飯伏幸太「G1クライマックス」3連覇への道がはじまった

飯伏幸太「G1クライマックス」3連覇への道がはじまった。

正直、今はゆっくり休んで欲しい。飯伏幸太選手にはそんな言葉しか思いつかない。

2021年が始まって以降、飯伏幸太選手を取り巻く環境は劇的に変化した。

まずは、短期スケジュールでの度重なるタイトルマッチだ。

イッテンヨンで内藤哲也選手を破り、「IWGPヘビー級ベルト」を戴冠すると、翌日にはチャレンジャーのジェイ・ホワイト選手を撃破。

2021年2月28日には、内藤哲也選手と事実上最後の“IWGPインターコンチネンタル選手権試合”を戦い、正式に2本のベルトを統一に至った。

そこから約1ヶ月後の2021年4月4日、両国国技館で「IWGP世界ヘビー級選手権試合」を戦い、敗れた。

「IWGP世界ヘビー級選手権試合」の史実では、初代チャンピオンは一度も防衛できなかったと記されるが、真実は短期間で4強の3人(オカダ・カズチカ選手、ジェイ・ホワイト選手、内藤哲也選手)をタイトルマッチで退けた後の敗戦だった。

タイトなスケジュールでのタイトルマッチだけではない。

“二冠王”、「IWGP世界ヘビー級王者」としての極度のプレッシャー。

ファンからの熱いメッセージと非難の声。新日本プロレス株式会社からの期待。

その全てが飯伏幸太選手に集中していたのだ。

 

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レガシー&エボリューション

「ニュージャパンカップ2021」を制し、勢いに乗っていたウィル・オスプレイ選手に対して、飯伏幸太選手は前述した通り賛否両論の渦の中にいた。

勝てば官軍。この日お披露目となったアーロン・ヘナーレ選手を含むユニットメンバーが3人もセコンドに控えるウィル・オスプレイ選手に対して、孤高の存在となってしまった神は独りぼっちだった。

新日本プロレスのこれからを背負った初代王者。

度重なるタイトルマッチで肉体がボロボロなだけでなく、メンタルも限界ギリギリだったのかもしれない。

それでも初代王者としての振る舞いや戦い方は完璧だった。

非常にクラシックなレスリングを展開した序盤の攻防はまさにレガシーを体現したものだったし、後半の飯伏幸太選手ならではの展開は、エボリューションを表現していたように思う。

ただ、ウィル・オスプレイ選手が強過ぎた。正直、鷹木信悟選手との試合以前のウィル・オスプレイ選手であれば、飯伏幸太選手が勝っていたと思う。

ヘビー級転向後に開けてこなかった引き出しを開けて、それでも足りなければと引き出しでぶん殴ることを覚えた“The Commonwealth Kingpin”。

結果、色々な問題と対面し続けてきた飯伏幸太選手は、ウィル・オスプレイ選手の前に敗れ去った。

ただ、僕はこれでよかったとも思っている。

ここで飯伏幸太選手が負けたことで、様々な問題がクリアになり、飯伏幸太選手も雑念を振り払った状態で、次の目標にいけるはずなのだ。

 

夏男、継承の時

ウィル・オスプレイ選手が「IWGP世界ヘビー級王者」となり、ベルトの統一問題はすでに過去のエピソードとなった。

新日本プロレスで活躍したAJスタイルズ選手からウィル・オスプレイ選手へあてたメッセージがとにかく熱かった。

この言葉が「IWGP世界ヘビー級ベルト」は過去の歴史を継承し、進化したベルトだと改めて表現したものになっていたと思う。

後日書くが、彼はチャンピオンとしてのマニフェストも既に宣言しており、この先の動向にファンの目も集まっている状態だ。

飯伏幸太選手はここから数週間の休暇を経て、戦線に復帰する。

ここからのテーマは大きく2つ。

「IWGP世界ヘビー級ベルト」を戴冠し、腰に巻くこと。もう一つが前人未到の記録となる「G1クライマックス」3連覇だ。

正直な話「IWGP世界ヘビー級王者」のまま「G1クライマックス」3連覇は無理があったはずだ。

チャンピオンかそうじゃないかで対戦相手の目の色が違う。

完全無欠のチャンピオンモードかつ、無敗を誇っていたオカダ・カズチカ選手ですらなし得なかった。それがチャンピオンによる「G1クライマックス」制覇なのだ。

神から夏男へ。

邪神と揶揄されるのではなく、毎年夏を一番熱くさせる男でいいじゃないか。

神じゃなくてもいい。超人のままでいいのだ。

飯伏幸太選手はあのまま勝ち進んでいたら、どこかで壊れてしまうのではないか。2021年春の彼には、そんな刹那的な美しさと危うさがあった。

もう一度、ジョーカーに戻り、全てをやり直す。今はそのためにゆっくり休んで欲しいと心から願う。

 

2人の地元・九州対決

次のシングルマッチは地元での試合となる2021年4月29日「レスリング薩摩の国」のメインイベント。

対戦相手は“ユナイテッドエンパイア”のジェフ・コブ選手だ。ウィル・オスプレイ選との「IWGP世界ヘビー級王座選手権試合」後にジェフ・コブ選手が飯伏幸太選手を強襲。

得意の“ツアー・オブ・ジ・アイランド”を見舞いった。

父方の祖母が熊本出身の日本人であるジェフ・コブ選手と鹿児島県出身の飯伏幸太選手。

柔よく剛を制すか。それともパワーでねじ伏せる展開になるか。

大注目の“九州対決”から目を離すことができない。

激変の夏が終わり、熱い季節へ。飯伏幸太選手の新しい戦いがはじまる。

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