棚橋弘至が高橋ヒロムのジュニアの入門テスト発言について語った

棚橋弘至が高橋ヒロムのジュニアの入門テスト発言について語った。

2021年9月4日にメットライフドームで飯伏幸太選手と「IWGP USヘビー級」選手権試合を戦う棚橋弘至選手。

現在はホテルに“缶詰め”状態で執筆に追われる日々。100年に一人の敏腕ライター生活を過ごしている逸材がひげを蓄えた状態で、自身のPodcast収録(リモート)に臨んだ。

そして、昨日「棚橋弘至のPODCAST OFF!!」#171の配信がスタート。

第10代「IWGP USヘビー級」王者となった逸材が、アメリカ大会の感想や迫るメットライフドーム大会、新しいヤングライオンなど今の新日本プロレスを語り尽くした。

僕が中でも気になったのは、先日DOUKI選手とのシングルマッチで復帰した高橋ヒロム選手の話題だ。

まずは、高橋ヒロム選手の主張から。

ヒロム「まぁいいんだ。それはいいんだ。俺はこの欠場期間、約半年、何を考えてプロレスを見てたと思う? ジュニアとは何なのか、ヘビー級とは何なのかを、真剣に考えて見てたよ。いち選手として見るんじゃなくて、ファンの気持ちになって、いちファンとして俺は、見てた。

ジュニアとヘビー、違いが分かんねぇな。よくか悪くか、 違いが分かんねぇな。でもコレってさぁ、ヤバいんじゃないの? 全てが曖昧だとさぁ、これから先、 ジュニアをやりたいと思う人間がいなくなっちゃうんじゃないかっ て、すげぇ不安になったよ。ジュニアとヘビー、何が違うと思う。頼みの綱の上村も、『 105kgになって帰ってきたい』って言ってたし、 デビューしたばっかのあの2人も、 ジュニアなのかヘビーなのか分からないけど、 どっちなんだろうなぁ。ただ今、 この曖昧な状況でジュニアを選択してくれるかどうか、 俺はそこが怖い。どれだけすごい試合、必死こいた試合、 面白い試合をしようが、どっちを選択してくれるんだろうなぁ。
だったらさぁ、思いついちゃったんだよ。 ジュニアによる、ジュニアのための、 ジュニアの入門テストをやろうぜ。トレーナーはそうだなぁ……( ※ビデオカメラを指差して)金丸さんがいいかなぁ? いや、いいんだ、いいんだ、 コレを一人のファンの意見として聞くか、それとも、 真剣に向き合って、そろそろ考えるべきなんじゃないのか、 新日本プロレス。

出典:新日本プロレス

この言葉を受けて、新日本プロレスのエースは何を感じたのだろうか。

 

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ジュニアとヘビー

まず、棚橋弘至選手はジュニアの体重でありながらヘビーで活躍している選手もいると前置き。

ただ、ジュニアはジュニア。時々、橋本真也さんと獣神サンダー・ライガーさんのような試合が組まれるのが面白い。

ジュニアを極めた者がヘビー級にに挑戦し、勝利を得る。このカタルシスにファンは期待している、と。

レスラーの小型化は今に始まったことではない。

グッドシェイプされた肉体と身体能力のハイブリッド。

超大型のスーパーヘビー級よりもそういったタイプのレスラーが人気を博したこともあり、今や新日本プロレスのトップ戦線でも180センチ未満の選手が大活躍しているのが現状だ。

脂肪を削りぬき、筋肉の鎧を身にまとった飯伏幸太選手は特別枠にするとして、KENTAを選手やザック・セイバーJr.選手はどう見てもヘビーというよりもジュニアの体格だ。

ただ、2人とも対ヘビー級対策ができる1芸を磨き抜いている上に、ヘビーとして長年戦ってきたところから戦い慣れもしている。

一方、近年でヘビー級に転向したジュニア選手はタイチ選手、鷹木信悟選手、ウィル・オスプレイ選手の3人。

タイチ選手は100キロまでウエイトを上げた上でヘビー級に転向を宣言。ウィル・オスプレイ選手はおそらく今は100キロないかもしれないが、昨年の「G1クライマックス」では身体を巨大化させ、100キロ超えを実現していた。

鷹木信悟選手は...。そもそも全日本プロレスの「チャンピオン・カーニバル」に出場していた経験があるだけに“無差別級”という言葉が一番しっくり来る。

「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」リーグ戦全勝は伊達ではないのだ。

話を戻そう。

今やジュニアとヘビーの選手の境目が曖昧になっているのは事実だ。

 

高橋ヒロムが体現したこと

そもそも高橋ヒロム選手は新日本プロレスの入門テストで50メートル走が異常に速いことから注目を受け、合格している。

その後の練習生時代は落ちこぼれだったことは内藤哲也選手の口から何度も語られている。

ただ、その後の彼は海外遠征から帰国してすぐの東京ドームで「IWGPジュニアヘビー級王座」を戴冠。

獣神サンダー・ライガーさんが勇退した今、新日本プロレスジュニアを背負う男として、時代の中心に立っている(確かに欠場も多いが、彼がいない間に新しいスターが生まれ、その後復活して激突までもが物語になっているため、決してネガティブな要素だけではないと思う)。

高橋ヒロム選手や“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手、YOH選手、SHO選手の時代は入門テストの身長制限が撤廃されていた。

つまり、いつ何時、誰の挑戦でも受けるという構えである。

ただ、現在は180センチ以上が基準値となっている。

 

上背問題について

このルールがある以上、高橋ヒロム選手、“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手、YOH選手、SHO選手、マスター・ワト選手は身長が理由でそもそも入門できないのだ。

そんな中、頼みの綱の上村優也選手は実質のヘビー級宣言。成田蓮選手は身長が185センチまで伸びたこともあり、ジュニアで長く活躍することは考えにくい。

身長がなくてもスターになれる。一芸があればリングの上で輝けることを高橋ヒロム選手は知っている。誰よりも知っている。

石井智宏選手も170センチと決して大柄ではないが、日本に留まらず世界中で大歓声を浴びるファイトを魅せている。結局、身長があればいいというワケではないのだ。

ただ、高橋ヒロム選手の主張は“ジュニア”を盛り上げることを大前提にしている。

彼は入門テストの身長制限を撤廃すべきと提言したのではなく、ジュニアの入門テストをすべきだと発しているのだ。

つまり、このテストで合格した者(受験生)は、新日本プロレスでは生涯ジュニアを貫く覚悟を問われる。

ジュニアにプロレスキャリアを捧げよ、と。

つまり、俺(高橋ヒロム)のライバルを探しているのだ。

棚橋弘至選手が触れたことで、ジュニアでの入門テストが現実味を帯びてきた。

新日本プロレスの夢を諦めた男たちの逆襲がはじまる可能性が十分にある。

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