なぜ、石井智宏がBUSHIのやる気スイッチをオンにしたのか?

なぜ、石井智宏がBUSHIのやる気スイッチをオンにしたのか?

まず、タイプとして好きじゃないのでしょう。

バックステージコメントでガッツリと語られていました。

バンカラ、古風、古き良き時代の漢。

石井智宏選手の目にはBUSHI選手がチャラチャラしたレスラーに映っているに違いありません。

そんな彼の視界にBUSHI選手が入ってくると「そりゃこうなるよなぁ」と思う展開へと発展しました。

「ここ数年で一番熱くなっているのでは?」

そう思わせるようなファイト見せたBUSHI選手でしたが、石井智宏選手に言わせればまだまだ全然足りないよう。

試合後にはマスクを剥ぎ。

BUSHI選手が最後にマスクを剥がれたのっていつだったっけなぁと思うほどに、久しぶりのマスク剥ぎです。

試合後はボロッカスに言ってます。

ただ、このアクションが2021年8月10日に横浜武道館で開催される「映画『ゴジラvsコング』PresentsSUMMER STRUGGLE 2021」への期待値を爆発させました。

いや、この石井智宏選手の動きがなければやっぱり乗り切れなかったと思うんですよ。

「NEVER無差別級6人タッグ」がここまで価値を上げた理由は「仲間、対戦相手との人間関係が爆発」することにあります。

「絶対チャンピオンになりたい」

「悲しみを乗り越えてほしい」

「カッコいい先輩を超えたい」

「コイツのために絶対負けられない」

「俺たちはまだまだヤレる」

「本気のアンタたちと戦いたい」

「俺たちはお前たちには負けない」

「棒を懸けて戦え」

殺気をまとうストロングスタイルがトレンドから外れつつあるいま、単純な身体能力やハイレベルな攻防とは一線を画す“エモーショナルプロレス”。

それが今の「NEVER無差別級6人タッグ」の世界なのです。

つまり、「ベルトが欲しい」だけではこれまでの戦いと比較すると見劣りしてしまう。

それは前回の“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”とのタイトルマッチを見れば明白でした。

今回、石井智宏選手はBUSHI選手の矜持へ迫りました。

 

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漢・石井智宏の恐ろしさ

前哨戦は本来チャレンジャーが盛り上げて行くもの。

王座に座っている人間を引きずり下ろし、王者側ではなく自らの支持率を高めていく。

KENTA選手が分かりやすいでしょうか。気付けば何故だか彼を応援したくなっています。

試合と強いメッセージでファンの心を鷲掴みにするのが石井智宏選手の真骨頂。

今回はチャンピオン側からチャレンジャーを刺激し、このタイトルマッチはお前が盛り上げろよとやる気スイッチを押しました。

「“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”で自分だけ何もない」じゃノレないんですよ。共感のベクトルがネガティブな方向に近いので。

ただ、「石井!テメェを倒す!潰して、ベルトを奪う」であればノレます。

これでBUSHI選手は“遮二無二”かかってくるに違いません。

石井「オイ、BUSHI。オメェが(タイトルマッチを)やりてぇっつったんだろ!? オメェがリベンジしてぇんだろ!? あぁっ!? そのわりにはおとなしいな、オラ。あぁっ!? そんなんで勝てるわけねぇだろ!? 俺らのことナメてんのか、オイ!? あぁっ!? それよりお前、マスク・コスチュームに力入れるのか!? いや、それ以上に! 試合に力入れんかい。あぁっ!? 『次、なんのマスクにしようかな?』じゃねぇんだよ。どうやったら相手に勝てるか! どうやったら相手を潰すか!! その先、考えろよ。

オメェにとっては、どんだけ大事な物か知んねぇが、俺にとっちゃただの(※マスクを勢いよく床へ叩きつけ)“布”だ(※と言い残し、マスクを置き去りにして立ち去る)」

出典:新日本プロレス

 

武士の正念場

“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”の3人がリマッチを要求してきた時、正直「またかよ」と彼らのファン以外は思ったに違いありません。

内藤哲也選手とSANADA選手は「IWGPタッグ選手権試合」を控えている状況。

そんな中でこちらにも挑戦したいと意思表示を出したのは、BUSHI選手のためだと考えてまず間違いありません。

同じジュニアヘビーのパートナーである高橋ヒロム選手が復帰していないため、「スーパージュニア・タッグリーグ2021」への参加が見送り。

鷹木信悟選手が「IWGP世界ヘビー級」、内藤哲也選手とSANADA選手が「IWGPタッグ」を戴冠する中で彼だけが無冠の状態で。

ユニットのためのサポートなどはしていますが、分かりやすい実績がない。

“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”ではなく、新日本本隊にいるとしたら相当マズい状況になっていたはずです。

あの時の選択は最高に正しかったですが、そろそろ分かりやすい勲章が無ければ高橋ヒロム選手が復帰した途端にまた影が薄くなってしまいます。

石井智宏選手が彼のアクションに応えくれた。動いてくれた。

マスク剥ぎがマスクマンにとってどれだけの意味を持つか。プロレスファンであれば分かりますよね。

ここでようやく彼が勲章を取る以外で熱くなれる目的が定まったのです。

KUSHIDA選手にだけは絶対に負けたくないと感情剥き出しだったあの頃。対KUSHIDAだけは名勝負を連発していたBUSHI選手が帰ってくる音がしました。

BUSHI「(※石井が捨てたマスクを回収し)ハッハッハ…。ここにあったか。オイ、石井。テメェふざけんなよ、この野郎! …と言いたいところだけどな。ありがとう。完全に“やる気スイッチ”押してもらったよ。まあ別に、このリベンジ(マッチ)が決まったときから、やる気は入ってたよ。

でも、改めてマスクを剥がされて今日、俺らが勝ったのにマスクが脱がされたんだよ、俺は。完全に“やる気スイッチ”押してもらったよ」

出典:新日本プロレス

 

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1対1とタッグ

石井智宏選手のアクションで1対1とタッグの構図が生まれました。

石井智宏選手VS BUSHI選手。

後藤洋央紀選手&YOSHI-HASHI選手VS内藤哲也選手&SANADA選手。

今回の「NEVER無差別級6人タッグ」はこの構図に注目です。

個人的にはこのタイトルマッチで“CHAOS”が勝利した場合、年内の防衛はほぼ確定だと思っています。新日本本隊を含めて全ユニットを破っている今、“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”が最後の砦です。

もしもそうなると、太刀打ちできるのは...。例えばカール・アンダーソン選手とドク・ギャローズ選手を含めた3人が日本の新日本プロレスに復帰する展開や力こそパワーが集まったヘ“ユナイテッドエンパイア”ですかね。

実際、オカダ・カズチカ選手、内藤哲也選手、ジェイ・ホワイト選手、鈴木みのる選手と“ユナイテッドエンパイア”を除く全ユニットを破ってるんですよ。これってとんでもないことですよね。というか「IWGPヘビー級」を戴冠したレスラーがこぞって挑戦している事自体が改めて考えたらスゴい。

「NEVER無差別級6人タッグ」の価値は今後どうなっていくのか。明後日の大会に期待です。

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