飯伏幸太の想いと棚橋弘至・オカダ・カズチカの願い。そして...ならず者の言葉

飯伏幸太の想いと棚橋弘至の願い、オカダ・カズチカの叫びについて書きたい。

エル・デスペラード選手との試合を制し、初代「IWGP世界ヘビー級王座」に輝くことが内定した飯伏幸太選手。

表情やほとばしる雰囲気。この数日の間に一体何があったのかと思うほどに彼は大きな変化を遂げていた。

ジュニアの代表であるエル・デスペラード選手がヘビーの代表である飯伏幸太選手へ向かう構図という以上に、新日本プロレスの頂点に立つ男がジュニアの挑戦を受けているような印象を受けた。

今の状況が飯伏幸太選手を変えた。僕はそう感じて仕方がなかった。

旗揚げ記念日とはある種のお祭りだ。

しかも来年は50周年。もっと明るい雰囲気で「今年も新日本プロレスをよろしくお願いします!」という雰囲気になってしかるべきなのだ。

ただ、全然そんな明るいムードではなかった。

弟を撃破された兄が春の頂点を目指すことを決意し、全ての十字架を一人で背負った男が決意を表明した場所。

それが、2021年の旗揚げ記念興行だったように思う。

2021年3月3日にスクランブル配信された「棚橋弘至のPODCAST OFF!!」。

棚橋弘至選手が配信した理由は間違いなく、飯伏幸太選手を守るためというものだった。

YouTubeで公開された「IWGP世界ヘビー級王座新設」の動画は過去類を見ないほどにbutが押され、公式Twitterでも異常なまでのアレルギー反応が出ていた。

表向きにはタイトル統一を提案して、実行したのは飯伏幸太選手。彼に対する心ない声も多数投稿されている。

その事実を目の当たりにしたとき、棚橋弘至選手は咄嗟に動いたのだろう。

週刊プロレスや自身のブログで語っていた内容に加えて、話題の方向性をずらしつつ、持論を述べた。

 

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新日本プロレスのエースが盾に

まず、大きくあったのは「IWGP世界ヘビー級王座」の新設は新日本プロレスの意向であるということ。

チャンピオンというのは、そうした意向を汲み取っね発信する立場にある。

そのため、飯伏幸太選手に対して、誹謗中傷をするというのは筋違いだと指摘したのだ。

また、棚橋弘至選手以降の「IWGPヘビー級チャンピオン」は常に逆風が吹くものだとも語った。

チャレンジャー時代は応援してくれても、チャンピオンになるとファンから値踏みをされる。

彼がチャンピオンで大丈夫か?と。

飯伏幸太選手はチャンピオンになった瞬間に重たすぎる十字架を背負うことになった。

棚橋弘至選手の言葉をそのまま受け取ると、会社からのミッションを自分なりに解釈して、どのように伝えればいいのか。

本来であれば、自由な翼を持った男に対して、あまりに酷な話である。

色んな見方ができる。なぜ、飯伏幸太選手にその役割が任せられたのか?と色々な角度から考えればキリがない。

ただ、こうも思う。

「IWGP世界ヘビー級王座」には、一番プロレス(新日本プロレス)を広げられる男が選ばれたのだ、と。

レスラーはみんな知っている。全員が口を揃えて、自分は何かを言える立場にないと言った。

チャンピオンかそれ以外か。これだけの差があるのだと、改めて思い知った。

困った時の棚橋弘至が発動するか?それとも飯伏幸太選手が更なる成長を遂げるのだろうか。

 

プロレス好きな33歳の言葉

棚橋弘至選手が飯伏幸太選手を守る側に回ったことに対して、オカダ・カズチカ選手は真逆のスタンスを取った。

まあ、ベルトに関して、率直に言わせてもらうと、あそこにいないからこそ、もう僕は何も言う権利ないと思うので、『NEW JAPAN CUP』で勝って、またそちらに進んでいきたいなと思います。まあね、これはプロレスラー、“レインメーカー”オカダ・カズチカとしての意見。ただプロレスが好きな33歳のオッサンから言わせてもらうと、『神だ、神だ』と思っていた人間がとんだ邪神でしたね。IWGP世界ヘビー級、クソダセえよ、この野郎!」

出典:新日本プロレス

プロレスラーとしての気持ち。一方で、ファン目線の感情。その2つを提示してきたのだ。

飯伏幸太選手を邪神だと言い放ち、春男として“神狩り”を実行に移す気満々である。

これも僕の解釈になるが、新日本プロレスを引っ張ってきた自身の経験から、こういった事態の動き方を熟知しているのだと思う。

棚橋弘至選手がそっちに回るのであれば、自分は真逆。

飯伏幸太選手を“邪神”と呼ぶこと自体に賛否両論あるだろう。

それが分かった上で敢えてオカダ・カズチカ選手は批判の声を挙げたのだと思う。

反対意見は興味があるということ。そちら側に回ることでそのエネルギーをポジティブなものに変換する。

完全無欠、絶対王者の“レインメーカー”ではなく、一人のプロレス好きな男性としてコメントを出した理由にはそうした背景があるのだと僕は思っている。

 

なぜ、こうなってしまうのか

最後に。エル・デスペラード選手について書きたい。

タイチ選手と金丸義信選手をセコンドで鼓舞する中、堂々と戦いきったエル・デスペラード選手。花束やギターを持ってくるといった演出はなし。

あの頃とは違う自分。白ではなく、黒と金。今の自分を最も表現したスタイルでリングへと上がった。

普段以上に、“ジュニア”の技を出したり、徹底的なカミゴェ対策(エル・エス・クレロ、ヌメロ・ドスなど)を行ってきたりと勝つための準備は十分に整えてきた。

ただ、それでも超えられなかった。それほどまでに今の飯伏幸太選手は高いところに行ってしまっていた。

8年前(7年前)は13分で敗れたが今回は20分以上戦い抜いた。2月25日から3度目のタイトルマッチである。

今までに一番強い自分を倒した飯伏幸太選手に悔しさはあっても恨みはない。だからこそ、改めてこのメッセージを投稿したのではないだろうか。

自分たちの試合はそんな風にしか映っていないのか。その気持ちを想像すると、胸が痛くなる。

そろそろ新日本プロレスはTwitterのリプ欄を閉じた方がいい。ゴミを投げ込むのは大仁田厚さんの花道だけでいい。

邪道の道にゴミという名の花束を投げ入れていたあの時代とは違う。

新しいファンはドン引きし、既存のファンは呆れる。そんなものに価値はないんだ。

決していいストレス解消ではない。試合を見て、前向きな気持ちになって明日も頑張ろうと思う。それがプロレス、ひいてはエンターテインメントの楽しみ方なのではないだろうか。

飯伏幸太選手とエル・デスペラード選手。様々な想いを背負って戦った2人がこれからも新日本プロレスを牽引することに期待しつつ今日のところは筆を置きたい。

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