棚橋弘至がKENTAとのノーDQマッチで考えていたこと

棚橋弘至がKENTAとのノーDQマッチで考えていたことについて書きたい。

2022年1月31日。「棚橋弘至のPodcastOff!」の最新回が更新された。

#179のメインテーマは、新日本プロレスの東京ドーム大会2日目。棚橋弘至選手がKENTA選手の「IWGP USヘビー級選手権試合」って語った。

“逸材”にとって人生で2度目となった「ノーDQマッチ」は、口では「反則するのかな?」「どうなるのな?」という雰囲気を出しつつ、実際はいきなりの竹刀攻撃を見舞った。

「敵を欺くにはまず味方から(この場合の味方とは誰なのか)」。

今回の試合が最初から反則をやりまくる覚悟があったようだ。

あの日の試合を振り返ると、棚橋弘至選手の周囲を“虚無感”が漂っていた。

ギターを持ってもエンタメ的に弾いてみることせず、いきなりぶっ叩く。エアではない本物のギターがそこにあるのに、武器としてしか使わない。

そう。このルールが決まった時点で棚橋弘至選手の腹は決まっていたのだ。

自分が望むレスリングの形ではなくとも、心をゼロにしてとにかくやりきろう。

社会にはやりたくないこと(自分がやりたいことばかりで生きている)をして生きている人ばかりではない。

キャリアを重ねると共に役割が変わったり、自分が望まない道にしか進まなくなっている状況もあるのだ。

棚橋弘至選手はそんな“日本のサラリーマン(正確には社会で働いている人々)”を想像して、“ノーDQマッチ”に臨んだのだ。

ただ、彼にとってそれは受け入れ難いほどに辛い試合だった。だから無になったのだ。無になることでしか、その時間を過ごすことができなかった。

自分に置き換えてみると何となく分かる。ため息をついて、受け入れるのではなく、やり過ごす。そんな仕事をする瞬間が確かにある。

 

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確かな境界線

僕は33歳でいわゆる大手企業の枠組みから外れた。

以前にも書いたことがあるが、死に物狂いで入社した上場企業を退職し、未上場ながらも数千人規模の会社に転職。その会社を辞めて以降、僕は“出世”とは無縁の暮らしを送っている。

“出世レース”とは無縁だか、生きるための“サバイバルレース”を常に続けている状況だ。

自分で決めて、自分で動く。予算を獲得して、企画を通し、世の中に発信する。

上司に報告するレポートなどない。何かを発信したり、作ることに集中できる。

そう言えば聞こえはいいが、常に怖い。

「いつも嫌だ」

「えっ?」

「いつも嫌だ。そう...怖い」

大仁田厚さんが蝶野正洋さんと電流爆破を戦ったあの日、バックステージで真鍋アナウンサーを本音を漏らした。

センシティブになっていたのだろう。インディーの帝王、涙のカリスマですら恐怖心と戦いながら生きているのだ。

後ろ支えがない状況で常にもがいてるのは辛い。

比較的やりたいことだけを仕事にして生きていても辛いものは辛い。

ただ、誰かに轢かれたレールを走りつつ、「こんなことやって意味あるのかよ?」と思う辛さも知っている。

迷いや辛さのタイプは違うが常にハッピーでい続けるためには自分が変わるしかないのだと思い知らされる。

そう、KENTA選手のように。

 

ヒデオ・イタミ

結構というかかなりビックリした。あの試合後、KENTA選手は足をついて歩くことが出来なかったようだ。

派手に見てた鼻の骨折よりも股関節のダメージが深刻だったことを今更知る。

アドレナリンが切れた瞬間に激痛が走る身体でKENTA選手は棚橋弘至選手にこうメッセージを送った。

「悲しい事言うな。俺たちは覚悟を持ってプロレスリングやったじゃないか。今日のお前は最高だった。胸張ってくれ。」

棚橋弘至選手はやりたくないノーDQマッチに対して、心の照明を消すことで耐えきった。

その一方で常に自分を鼓舞し、異常な状況に対して向き合う強さを魅せていた。

それを対戦相手として理解しているからこそ、KENTA選手は普段言わないような言葉を投げかけたのだと思う。

現在、新日本プロレスを含め日本人レスラーがWWEへ移籍してもリングネームはそのままだったり、要素を残すケースが増えた。

ただ、KENTA選手はヒデオ・イタミと新しい名前を与えられた。

この時点から“嫌なことを受ける覚悟”をより強く持ったのではないだろうか。

理不尽に争うだけではなく、時には受け入れる。その上で何ができるかを考え、行動する。

 

修羅場を生きる漢

欠場することになっても文句一つ言わず、常にSNSでファンを楽しませるエンターテイナー。それが今のKENTA選手の姿だ。

全く試合をしていない状況ですら、杖とダンベルの修羅場は一体どうなるのか?と規格外のストーリーを展開させている。

そんなKENTA選手との試合を通じて、棚橋弘至選手はまた一つ光の速さで成長した。

俺の成長は光よりも速い。いや、むしろ光だ。

言い換えることにより、遅くなっている。そんな棚橋弘至選手の活躍をこれからも期待したい。

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