のみが伝わってくる。

とんでもない景色はまだまだ続く。月曜日の朝イチからすごい絵を見てしまった。

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