新日本プロレスのアメリカ法人設立で感じた3つの疑問
新日本プロレスのアメリカ法人設立で感じた3つの疑問について書いておきたい。概ね賛成どし、何を言える立場でもないのだが、少しだけ疑問が残った。
動画配信サービス「新日本プロレスワールド」の公式Twitterにて新日本プロレスが記者発表を行うことが発表された。
現在の新日本プロレスといえば「保険見直し本舗 Presents Road toPOWER STRUGGLE ~SUPER Jr. TAGLEAGUE 2019~」の真っ只中。
つい先日、オカダ・カズチカ選手の一夜明け会見及び、イッテンヨン東京ドームの対戦カード発表記者会見が行われたばかりである。つまり、よほどのことが無ければ、記者会見が開かれるタイミングではないのだ。
パッと頭に浮かんだのは3つの軸だった。まずは、新レスラーの契約あるいは参戦。次に退団。最後に復帰である。ウルトラCで獣神サンダー・ライガー選手がイッテンゴで戦う相手の発表もありかと思ったが、わざわざ「スーパージュニアタッグリーグ」中に発表するのも違和感がある。
と、思ったら全く別の方向から発表が行われた。新日本プロレスがアメリカに新設する新会社の発表記者会見だったのだ。
新会社名は『NEW JAPAN Pro-Wrestling of America Inc.』。
役員構成はCEOに大張高己さん。CFOに西澤道昭さん。COOに手塚要さん。そして、菅林直樹・新日本プロレス会長がチェアマンに就任する。
おそらく取締役としてハロルド・ジョージ・メイさんが名を連ねていることと思う。
ここからは記者会見の内容を振り返りつつ、僕の所感をまとめていきたい。
アメリカ法人発表
「新日本プロレスはついにアメリカ法人を設立します。我々LA道場、選手一同、ますます頑張って参りますので、今後ともご期待ください! 以上!」動画配信がスタートすると柴田勝頼選手が登場し、今回の記者会見内容を力強く語った。この時、率直に思ったのが新日本プロレスいやブシロードの広報担当は上手いということだ。
LA道場のヘッドコーチである柴田勝頼選手の口から今回の発表を行うことで、溜飲を下げるだけでなく、配信に目と耳を向けることに成功した。
端的に今回の生放送を要約すれば、新日本プロレスがいよいよアメリカに法人を設立し、興行数を拡大していく、ということだった。
つまり、端的に発表だけ行った場合、この指摘が入る可能性が高かった。
「日本でまだ流行りきっていないのにアメリカに新会社は早い」
「国内を軽視している」
これまでに何度も飛び出してきた不平不満に対して、新日本プロレスで最も愛される男を登場させることで、ファンたちの感情を整えることに成功したように思う。
個別質問にて
基本的にはLA道場がベースとなり、アメリカの各地で試合が行われていくイメージとなる。
先日、新日本プロレスは興行会社からIP会社へと変化すると語っていたのだが、そこは別会社としてまずは興行会社としての運営を行うという。
続く個別の質問パートでは日本とアメリカの違いについて「まず幅が広い」点が語られた。男女比率は8対2。平均年齢は日本よりも5歳ほど若いという。
WWEのお膝元で育ったプロレスファンは日本とは少々毛色が異なるようである。
また、日本のツアーのオフ期間だけではなく、アメリカでのニーズが高まった場合は興行が被るケースもあり得るという。
中期的には大きな会場を狙っていく。そして、2020年は20興行強を目指していることが語られた。
会社名について
会社名である『NEW JAPAN Pro-Wrestling of America Inc.』には社内外から賛否両論の声が飛んでいたという。
「新日本プロレス」という社名に含まれているJAPAN。ここにローカル色が強いのではないか?という意見が出たという。
ただ、僕が感じたのは社名に込めた想いは語る必要があると思うが、わざわざ紆余曲折した点を伝える必要があったのか?ということだ。
ここで喋った意味を考えると、ある程度その背景が予想出来てしまうわけだが。
じつはここも紆余曲折というか、議論がいくつかありました。本当に“ニュージャパン”なのかと。“ジャパン”と付けていることが、ちょっとローカル色が強いんじゃないかという話も、内外から聞こえてくることがありました。でも、我々はあくまでも、ファンのみなさんが第一に思ってくださってる新日本プロレスを、そのままアメリカにお届けしようと、そういう考えから“ニュージャパンプロレスリング”という言葉はそのままに、最後に“アメリカ”という地域名をつけさせていただくこととしました。
離脱したレスラーたち
僕が新会社設立で最も疑問に感じたのは直近で新日本プロレスを離脱した“ガイジンレスラー”が非常に目についていたことだ。
マイケル・エルガン選手やデイビー・ボーイ・スミスJr.選手。Cody選手やヤングバックスはさて置き、この2選手が新日本プロレスを離れた理由はなんだったのか。
ここに違和感がないと言えば嘘になる。“日本”の新日本プロレスで活躍したレスラーをアメリカのリングに逆輸入する。それこそ箔がついていいではないか。
今回の新会社設立はつい最近決まったことではないはず。レスラーたちにはクローズドで進められていたのか。その点に疑問が残った。
敢えて言えば、マスコミ各社にはこの点を指摘して欲しかった。なぜ、これから必要になるであろうレスラーを放出したのか、と。
IWGP USヘビー級ベルト
→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】
「IWGP USヘビー級ベルト」。このベルトが新設された段階で今回の新会社設立は構想から計画へと姿を変えていた筈だ。
これは憶測を出ないが、LA道場が新日本プロレスアメリカの本隊に位置するのであれば、ヒールが必要になる。
「バレットクラブUSA(仮)」としてユニットの肥大化が急務だったはすだ。そのためのユニット内ユニットだった、と考えれば辻褄が合う気もする。
恐らく、完全に計画通りだったといえば違う状況になっているのではないだろうか。
日本と海外では文化も違えば商習慣も違う。ただ、言語の壁を超えた感動を与えることができるのがプロレスだ。
『NEW JAPAN Pro-Wrestling of America Inc.』に期待したい。
→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】