解説・柴田勝頼は棚橋弘至とKENTAの試合をどう見るか?

解説・柴田勝頼は棚橋弘至とKENTAの試合をどう見るか?

新日本プロレスの“週末クライマックス”2日目が終了。

大阪大会の目玉は“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”内藤哲也選手&SANADA選手VS“鈴木軍”タイチ選手&ザック・セイバーJr.選手のスペシャルシングルマッチだ。

2日目はSANADA選手、内藤哲也選手がそれぞれピンフォール勝ちを納め、前哨戦を勝ち越す形となった。

圧倒的な技術と華を持つSANADA選手に対して、このタイミングで2015年〜2016年を彷彿とさせるようなファイトスタイルを見せた内藤哲也選手。

どちらかと言えば苦手なザック・セイバーJr.選手に対して完封勝ちする姿はいよいよあの頃の内藤哲也が帰ってきた!とファンにインパクトを与えるには十分過ぎた。

シングルタイトルを獲得した2017年以降はどうしても「受け」の印象が強くなり、“制御不能”成分が少し弱まっていた。

ただ、今回の試合を見て改めて内藤哲也選手はこの戦い方が一番ハマっているのではないかと思う。

SANADA選手の「タッグの面白さを伝える」がシングルにも影響を与えているのかもしれない。

大阪での2連戦を終え、次の舞台は名古屋。

メインイベントは棚橋弘至選手とKENTA選手のスペシャルシングルマッチである。

「IWGP USヘビー級挑戦権利証」のブリーフケースを破損した一件で再び生まれた遺恨。

この戦いが棚橋弘至選手に大きな変化を生もうとしている。

 

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吹っ切れた逸材

前哨戦を終え、KENTA選手との戦いが迫る中、棚橋弘至選手が“今”の自分に対しての本音をカメラの前で語った。

ここ数年はずっと言い訳していた、と。ただ、このタイミングで決意が固まった。その決意は新日本プロレスのど真ん中への返り咲きへと続く道か。

2019年の東京ドームで「IWGPヘビー級ベルト」を奪還した時、棚橋弘至選手は新日本プロレスのど真ん中に返り咲いた。

その後、ジェイ・ホワイト選手に敗れて王座から陥落した後が彼にとっての「ここ数年」になるのだろう。

「IWGPタッグ」や「NEVER無差別級」。結果こそ出してはきたが、彼の中では納得していないところがずっとあったに違いない。

特に思うのが“ゴールデン☆エース”の相方である飯伏幸太選手がセンシティブな状況の中で、未だ棚橋弘至選手からのアクションがない。

昔であれば「俺がやる」と宣言していてもおかしくなかったはずだ。

恐らく、今日の大会前後に飯伏幸太選手についての発表がある。

その時に棚橋弘至選手はどんな状況にいるのか。どんな言葉を出すのか。今から非常に楽しみである。

棚橋「いよいよ明日ですね。ようやくね、KENTA選手にも、口では言わないかもしれないけどね、こう日々の闘いの中で、熱量が上がってきてる、のは肌で感じるから。そしてね、今やっぱ俺、スゲエ燃えてますよ。俺はね、ほんとに今まで“百年に一人の逸材”といってますけど、自分のことを凄いと思ったことは1度もなくて。まあでも、凄いことはやってきたんだなという自覚はあります。ただ、今この状況で、そんなものはあんまり意味がなくて、これからどうしていくかっていうところが、僕だけじゃなくて、日本にいる、いや世界のね、みんなに求められてることだから。これからどうしていくんだ? 棚橋はこれからどうしていくんだ? レスラーとして、どう生きていくんだってところを、もう1度ね、みんなに見てもらいたい。
よしっ……。正直言うとね、ここ何年か、集中はしてたけど、自分でどっか言い訳探してたかな。ヒザも悪いしとか、ふらふらした感じだったけど、遅ればせながら、ようやく、決意が決まりました」
出典:新日本プロレス

 

熱くなってきた漢

そして、もう1人。棚橋弘至選手に火を点けたKENTA選手の存在も忘れてはならない。

彼の口から今日のスペシャルシングルマッチの解説を務めるのが柴田勝頼選手だと発表されたのだ。

KENTA「ほんで、それから、解説。解説になんか、柴田の勝頼、来るらしいじゃん。ずいぶん偉くなったな、解説だなんて。コーチで、アメリカでコーチやって、解説やって、なんだずいぶん偉くなったな。それとも、現れることでなんかキャーキャー言われたいの? なんかチヤホヤされたいの? お前に俺、解説される筋合いなんかないから。かといって、解説されない筋合いも特にないんだけど……。柴田もいるのか。柴田がいて、棚橋がいて。面白そうじゃん、名古屋。これを見てるお前ら。いつこれを見んのか知らない。明日の試合前なのか、試合後なのか、いつなのか知らないけど、明日、俺と棚橋、現在地の確認する試合、熱い試合になると思うよ。(※立ち上がろうとしながら)で結局、俺が何が言いたいかっていうと……俺、名古屋人のこと、いい意味で嫌いってこと……」

出典:新日本プロレス

 

柴田勝頼の今

あの桜の日からもう3年が経った。

柴田勝頼選手はLA道場のヘッドコーチとなり、今では素晴らしい選手を次々と輩出している。

取り分け最高の一手だったのは「KENTA選手を新日本プロレスへ導いた」ことだろう。

KENTA選手は東京ドームでの乱入劇にはじまり、AEWのリングにも姿を現した。

ずっと鎖国していた新日本プロレスに変化を与えたのが「喧嘩を売りにきた男」のソウルメイトだったのだ。

変化のタイミング。変化が必要とされるタイミングで「生まれた時から新日本プロレス」の柴田勝頼選手は力を発揮する。

この日の解説を柴田勝頼選手が務めることに確かな意味がある。

そして、このスペシャルシングルマッチが終わった後、2人にも大きな変化があるのは間違いない。

熱い試合を期待しよう。以上!

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