棚橋弘至選手VSケニー・オメガ選手は“泣いた赤鬼”の第2ラウンドだ

先日、『IWGPの権威とストロングスタイルについて』という記事を執筆した。

新日本プロレスが2019年のイッテンヨンに開催する『WRESTLE KINGDOM 13』。キャッチコピーの「プロレス!冬フェス!イッテンヨン!!」というキャッチーさとは真逆の雰囲気を漂わせているのが、棚橋弘至選手とケニー・オメガ選手によるイデオロギー闘争だ。

歴史と伝統の純粋な進化を熱望する真夏の覇者。世界を変えることを目的とする王者。

このイデオロギーの相違には、新日本プロレスに普遍的な概念として存在する“ストロングスタイル”があるのではないかと考察してみた。

ただ、自身で書いた記事を読み直してみると、過去にも似たようなことがあったことに気付いた。

丁度6年前。2012年10月8日、両国国技館大会。対戦カードは、棚橋弘至選手VS鈴木みのる選手である。

何故、この2人が新日本プロレスでイデオロギー闘争を行なったのか。その背景を振り返りつつ、今回の一件について違った角度から事象を見つめてみたい。

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2012年、レインメーカーショックともう一つの事件

2012年と言えば、オカダ・カズチカ選手が凱旋帰国を果たし、レインメーカーとしてその名を轟かせた年である。IWGPヘビー級に初挑戦、初戴冠。G1クライマックス初出場、初優勝。東京スポーツ主催のプロレス大賞では最優秀選手賞(MVP)とベストバウト賞を受賞した。

まさにプロレス界に新しいスターが誕生した、記念すべき年である。

一方、その裏ではOBや過去の関係者、ファンからの苦言が呈されていた。

それは、2012年のプロレスをサーカス・曲芸だと主張するメッセージだった。

当時のIWGPチャンピオンは棚橋弘至選手。昭和世代と異なり、華やな雰囲気をリング上に持ち込むことで、人気回復を図ろうとした男だ。

様々な憶測や辛辣な言葉が飛び出す中、棚橋弘至選手の対角線には、当時“世界一性格の悪い男”が名乗りを挙げた。現・“プロレス王”鈴木みのる選手である。

この試合や一連の流れについては、この2つの記事をお目通しいただきたい。

 

ameblo.jp

blog.livedoor.jp

棚橋弘至選手に対し、お前がやっているのは「プロレスごっこ」だと全てを否定する鈴木みのる選手。

ただ、この裏側には「今のプロレスがどう見られているのか?」、「我々はどうすべきか?」という様々な角度からの問いかけが存在した。

リング内外を巻き込んだ大きなうねりに対し、棚橋弘至選手と鈴木みのる選手は“試合”で答えを出した。

NJPW 40th anniversary KING OF PRO-WRESTLING 2012年10月8日 両国国技館 第9試合 IWGPヘビー級選手権試合 棚橋弘至 vs 鈴木みのる

プロレスの強さ、激しさ

鈴木みのる選手は新日本プロレス、UWFを経てパンクラスを創設した。言わば、強さを追い求めてきた存在である。

鈴木みのる選手の言葉は重い。プロレスというジャンル自体が先立やファンに偏見の目で晒されているのは納得がいかないのだ。

プロレスとは本来、どういった立ち位置にいるべきなのか。プロレスの価値とは何か。その本質を棚橋弘至選手に突き立てた。

この6年前の出来事が、ブーメランのように返ってきたような気がする。

プロレスで〈自由〉になる方法

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泣いた赤鬼

2012年は、高田延彦氏を含めたレジェンドたちが火種となり、プロレスとは何かということに向き合う時間が生まれた。

今回は拡大した新日本プロレスのファンたち、その声を汲み取った棚橋弘至選手がケニー・オメガ選手に挑戦状を叩きつけた形だ。

相手の技を受けて勝つプロレスにおいて、ジャ対戦相手との関係性は非常に重要なものだ。

相手を信頼しているからこそできる技がある。相手を尊敬しているからこそ生まれる好勝負がある。

だが、それをIWGPが懸かったリングの上で表現する必要はない。これが多くのファンの主張であり棚橋弘至選手が受け取ったメッセージだ。

2019イッテンヨン

僕はこの大会が非常に重要な大会になるのではないかと思っている。そう、改めて世界中に新日本プロレスをNJPWを発信するXデーになるのではないかと。

ここで対戦カード一部予想してみよう。

  • ケニー・オメガ選手VS棚橋弘至
  • クリス・ジェリコ選手VS内藤哲也
  • Cody選手VS鈴木みのる選手
  • ウィル・オスプレイ選手VS飯伏幸太選手VSタイチ選手
  • オカダ・カズチカ選手VSジェイ・ホワイト選手
  • KUSHIDA選手VS X(敢えて名前は書かない。ただ、このタイミングでの復帰を願う)選手

僕の予想はほぼ外れるので参考程度に。ただ、この一年で張り巡らされた伏線が全て回収され会場に駆け付けたファン、配信を視聴しているファン、新日本プロレスに関わる全ての方が幸せを感じられる大会になればいいと思っている。

そのために用意されたテーマがイデオロギーでありIWGP(ストロングスタイル)なのかもしれない。

今、新日本プロレスとして最も尊重すべきものは何なのか。NJPWと新日本プロレスの違いとは何なのか。

そこ命題に対峙し、答えを出す瞬間は迫っている。

週刊プロレス 2018年 10/24 号 [雑誌]

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プロレスとは何なのか

プロレスひいて新日本プロレスの話をするためにこのブログは運営されている。

プロレスについて、友人と話す際「プロレスって何?」と言われる度に最も相応しい回答について考えた。

改めて思う。プロレスとは何なのか、と。

これはあくまで一つの意見だが、『恋愛』だと思っている。

答えはない。恋と愛は違うし、一人ひとりの捉え方も違って当たり前だ。じっくりを試合や展開を予想する駆け引きを楽しむファンもあれば、直球で気持ちを伝えるファンもいる。これこそがプロレスなのではないだろうか。

長い時間をプロレスと共に過ごしてきたファン。新しくその魅力を知ったファン。

その全てのファンが周囲の人々に「プロレス、面白いっしょ?」と、更に胸を張って言える日は近い。

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