SANADAのシンプリスト宣言と飯伏幸太の喝

SANADAのシンプリスト宣言と飯伏幸太の喝について書きたい。

2020年2月4日、新日本プロレス公式スマホサイトのインタビューにSANADA選手が登場。いよいよカウントダウンがスタートした「IWGPヘビー級&IWGPインターコンチネンタルW選手権試合」について意気込みを語った。

過去に3度戦ったオカダ・カズチカ選手について「非常に安定したチャンピオン」だと前置きし、飯伏幸太選手については新人類だと自論を述べた。

「今回の挑戦は『最近できたばっかりの刺激のある新しい建物に行く』みたいな感じ」と。

確かに“二冠王”ではなく「IWGPヘビー級王者」という意味で考えると、飯伏幸太選手は新日本プロレスの本隊で久しぶりに出た新チャンピオンである。

初戴冠の最後の記録を遡ると...2010年5月3日の真壁刀義選手が本隊で最後に初戴冠した選手だ。

そこから11年の歴史を見ても、本隊で巻いたのは小島聡選手と棚橋弘至選手だけ。

飯伏幸太選手の戴冠が新日本プロレス本隊にとって非常に意味を持っていることは間違いない。

約10年振りの快挙を達成した飯伏幸太選手へ迫るSANADA選手は、今新しい価値観に目覚めたらしい。

先日のバックステージでは自身を「ミニマリスト」だと宣言していたが、今回のインタビューでは改めて「シンプリスト」だと再定義し、自論を語った。

 

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シンプリストとは何か

シンプリストを知るためにまずはミニマリストについて知っておく必要がある。

インテリアや思考において“最小限主義者”といわれるのがミニマリストの定義らしい。

持ち物を最小限にすることで、無駄な時間やストレスを減らす。その結果、自分の時間を有意義にするというもの。

確かに部屋が物で溢れすぎていると自室だとしても案外落ち着かない。

散らかっている部屋よりもある程度スッキリしている部屋の方が「片付けなくちゃなぁ」という思考も働かないので、自分の時間が有意義になるというのも頷ける。

自分でこの内容を書いていて、部屋を片付けなければ...と思ったのは内緒だ。

一方でシンプリスト。これは、シンプルなインテリアやライフスタイルを好む人の総称らしい。

ミニマリストと比較すると、ストイックに物を減らすタイプではない。

そう考えると、よりいっそうシンプレストの意味を考えてみる必要がある。

なぜ、SANADA選手はシンプリストという生き方に共感したのか。その理由を考えてみたい。

 

 

シンプルなレスラー像

まずは、SANADA選手というレスラーを改めて考えてみる。

ビジュアル、ファイトスタイル、言葉。SANADA選手はギャップの大切さを理解し、巧み使い分けている(趣味や好みの部分も大きいと思うが)ことが分かる。

まずは、ビジュアル。現在は銀髪。その前は金髪、更に遡るとモヒカン。新日本プロレスに戦場を移して以降、節目節目のタイミングでヘアスタイルを含めビジュアルを変えている。一時期、髭がとんでもなく伸びていた時期もあったが、この時は金髪のモヒカンだった。

コスチュームも現在のブラックを基調にシルバーが入ったものから、パイレーツオブカリビアンをイメージしたようなブルー。それ以前は黒ベース。

常にロングタイツでショートや田吾作スタイルになったことは新日本プロレスだと一度もない。

ミニマリストになるとショートの黒パンにたどり着くと思うが、シンプリストの場合は自分なりのこだわりで大丈夫なようなので、今後もロングタイツのSANADA選手を見ることができるはずだ。

※私服については新日本プロレストップのオシャレボーイである。

少し派手目なビジュアルに対して、ファイトスタイルはシンプル。無駄に派手な技といえばミラノ・コレクションA.T.さんから受け継いだパラダイスロックくらいで、あとはクラシックな技を中心に試合を組み立てていく。

それでも試合で目立つのは技の一つひとつが美しいためだ。

そういった意味で、シンプリストという言葉はしっくりくる。

無駄な技はつかない。厳選し、こだわった技だけで、試合を組み立てて、魅せて勝つ。

これがSANADA選手の“シンプリストプロレス”なのだ。

 

言葉の魔法

SANADA選手は決して雄弁なタイプではない。

敢えて喋らないことで自分の言葉の価値を引き上げたり、シンプルな言葉を心掛けることで、自分の気持ちをストレートに伝えてきた。

「ギフト」や「希望」はその最たる例で、ダラダラ喋るのではなく簡潔に短く、印象に残るメッセージとなっている。

そんな彼にファンからの支持は厚い。ただ、今回は少し勝手が違うようだ。

飯伏幸太選手とSANADA選手の間には、因縁がない。正確に言うと因縁が薄いのだ。

前哨戦で盛り上がっているかと言えば、「NEVER」や「IWGPジュニア」に引けとっている印象を受ける。

棚橋弘至選手はチャレンジャーがタイトルマッチを盛り上げるべきだと語っていたが、SANADA選手は言葉で盛り上げるタイプではない。

オカダ・カズチカ選手とのタイトルマッチが名勝負数歌になったのは2人が“ライバル”という絆で結ばれていたためだ。

オカダ・カズチカ選手の前に現れた同世代のライバル。だからこそ、前哨戦は盛り上がったのだがら今回はそうはいかない。

飯伏幸太選手はその実感があったのだろう。だからこそ、高橋ヒロム選手とSHO選手の会合に乱入劇を繰り返したのではないだろうか。

僕はそんな気がしている。高橋ヒロム選手を通じて、SANADA選手を引っ張りだそうとした。

本音を言えば、あのバックステージで4人の時間を切望していたようにも見えなくはない。

実力も人気も申し分ないSANADA選手。それだけに“二冠戦”の前哨戦は更にヒートアップする余地があったようにも思う。

 

新人類からの指摘

このインタビューが出た直後、Twitterで飯伏幸太選手から即指摘が入った。見出しに入っていた「あなたは本当に神ですか?」という言葉に噛み付いた形となったが、その実態は、チャレンジャーの姿勢に対しての指摘だった。

さらには今、新日本プロレスは大きく動いている。KENTA選手がAEWのリングでケニー・オメガ選手とタッグを組むというウルトラCや新日本プロレスの解説を卒業した“GK”金沢さんはプロレスリング・ノアのリングで解説を務めること発表された。

また、DDTの高木三四郎大社長が新進気鋭のSNS“クラブバウス”を使った新しいPRにも着手している。

プロレス業界で色々な事が起こっている。そのことを危惧した飯伏幸太選手は仕掛け続ける。さぁ、ここからSANADA選手はどう出るのか。タイトルマッチまで残り1週間だ。

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