鷹木信悟選手はSHO選手にとって超えるべき壁である
2018年10月16日に開催された『九州三国志 presents Road to POWER STRUGGLE ~SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018~』後楽園ホール大会。
新日本プロレスが贈る新たなるジュニアの祭典の火蓋が切って落とされた。
『BULLET CLUB OG』が『BULLET CLUB』へ名称を改め、先日CHAOSから離反した邪道選手が全く姿を変えて登場するなど、『スーパージュニア・タッグ・リーグ 2018』がスタートする前から盛り上がりは十分。
POWER STRUGGLE。『権力闘争』の名に相応しい戦いの激化も気になるところだが、本稿では『スーパージュニア・タッグ・リーグ 2018』のメインイベントで行われたBUSHI選手&鷹木信悟選手VSロッポンギ3K(SHO選手&YOH選手)について語りたい。この試合を通じて分かったことは、鷹木信悟選手はSHO選手にとって超えるべき壁であるということだ。
生え抜きの意地と外様の実力
本試合が開催される数日前、SHO選手のスマホ日記について、新日本プロレスのCEO・ハロルド・ジョージ・メイが言及していた。
メイ社長コラム『ハロルドの部屋』更新!
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) October 15, 2018
第21回は「亀の2択」https://t.co/TKlBO2Y5iH#njpw #njpst pic.twitter.com/Fjdl1SnCn4
入門テストを突破し、ヤングライオン期間を経た自分たちにはライオンの血が通っている。これは、YOH選手の言葉だ。新日本の道場で辛く厳しい時間をくぐり抜けてきた自分たちこそが、このリングの主役になるべきである。そんな主張がハッキリと伝わってくる。
2017年、この言葉はKUSHIDA選手に投げかけれた。そして、2017年の『Super Jr. Tag Tournament 2017』では優勝という結果も残した。だが、同じ指針を持って望んだ『スーパージュニア・タッグ・リーグ 2018』は初戦を落とすという結果を迎えてしまった。
そう、鷹木信悟選手という元・ドラゴン・ゲートのエースレスラーの前に屈した。龍に獅子が完敗したのだ。
下馬評通り以上の実力
『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』6人目のパレハとして登場した鷹木信悟選手。お披露目は4人のタッグマッチということや前日に行われたB×Bハルクとの激闘もあり、100%の実力を発揮したようには見えなかった。
だが、『スーパージュニア・タッグ・リーグ 2018』のメインイベントを飾った『THE DRAGON』は、僕の想像を上回る“凄さ”だった。
上手い、早い、強いの三拍子が揃った選手。GK金沢さんが鷹木信悟選手を新日本プロレスで例えるなら?という質問に「後藤洋央紀選手のスピードを上げたタイプ」と、答えたように、その実力は折り紙付きだ。
SHO選手にとってナイスな展開なのではないか
試合序盤、鷹木信悟選手とSHO選手のぶつかり合いに目を奪われた。お披露目試合で『ラスト・オブ・ザ・ドラゴン』の前に屈したことから生まれた因縁。ただ、それ以上にこれからも続く“何か”を感じさせた。
昨今、新日本プロレスファンの間でIWGPの権威について話題が挙がった。これはケニー・オメガ選手と棚橋弘至選手のイデオロギー闘争から発展したものである。
僕はIWGPの権威について、ストロングスタイルとの親和性が高いと記事にした。
僕は以前からこう思っていた。今の新日本プロレスで最もストロングスタイルを感じさせるのは、SHO選手である、と。甘いマスクが目立つが、不器用で無骨なファイトスタイル。とにかく気持ちを全面に見せる姿勢。相手より強くありたいという感情からにじみ出る空気感。その全てがストロングスタイルを彷彿とさせるものだ。
最強の龍が獅子を強くする
『九州三国志 presents Road to POWER STRUGGLE ~SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018~』についてはこちらのランキングに入っている人気ブログでも言及されているので、ぜひチェックいただきたいところだ。
昨今の新日本ジュニアは様々なタイプが入り交じる群雄割拠なジャングルと化したが、パワー型はそう多くなかった。そんなジャングルに一匹の龍が解き放たれたのだ。しかも、とびきり強いパワーを持った龍が。
現時点でSHO選手は鷹木信悟選手に叶わなかった。だが、こんなにナイスな展開はないと思う。SHO選手にとって他のユニットに超えるべき壁が現れたのだ。
それも獅子の先輩じゃない。龍の外敵で、だ。
『スーパージュニア・タッグ・リーグ 2018』は開幕したばかりだが、いつか鷹木信悟選手とSHO選手のシングルマッチが見たい。そう感じさせる開幕戦だった。
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