棚橋弘至選手の「賞味期限切れ」発言について思ったこと

2019年のイッテンヨンはこの2人によるメインイベントで決定した可能性が高い。

IWGPヘビー級王者 ケニー・オメガ選手とG1クライマックス28の覇者 棚橋弘至選手だ。

2018年10月8に新日本プロレスが開催した『九州三国志 presents KING OFPRO-WRESTLING』両国国技館大会のメインイベント終了後、防衛を果たしたケニー・オメガ選手の前に棚橋弘至選手は姿を現し、こう言い放った。

「ケニー君 俺は怒っているよ。みんな拍手してたけど、ここは新日本だから。あぁ、敢えて言ってやる。ケニー、お前は賞味期限切れだ」

この言葉の真意を紐解きつつ、棚橋弘至選手の立ち位置についても考えていきたい。

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メッセージはシンプル

棚橋弘至選手がケニー・オメガ選手に対して言い放った辛辣な言葉は、ある意味でケニー・オメガ選手が外国人のトップ選手として上り詰めたことを意味している。

行間を想像してみるとこうなる。

「ケニー君 俺は怒っているよ(俺もV11の時に出来なかった3WAYを大成功させたことを)。みんな拍手してたけど、ここは新日本だから(日本人、生え抜きがお客様を満足させなければいけない。柴田さんに言われた、新日本を見せろ。この言葉を証明するために、お前には絶対に負けない)。あぁ、敢えて言ってやる。ケニー、お前は賞味期限切れだ(IWGPチャンピオンの景色はどうだったかな?最高の眺めが楽しめただろ?でも、それは東京ドームで俺のものになるんだ。権利書は動かなかったが、ベルトは俺の力で動かしてみせる)

もはや行間の方が長いが僕はこう聞こえた。僕の心にはこう届いた。

棚橋弘至選手はケニー・オメガ選手を否定しているわけじゃない。

新日本プロレスの中心に返り咲くと数年前から宣言していた逸材を待っていたのは、オカダ・カズチカ選手でも内藤哲也選手でもないケニー・オメガ選手だった。

ライオンに育てられた男たちではなく、ライオンの中で勝ち抜いた存在と対峙する。

ケニー・オメガ選手はウィットに富んだジョークが得意である。そこで、棚橋弘至選手は賞味期限切れというワードを残した。

「IWGPは近いぞ」でも「棚橋弘至になれなかった男」でもない。お前は「賞味期限切れ」だ。

IWGPヘビー級ベルトが求めているのは、俺なのだと。

この発言に対して

棚橋弘至選手の「賞味期限切れ」発言について、SNSでは様々な言葉が飛び交った。中でもネガティブなコメントは目にとまりやすい。

  • お前が賞味期限切れだ
  • ショックだった
  • 応援するのをやめます

など、エースの返り咲きにブレーキが掛かるような言葉も散見された。

人それぞれの感じ方があるので、否定はできない。棚橋弘至選手の口から出た言葉にショックを受けた人もいたのは事実だ。ここからは僕の考えを書きたい。

熟成された男の強さ

棚橋弘至選手、41歳。おそらく身体が動くという意味のみで考えれば、ピークは過ぎている。ただ、プロレスラーとしてのピークはいつ訪れるのだろうか。

往年のプロレスラーが未だリングに上がり続ける姿を見て、僕はそう感じていた。

例えば2015年 天龍源一郎氏の引退試合。プロレス大賞ベストバウトに選出された試合である。当時の天龍源一郎氏は65歳だ。

アスリートの身体能力を駆使し、超人的な試合を見せるのもプロレス。ただ、動きや技だけではない“何か”で試合を見た人々に何かを伝えるのもプロレス。

後者に関しては、年輪を刻めば刻むほど深みが出てくると僕は思っている。

2018年9月の小島聡選手復帰戦。この試合に僕の心は大きく揺れた。今回のビッグマッチで試合が組まれなかった第3世代の選手だが、その価値は全く下がっていない。その裏側にあるのが、プロレスラーとしての熟成にあると思う。

熟成とは特定の状況下において起こる化学反応である。

何も考えずに放置していればせっかくの素材も腐敗する。

ただ、常に意識を高く持ち、日々の鍛錬を怠らなければプロレスラーとしての熟成は続いていくのだ。

棚橋弘至選手は決して恵まれた年に、プロレスラーとしてデビューを飾ったわけではない。

改めて、スターが生まれる前の環境を作るところからスタートした人材だ。

優れたワインを作るためには、良いぶどうがなければならない。良いぶどうが育つには秀逸な土が必要となる。そこに天候という変数まで入ってくるのだから、悩みは尽きることはない。

棚橋弘至選手は新日本プロレスにスターが育つ土壌を作り上げた。

njpwfun.hatenablog.com

そんな彼を前にして、「賞味期限切れ」はお前だと言うのは野暮だろう。何故ならば、棚橋弘至選手は熟成された存在。新鮮な食材ではなく、特定の状況下で育ち続ける、味わい深く深みのある熟成肉なのだから。

ある意味でこの言葉はケニー・オメガ選手へのアドバイス、提言だったのかもしれない。

「アスリートプロレスだけじゃなくて、熟成されたプロレスを俺と楽しもうぜ。お前の新しい扉、俺が開けてやるよ」と。

記者会見の時が迫る

『九州三国志 presents KING OF PRO-WRESTLING』両国国技館大会についてはこちらのランキングに入っている人気ブログでも言及されているので、ぜひチェックいただきたいところだ。 

2018年10月9日の15時から記者会見が行われる。次はどんな言葉が飛び出すのか、僕は胸を躍らせつつその時を待ちたい。

逸材が3年振りにイッテンヨン メインイベントの記者会見を開くのだから。

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