オカダ・カズチカが創造する「G1覇者」の未来

オカダ・カズチカは「G1覇者」として新日本プロレスを盛り上げるつもりだ。

“レインメーカー”の復活(復帰)劇に揺れた新日本プロレスの秋。

「G1クライマックス」のクライマックスで勝利したオカダ・カズチカの発言が多くの波紋を呼んでいる。

ことの発端は“4代目IWGP”を預けてくれという発言だった。

2021年にその役目を終えた“IWGPヘビー級ベルト”を“墓場”から持ち出すことに成功。

自身と同じく、電撃復活を果たした“IWGPヘビー級ベルト”を肩にかけオカダ・カズチカは入場するようになった。

ベルトとしてではなく、権利証(ある意味で分かりやすいアイコン)として、“4代目IWGPヘビー級ベルト”をなぜ選んだのか。

その答えが新日本プロレス公式のインタビューで明らかとなった。

まず権利証&ブリーフケースを選ばなかった理由については、今のコスチュームに合わないとバッサリ。

ある意味で一番説得力のあるコメントだった。

ただ、これは建前であることはすぐに分かる。

オカダ・カズチカは新しいアプローチで“IWGP”とは異なるブランドを作ろうとしているのだ。

“IWGPヘビー級”至上主義だった男が「KOPW」を創設し、次は「G1クライマックス覇者」の価値すらも変えてしまおうとしているのだ。

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レインメーカーの胸中

大阪でオカダ・カズチカは「G1クライマックス覇者」として、「東京ドーム・IWGP世界ヘビー級王座挑戦権利証争奪戦」を懸けてタマ・トンガと激突する。

つまり、「G1クライマックス覇者」が“IWGP世界ヘビー級王者”に挑戦すること自体は変わっていない。

ただ、僕の中で挑戦する日がイッテンヨンではない気がしている。イッテンゴあるいはイッテンハチ。飯伏幸太の復帰まで“4代目IWGPヘビー級ベルト”を持つとなると、どこでこの権利証が手放されるのかも考えていく必要がある。

ここで問題なのが、鷹木信悟の対角線には立てる相手がいてもオカダ・カズチカの前に立てる男がいないという点である。

リーグ戦でタマ・トンガにしか敗れていない以上、その権利証を寄越せ!と立ちふさがれる選手がいないが現実だ。

唯一できるとすればKENTA選手くらいだろうか。

ただ、“IWGP USヘビー級ベルト”への愛を示している彼が権利証を狙ってくるかと言われると少し疑問も残る。

そうなると、飯伏幸太が復帰しない限り、イッテンヨンで激突せざる負えなくなる。非常に難しい状況だ。

オカダ ええ。それにベルトが懸かっていただけですからね。ただ「チャレンジャーに決まりました。その権利をしっかり守っていきます」っていうのは個人的には違うかなと。だからボクも『G1』チャンピオンとして、2021年も残り少なくなりましたけど、シッカリと盛り上げていきますよ。昔で言えば、IWGPヘビーとインターコンチ王座でメインイベントを決める投票をやったりもしているわけじゃないですか? 

──ありましたね(2013年1.4東京ドーム大会、IWGPヘビー級選手権 オカダ・カズチカvs内藤哲也と、IWGPインターコンチネンタル選手権 中邑真輔vs棚橋弘至の試合順をファン投票で決定し、大きな話題となった)。

オカダ 昨日(10月21日)の試合後にも言いましたけど、どっちの“政党”についていくのか? IWGP世界ヘビー党なのか? IWGPヘビー党なのか? まあ、IWGPヘビー党というよりは、“『G1』党”ですよね。

──もう一度、IWGP世界ヘビー王者と、『G1』王者の対決を強調していくというか。

オカダ 鷹木さんも自信があれば普通に闘って、「鷹木は凄いな」っていうのを見せて、IWGP世界ヘビー党の支持者を増やせばいいだけですし、何をそんなにビビってるのかなと思いますね。

──そして、オカダ選手はオカダ選手のやり方で対抗していくと。

オカダ ボクもさんざんインターコンチでやられましたからね。だから、今回は、ボクはボクで『G1』チャンピオンとして新日本プロレスを盛り上げていきますよ。ボク自身はIWGP世界ヘビー級チャンピオンに負けているとは思ってないし、同等というよりも、「『G1』チャンピオンのほうが上」だと思っていますから。なぜなら『G1』にはIWGP世界ヘビー級チャンピオンも出場していたわけですし、そこで優勝出来なかったのに「俺のほうが上だよ」っていうのもおかしな話ですからね。だから、バックステージで言ったように「おまえが挑戦してこいよ」ということです。

出典:新日本プロレス

 

オカダ・カズチカの狙い

オカダ・カズチカは新日本プロレスを盛り上げようと既存概念と戦い続けている。

過去は超えられない。過去と戦って何が悪い。

先輩たちは偉大な先輩たちのイデオロギーとも戦ってきた。消えない影。栄光の歴史がライバルだったのだ。

ただ、オカダ・カズチカは違う。

自分で新しいルールを作り、別のアプローチから戦いを仕掛けていく。

彼はレインメーカーでありゲームチェンジャーなのだ。

仮にの話だが、「G1クライマックス覇者」は“4代目IWGPヘビー級ベルト”を持つというブランドができあがったとしよう。

一生見ることが叶わなかった後藤洋央紀のIWGPヘビー級姿を見ることができるかもしれないのだ。

多くのレスラーが憧れたベルトをなかったことにはしたくない。

オカダ・カズチカは自らが矢面に立って、賛否両論が生まれることを承知で、新しい価値観を作ろうと動いているのだ。

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