飯伏幸太があのフェニックススプラッシュについて回顧

2021年10月28日、新日本プロレスの飯伏幸太が東京スポーツのインタビューに答えた。

2021年10月21日の「G1クライマックス31」日本武道館大会でオカダ転売カズチカと三連覇を懸けて激突。

18番であるフェニックススプラッシュの受け身が上手くいかず、「右肩関節前方脱臼骨折」及び「関節唇損傷」の大怪我を負ってしまった。

試合はレフリーストップでオカダ・カズチカが勝利。2014年以来となる“真夏(秋)の覇者”として君臨することとなった。

前人未到の三連覇へ大手が懸かった状況から全治2月のリハビリ期間へ。

飯伏幸太はあの時のことをこう振り返っている。

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フェニックススプラッシュ

まずは、あのフェニックススプラッシュについて。

Podcastで少し喋ったかもしれないが、明らかにこれまでのフェニックススプラッシュと比較して、高さと回転速度に違和感があった。

試合終盤でも美しく舞い続けていた不死鳥の翅に一体何が起こっていたのだろうか。

 ――フェニックススプラッシュの時点の心境

 飯伏 自分の中ではやっぱり焦ってましたよね。早く決めたい。何とかして決めようと。

 ――同技に関しては世界有数の使い手。実戦での失敗は記憶にない

 飯伏 初めてですね。それには原因があって、体重のコントロール。今回、それまでに体重が減ったり増えたりして。フェニックスの練習はできてたんだけど、波がありすぎて。あれって100グラム違ったら全然(感覚が)違う。それくらい高度な技なので。それが、KENTA戦(18日)から当日で3キロも違ってて。優勝決定戦に向けて意図的に増やしてたんですけど、疲労もたまっていただろうし…体重は間違いなく(影響が)あったのかなと。

出典:東京スポーツ

100グラムで感覚が違う――。

フェニックススプラッシュは、そもそも常人では一生味わうことのない空中での動きだ。100グラムで異なる感覚が3キロということは、30倍感覚が違うことになる。

減りすぎてしまった体重を補うために大会を通じてウエイトを増やす必要があった。一方で、空中殺法の微調整はぶっつけ本番になってしまう。

綱渡りの中で空高く舞った不死鳥の身体はこれまで以上に傷だらけだったのかもしれない。

 

傷だらけのラブソング

レフリーストップの後にも事件は続いた。

オカダ・カズチカが従来の権利証ではなく、封印された「IWGPヘビー級」ベルトを権利証代わりに欲しいと宣言したのだ。

飯伏幸太は「IWGP世界ヘビー級」誕生の瞬間に立ち会った男だ。彼を「IWGPヘビー級ベルト」を持った状態で倒せば、価値観の変化が起きても不思議ではない。

「IWGP世界ヘビー」と「IWGPヘビー」が同時にタイトルとして存在することになるのか。それとも、「IWGP世界ヘビー」を封印するのか。

チャンピオンにはベルトを封印する権限がある。過去、中邑真輔がいくつものタイトルをおわらせたように、王者にはそんな権限もあるのだ。

 ――再戦を望むオカダは4代目IWGPヘビー級ベルトを挑戦権利証替わりに保持。言動はどう映っているのか

 飯伏 (IWGPヘビーを)復活させたいんじゃいのかなっていうのと、でもそうしたら俺とか内藤(哲也)さんとかSANADAさんとか(エル・)デスペラードとか、試合してきた人たち…。そのあとも鷹木信悟が現王者でやっていて…。ちょっと意図は分からないですけどね、まだ。でもなんで今まで通り(権利証)じゃないのかなっていうのは、おかしいよねって。

 ――ピンと来ない

 飯伏 いや、ピンと来る、逆に言えば。なぜ飯伏幸太なのかっていうのもなんとなく。自分がIWGP世界ヘビーを新設したから。初代王者を倒したらIWGPヘビーが復活できるんじゃないかって(オカダが思っているのではないかと)、直感だけど思ってしまう。どうしてもそれは。

 ――ともあれ再戦は大きなテーマだ

 飯伏 中途半端に終わったのは自分でも後悔している。向こうもそこを分かっている。だからあれの続きをやろうよって意味もあると思う。じゃないと本人も納得しないだろうし。肩が外れてなかったら試合は続いていたわけで、その続きは自分も気になりますしね。

出典:東京スポーツ

2021年、オカダ・カズチカと飯伏幸太の間にはピリピリとした空気が流れていた。

だが、今回の一見で悪い意味でのピリピリ感が薄れ、再戦に向けてのテーマが生まれたように思う。

飯伏幸太、内藤哲也

まさか2021年に飯伏幸太と内藤哲也の2枚看板が欠場することになるとは思いもよらなかった。

二人が抜けた穴は観客数に直結。やはり客を呼べるレスラーだったのだと改めて痛感させられた。当たり前のように戦っているが、当たり前でも何でもなくちょっとしたことで、長期欠場になってしまう世界だったのだ。

飯伏幸太は2ヶ月。内藤哲也は半年(獣神サンダー・ライガーさん調べによると)。

2022年の東京ドームに二人はいないかもしれない。

飯伏幸太は時期的にはセーフだが、早期復帰の後に再度長期欠場した過去があり、復帰のタイミングは非常にセンシティブな問題になってくる。

2021年、本当に沢山の苦難があった飯伏幸太だけに、肉体もメンタルもダメージを縫いいた状態で元気にリングへと戻ってくることを願うばかりだ。

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