Birds Of Preyでも勝てない石森太二&エル・ファンタズモの恐ろしさとは
Birds Of Preyでも勝てない石森太二&エル・ファンタズモの恐ろしさについて書きたい。
「IWGPジュニアヘビー級王者」ウィル・オスプレイ選手と「バレットクラブ」と袂を分かち、「CHAOS」に新天地を求めたロビー・イーグルス選手のタッグチームは、これまでにない可能性を生み出し続けている。
そもそもシングルプレイヤーとして「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」でウィル・オスプレイ選手を破るほどの実力を持ってたロビー・イーグルス選手。
ハイフライヤーとしての巧みな技と華麗さ。更には関節技のテクニックを併せ持つなど、ロビー・イーグルス選手はその才能を新日本プロレスで発揮させてきた。
「Birds Of Prey」。
その名に相応しいタッグとなった2人。新日本プロレスジュニアに新しい息吹を与えるべく、彗星のように誕生したタッグチームは、いきなりの結果を残した。
そう、現「IWGPジュニアタッグ王者」石森太二選手&エル・ファンタズモ選手を相手に互角以上の試合を魅せ、ベルトへの挑戦権利を手に入れたのだ。
現在の新日本プロレスジュニアを牽引するウィル・オスプレイ選手。
そんな彼が絶賛し、スカウトしたジュニアの新しい逸材がロビー・イーグルス選手なのだ。
ただし、そんな2人をもってしても石森太二選手とエル・ファンタズモのタッグチームには敵わなかった。
勝敗を分けたポイントについて考えてみたい。
ロビー・イーグルスという男
2018年。石森太二選手にスカウトされ「バレットクラブ」へと加入。その後は「スーパージュニアタッグリーグ」へエントリーした。
石森太二選手が選んだオーストラリアで名を馳せているハイフライヤー。そんなザックリとした印象が大きく変わったのは「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」である。
ロビー・イーグルス選手は完璧にシングルプレイヤーだったのだ。華麗な飛び技と一度照準を定めたら逃がさない関節技。
高水準のスピードとテクニック。強者を前にしても全く物怖じしない度胸。その全てがロビー・イーグルス選手の持ち味だったのだ。
そして、エル・ファンタズモ選手の悪行に堪忍袋の尾が切れたロビー・イーグルス選手は、「バレットクラブ」から離反した。
所属ユニットまでも変える明確なフェイスターンも近年珍しく、更に注目を集めることとなった。
そして、ウィル・オスプレイ選手はジュニアを代表し無差別級でも活躍し続けている。2019年のイッテンヨンで飯伏幸太選手を破るほどの実利者とロビー・イーグルス選手のタッグ。
まさに新世代の新日本プロレスを牽引する、“ガイジン”レスラーの揃い踏みだったわけだが、それでもチャンピオンチームが一枚上手だったのだ。
GHCタッグ王者
この日は石森太二選手が冴えていた。派手派手しいエル・ファンタズモ選手に目を奪われがちだが、石森太二選手が上手くバランスを取っていた。
試合後半、完全に油断してウィル・オスプレイ選手のカットを許すというミスはあったものの、タッチの回数も多くスピーディーな試合展開でBirds Of Preyの2人を翻弄していたように思う。
事実、ロビー・イーグルス選手のローンバトルが目立つ試合内容だったようにも思う。
Birds Of Preyが連携技にこだわるのであれば、石森太二選手&エル・ファンタズモ選手はタッグでの試合運びにとことんこだわる。
連携攻撃だけでなく、分断などのインサイドワークを徹底する。悪の華を邁進する2人だが、勝つための進め方が非常に上手い。
改めて試合を見ていると、現時点のBirds Of Prey一枚上手という印象すら受けた。
個人的には金丸義信選手&エル・デスペラード選手との激突が気になっている。それほどまでに、この2人は強いのだ。
華やかさと強さの融合
ウィル・オスプレイ選手とロビー・イーグルス選手のたっぐはジュニアの栄冠に手を伸ばすも、あと一歩手が届かなかった。
ただし、2人のタッグはまだまだ始まったばかりだ。早速2人は次の展開に目を向け始めている。
ここで少し、バックステージでのコメントをご紹介しよう。
イーグルス「(※2人で床に座り込み)ゴメン、ウィル。せっかくのチャンスだったのに、俺のせいだ」
オスプレイ「謝らないでくれ。仕方なかった。また狙いに行こう。これは敗北なんかじゃない、もっと上に行くためのチャンスだと受け止める。今日、何がダメだったのか、振り返って次につなげていきたい。もっと強くなって戻って来よう。確かにせっかくのチャンスをモノにできなかった。でも、これを糧に成長していくしかない。ELP、俺のジュニアのベルトは、絶対にお前に獲らせない。ロビー、次に気持ちを切り替えよう。次は『KING OF PRO-WRESTLING』だ。2人でリーグに出場しよう」
2人で「スーパージュニア・タッグリーグ」への挑戦を表明した。ウィル・オスプレイ選手は「ニュージャパンカップ」、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」、「G1クライマックス」と階級を超え休みなく試合にエントリーし続けている。
シングルの季節からタッグの季節へと移り変わりゆく中で、一体どんなドラマが待ち受けているのか。今から楽しみである。