激動の新日本プロレス『IWGP世界ヘビー級王座』と“本当の神”の意味

激動の新日本プロレス『IWGP世界ヘビー級王座』と“本当の神”の意味ついて考えてみたい。

2021年3月1日、新日本プロレスは「CASTLE ATTACK 2021年3月1日 一夜明け会見」を新日本プロレスワールドで配信した。

この時期の記者会見の目玉と言えば、次シリーズとなる「ニュージャパンカップ2021」1回戦の組み合わせ発表になるはずだが、今回は少々毛色が異なった。

同日の早朝に東京スポーツが報じた新タイトル「IWGP世界ヘビー級王座」の創設が菅林会長の口から正式に発表されたのた。

今日は昨日の緊急更新では書ききれなかったこと。改めて発表になった今、僕が思っていることについて考えていきたい。

飯伏幸太選手が「神になった」と宣言してから約2ヶ月。

ベルトを統一したい。“最強と最高”を一つにしたい。プロレスを広げたい。飯伏幸太選手の主張は分かる。

ただ、あまりにもファンに考える時間を与えなすぎた。

棚橋弘至選手のアメブロにも書かれていたが、反対意見が9割という状況である。

旗揚げ戦で飯伏幸太選手は、エル・デスペラード選手との二冠王座戦でメインイベントのリングに立つ。

現在の観戦スタイルだからよかったが、おそらく大ブーイングが飯伏幸太選手に飛ぶ可能性もあったと思う。

内藤哲也選手は以前、「新日本プロレスはオレの言うことを聞いてくれない」と語っていたがら飯伏幸太選手が二冠王になってから全てが彼を中心に回っている。

今回もそう。記者会見の段階では、旗揚げ記念日のメインイベントはスペシャルシングルマッチだった。

エル・デスペラード選手がご祝儀で「2本のベルトに挑戦させて欲しい」と言っても通っていなかったのだ。

それが飯伏幸太選手が一つ希望を出せば、新日本プロレスはその提案を飲む。

これは一体、何が起こっているのだろうか。

 

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世界王座という名前

今回の「IWGP世界ヘビー級王座」創設に対して、まず気になったのはネーミングだ。

新日本プロレス以外のプロレス団体でホームページの一番上にあるベルトを3つ並べてみる。

  • WWE 「WWE世界ヘビー級王座」
  • CMLL 「CMLL世界ヘビー級王座」
  • AEW 「AEW世界王座」

これまで「IWGP」には「世界」の冠が付いたベルトは存在しなかった。

「インターコンチネンタル」は大陸間。「US」は文字通りアメリカ。

おそらく新日本プロレスは今後の戦略(様々な事情)を踏まえて、「世界」と名の付くタイトルの創出を考えていたのではないだろうか。

正確には「世界」と冠の付くベルトを新日本プロレスで最高のタイトルにしたかった。

ただし、「IWGPヘビー級」が新日本プロレスの至宝であり絶対的にトップのタイトルである。

「IWGPヘビー級」の名称を変えるという案は間違いなくあったと思うが、敢えてそうしなかった。

「最強と最高」を組み合わせて、新しいタイトルを作る。

飯伏幸太選手の統一プランは元々「世界ヘビー王座」を創設したかった新日本プロレスにとって、完璧すぎるものだったのかもしれない。

内藤哲也選手とのタイトルマッチから遡ること数日前に「IWGP世界」という名前は既に出ていた。

この時点で統一のプランは最終局面を迎えていたのだと思う。

反発の声が出ることも承知の上。そのうえで、“神”の自由にやらせる。

だから、飯伏幸太選手の提案はETCばりにアッサリと通す。

逆に言えば、飯伏幸太選手の提案を飲むことが、「IWGP世界ヘビー級王座」の権威にもつながってくるのだと思う。

 

闘いが先か?ベルトが先か?

今回発表された統一に関して、驚くほどに各レスラーが話題にしていない。

「IWGP」に返り咲くと宣言したオカダ・カズチカ選手はノーコメントを貫いているし、後藤洋央紀選手も「ニュージャパンカップ」しか話題に出していない。

あのベルトは予約済みだと語った鈴木みのる選手だって“まだ”何も言っていない。

新日本プロレスのエースとして棚橋弘至選手はブログにこう綴っていた。

2つのベルト統一が、かーなーり話題になっていました

IWGPヘビーは、歴史のあるベルトですからね

皆さんの意見を見ていると、反対派が9割といった感じ

僕自身も「もう一度IWGPヘビーを」というのが、ケガに悩まされながらも、ここ数年、頑張れるモチベーションでした

闘いが先か?ベルトが先か?と、考えると

闘いがあってこそのベルト

と、自分を納得させました

こういう重要な事が起きたときに、IWGPヘビーの周辺に常駐していなかった自分が悪いのです

IWGPヘビーのベルトをあと2回獲ったら、最多戴冠記録10回や!と呑気に構えていた棚橋にボマイェ10発喰らわせて欲しいところですが

海の向こうの彼も、そこは意外とニュートラルなような気がします

新日本プロレスの歴史はこれから100年、200年続いて欲しいと願う身としては、

歴史の変革の瞬間が今なんだろうなぁ、と思うし、それを共有している皆さんの反発も、共感も、僕は徐々に受け止めることができるんじゃないかな

出典:棚橋弘至オフィシャルブログ

 

最後のIWGPヘビーとインターコンチネンタル

最後の「IWGPヘビー級選手権試合」は2020年1月4日 東京ドーム オカダ・カズチカ選手 VS 飯伏幸太選手。

そして、最後の「IWGPインターコンチネンタル選手権試合」は2021年2月28日の大阪城 飯伏幸太選手VS内藤哲也選手。

二冠戦ではなく、一本のベルトを懸けたそれぞれの最終戦は共に飯伏幸太選手が戦っていた。

飯伏幸太選手がオカダ・カズチカ選手にリベンジを果たしたのは2020年9月19日。

この日、飯伏幸太選手は意味深なコメントを出していた。

--あと、今日、(勝利後の)マイクパフォーマンスで印象的だったのは、これまで「神なる」という発言はあったんですけど、「本当の神になる」、“本当の”というところにこれまでと違うニュアンスを感じるんですけど、どんなイメージなんですか?
飯伏「みんなが思ってる“神”っていうのもは、僕の尊敬する棚橋さんだったり、中邑(真輔)さんだったり、いろんな人物のことを言ってるんですけど、これはみんなの想像に任せますよ。僕が言ってるのは“本当の神”、神様になる。これたぶん、わからないと思うんですよ。わからないけど、わかる人にはわかると思うんです。本当の神様になる、という意味の“神”です」

出典:新日本プロレス

“本当の神”。

改めて考えると新日本プロレスにとっての“本当の神”はアントニオ猪木さんである。

そもそも「IWGP」も彼が提唱した概念のもと誕生したものだ。

東京ドームで“最強と最高”の2本を手に入れ、“本当の神”になった飯伏幸太選手が「IWGP」の歴史を変革するフラグはこの辺りから立っていたのかもしれない。

さて、つらつらと書いてきたが、今朝もさまざまな意見が飛び交っている。

色々は意見を見た中で、一番本質を突いているのはグレート-O-カーン選手かもしれないと思った。

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