ザック・セイバーJr.とSANADAの名勝負数え歌はイッテンヨンへ向かうのか?

ザック・セイバーJr.とSANADAの名勝負数え歌はイッテンヨンへ向かうのか?

「ワールドタッグリーグ2019」では惜しくも優勝を逃し、3連覇の夢が途絶えてしまったSANADA選手&EVIL選手。ただし、戦績を見ると優勝チームである“フィンジュース”ジュース・ロビンソン選手&デビッド・フィンレー選手、矢野通選手&コルト・カバナ選手に敗れた2敗のみ。直接対決の結果準優勝に甘んじたが、決して彼らの価値が下がった訳ではない。

この日は入場の時からデビッド・フィンレー選手の目つきがいつもと違った。決意に満ち溢れた瞳。獣神サンダー・ライガー選手が実況席で感じ取った強い眼差しがこの日の「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」の2人を上回ったのだ。

と、大団円で終わったはずの「ワールドタッグリーグ2019」だが、SANADA選手がバッグステージでザック・セイバーJr.選手から襲撃を受けたというニュースが飛び出してきた。

名勝負数え歌。古舘一郎さんは藤波辰巳さんと長州力さんの2人の進化するぶつかり合いをこう名付けた。

後藤洋央紀選手と柴田勝頼選手。棚橋弘至選手とオカダ・カズチカ選手。繰り返し戦うはほどに熟成されていく試合は現代の新日本プロレスでも欠かせない要素となっている。

SANADA選手とザック・セイバーJr.選手の2人もそう。2018年の「G1クライマックス」からはじまった2人の因縁がいよいよ大舞台で激突することになりそうだ。

柴田勝頼選手、石井智宏選手、鈴木みのる選手、棚橋弘至選手も戴冠した「ブリティッシュベビー級ベルト」。ここに再びSANADA選手が挑む日がやってきそうだ。

 

f:id:yukikawano5963:20191209072802j:plain

頭から落とすだけがプロレスじゃない

「頭から落とすだけがプロレスじゃないんだよ」

今思えば重要な1シーンだった。今ほどに口数が多くなかったSANADA選手が、オカダ・カズチカ選手意外のことで口を開いた時。そこで飛び出したメッセージには今に繋がる何かがあった。

当時の新日本プロレスと言えばアスリートプロレスと呼ばれる身体能力を全面に押し出しつつ、危険技を連発するプロレスがトップ戦線で主流になりつつあった。

SANADA選手は当時のプロレスについて、こう語っていた。「一瞬の熱は生み出すが、心に残らない」

意外なことにそうなのだ。激しいだけの試合はその瞬間すごいと思っても数年経った時にさほど思い出してもう一度見たいとはならない。

SANADA選手はいわゆる棚橋プロレスの系譜にいるレスラーだ。技を絞り、じっくりと間をとったプロレスもできるし、派手な技もできる。

 

天性の華があるからこそ、技はシンプルな方がいい。

ちなみに「スーパージュニアタッグリーグ」で3連覇を成し遂げたロッポンギ3Kもここに位置していると僕は思っている。

髪の毛の色が明るくて、華やかで派手。ただし、試合は思ったよりも地味というかクラシックな雰囲気を持っている。

派手な外見とクラシックな試合運び。棚橋弘至選手が生み出した路線は着実に継承されているのだ。

 

4度目の激突

SANADA選手とザック・セイバーJr.選手は“新日本プロレス”のリングで三度シングルマッチ激突している。※新日本プロレスのリングで、と書いたのは以前、海外でタイトルマッチをしたこともあるため

初のシングルマッチは2018年の「ニュージャパンカップ」。続いて2018年、2019年の「G1クライマックス」で2度試合をしている。

英国の匠はその技術でセルリアンブルーのリングを席巻していたが、唯一同じ土俵で試合を展開できるのがSANADA選手だった。※鈴木みのる選手とのシングルマッチも見てみたいところである

2人の試合はじっくりじっくりと進んでいく。派手さは全くない。息を飲んでいたら試合が終わってしまう。そこには頭から落とすスリリングさとは対照的な魅力があった。

3試合それぞれの試合時間と決まり手を下記に並べてみる。

 

新日本プロレスでは2勝1敗

「NEW JAPAN CUP 2018 2018年3月18日 静岡・アクトシティ浜松 第8試合 「NEW JAPAN CUP 2018」準決勝戦 SANADA VS ザック・セイバーJr.」

25分35秒 変型アームバーでザック・セイバーJr.選手が勝利。その後、ザック・セイバーJr.選手は「ニュージャパンカップ」で優勝を成し遂げた。

「G1 CLIMAX 28 2018年7月21日 東京・後楽園ホール 第7試合 「G1 CLIMAX 28」Bブロック公式戦 SANADA VS ザック・セイバーJr.」

10分45秒 後方回転足折り固めでSANADA選手の勝利。この試合は各方面から非常に高い評価を受けた。

 

「G1 CLIMAX 29 2019年7月6日 アメリカ・アメリカン・エアラインズ・センター 開幕戦 第7試合 「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦 SANADA VS ザック・セイバーJr.」

21分12秒 オコーナーブリッジでSANADA選手の勝利。前回の評価はアメリカへと輸出され、「G1クライマックス」のセミファイナルに抜擢されている。

上記の3試合は新日本プロレスワールドでも配信されているため、ぜひチェックいただきたい。

新日本プロレスで生まれたゴールデンカードSANADA選手&ザック・セイバーJr.選手の一戦はこれからの新日本プロレスについて学ぶ上でも重要な対戦カードになるのことは間違いない。

→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら