オカダ・カズチカが今の新日本プロレス、IWGPヘビーに言及したワケ

2020年12月11日の興奮が冷めやらぬ中、今日はオカダ・カズチカ選手のメッセージについて考えていきたい。

「ジ・エンパイア」との試合が終わった後のバックステージで時代の寵児である“レインメーカー”はこう口を開いた。

「今年の新日本プロレスのメインの戦い、IWGPの闘いに不満がある人が多い」と。

その結果、新日本プロレスから離れたファンもいるのではないか?と新日本プロレスだけでなく、プロレス界全体を背負う男は所属団体が抱えているであろう課題をダイレクトに口にした。

そうなのだ。

個人的にも「IWGPヘビー」が「二冠戦」になって以降、ワクワク感がない。

二本のベルトが統一されていることはデメリットしかないと思っている。

また、飯伏幸太選手と内藤哲也選手の試合に関しては、個人的にやっぱり違和感がある。

「G1クライマックス」優勝者が持つ挑戦権利証が動いてしまった。

今、真夏(秋)の最強戦士が持つべきアタッシュケースはジェイ・ホワイト選手の手中にある。

にも関わらず、例年と同様にイッテンヨンでの挑戦が決まってしまった。

また、飯伏幸太選手と内藤哲也選手の同級生対決という意味では注目する部分はあるのだが、「二冠戦」という立て付けが邪魔をしているような気がしてならない。

 

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二冠王が望まぬ二冠戦

さらに問題なのが内藤哲也選手自身も「二冠戦」を望んでいない点である。

「会社は俺のいうことを何一つ聞いてくれない」という流れはあったが現在は「IWGPヘビー級ベルト」と「IWGPインターコンチネンタルベルト」の2本を保有する事実上のトップオブトップだ。

こんな状況でも意見が通らないのはいかがなものなのか?

オカダ・カズチカ選手の指摘はこの点につながっている気がしてならない。

オカダ「(コメントブースに来るなり倒れ込み)クソッ。いろんな意味で久しぶりだね。新日本プロレスもウィル・オスプレイも、なんならプロレスというものも。まあまあ、オスカッター、強烈だけども、やられた分はしっかりとやり返したいと思います。まだスイッチ入ったところだから、東京ドームに向けて。俺の目的はオスプレイを倒す。それがメインだけれども、もう一つ俺がしないといけないと思ってるのは、やっぱり今年の新日本プロレスのメインの戦い、IWGPの闘い。
IWGPの闘いは……(ここで棚橋が辻の肩を借りながらコメントブースにやって来て、床に倒れ込む。オカダはそれを見て一度コメントを止めるが、棚橋が手で『続けろ』とジェスチャーをしたため)
まあIWGPの闘いは、それでいろいろ不満も溜まっている人もいると思うし、『こんなの新日本プロレスじゃないよ』って、『こんな新日本プロレスならいいよ』って思って、離れていってしまったファンの人もいるかもしれない。
でも、そういう人たちをしっかり引き戻すことができるのは、僕だったり、まあずっと何年かIWGP戦線で戦ってきた人なんじゃないかなと思います(と、棚橋を指差しながら退場)」

出典:新日本プロレス

 

IWGPこそ新日本プロレスである

なぜ、東京ドームへの機運高まるこの時期にオカダ・カズチカ選手はこのような主張をしたのだろうか。

2020年1月5日に「IWGPヘビー級王者」から陥落すると、年内は完全に無冠。2021年の東京ドームはウィル・オスプレイ選手との試合が決まっているものの、スペシャルシングルマッチ(ブリティッシュヘビーを懸けた試合になるイメージはない)になるはずだ。

一年以上にわたってオカダ・カズチカ選手が「IWGPヘビー」から距離を置くことは“レインメーカー”になって以降かなり珍しいケースである。※赤髪バルーンお兄さん期ですら実際は数ヶ月程度だった。

今年は様々な要因が重なり、オカダ・カズチカ選手にとっても苦しいシーズンになった。東京ドーム以降無冠。「ニュージャパンカップ」準優勝。「G1クライマックス」リーグ戦敗退。弟分だったウィル・オスプレイ選手にも裏切られた。

 

ただ、逆風が吹けば吹くほど新しい輝きが生まれるものである。

「IWGPヘビー」にも逆風が吹いている。個人的に今一番注目しているタイトルは「NEVER無差別級6人タッグ」だ。物事が変わるのはまさに一瞬。それをYOSHI-HASHI選手が証明した。

オカダ・カズチカ選手が「二冠」というわちゃわちゃした結果、一本のベルトの価値が下がった状態を終わらせて、「IWGPヘビー」の威厳を取り戻す。

ひいては、完全無欠の「IWGPヘビー級王者」モードのオカダ・カズチカ選手が2021年は改めて新日本プロレスを牽引する。

今回のメッセージはその第一歩だったと僕は考えている。

 

レインメーカー復権

いくら「棚橋弘至選手がプロレスラーが順番待ちの列に並んでどうする!?」と言っても流石に流れというものがある。

オカダ・カズチカ選手が裏で照準を定めているのは「ニュージャパンカップ2021」だと僕は推測する。

「ニュージャパンカップ2020」のファイナリスト。丸腰のレインメーカーはトーナメント戦に滅法強いのだ。

今年、覚醒した“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手に惜敗してしまったところからやり直す。

そろそろ封印を解いてもいい頃だ。

マネークリップとレインメーカーの両軸で攻めることができれば、攻めのバリエーションはグッと広がる。

やっぱり俺がやらなきゃダメか。オカダ・カズチカ選手の中の炎がメラメラと燃え始めた。

まずは、「二冠戦」の解体から。“レインメーカー”オカダ・カズチカ選手の新しい戦いがはじまろうとしている。

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