新日本プロレスの声出しあり興行で感じたこと

新日本プロレスに歓声が帰ってきた日。

僕はちょうど仕事やら会食やらでバタバタとしていた。

ただ、この日の新日本プロレスだけは必ずリアルで見なければ...と思い、移動中の合間を見計らって新日本プロレスワールドを見る。

耳に挿したイヤホンから聴こえるのは拍手と大歓声。

過去の新日本プロレスでは当たり前の光景だが、2022年の出来事と考えると非常に考え深いものがあった。

試合はちょうど鈴木軍VSロス・インゴブレナブレス・デ・ハポンのタッグマッチへ突入するところだった。

大内藤コールやレッツゴータイチ!が怒号のように鳴り響く。

当たり前の非日常が帰ってきた。そんな感じがして、マスクの下の口元が緩みはじめていた。

そんな時、内藤哲也選手がザック・セイバーJr.選手を煽った。釣られて後楽園ホールはザック・セイバーJr.選手のコールへとシフトする。

ザック・セイバーJr.。

2020年以降、数多くの“ガイジン”レスラーが渡航制限やさまざまな事情のためセルリアンブルーのリングから離れる中、彼は戦い続けた。

タイチ選手との“デンジャラス・テッカーズ”はヒールの枠を超えた“絆”を多くのファンに届け、シングルでもグレート・オー・カーン選手の中に眠っていたものを引き出し、覚醒させた。

彼が居なければ新日本プロレスの景色は全然違うものになっていたと思う。

己のためパートナーのため。そして、ファンのために相当なストレスが掛かる中でも日本で戦い続けてた。

そんな彼に降り注いだコールを聴いていると不思議と涙が溢れてきた。

人の気持ちが乗った歓声はエンターテイメントを提供している側の心を揺らすのだ。

何とも言えない表情を浮かべている英国の若き匠。彼へファンから向けられたギフトは目には見えないが確かにそこに存在した。

 

風になれ

午前1時半。自宅に着き、新日本プロレスワールドを第一試合から見てみる。

新日本プロレスの新しい一歩となる興行。第一試合にエントリーしたのは、鈴木みのる選手だった。

鈴木みのる選手が姿を現した瞬間にどよめく後楽園ホール。

第一試合に降り注ぐ万雷の拍手はこれまでと一緒。

ただ、ここからが違う。いつも以上に会場を煽ると、鈴木みのる選手がリングイン。

その瞬間に鳴り響く「風になれ!!!!!」。

これは泣くやろ。

実際の試合ではアリキックを披露するなど、見どころ十分。8分44秒。ゴッチ式パイルドライバーで勝利。

そして、バックステージで雄弁に語る“プロレス王”。最後のメッセージはマスコミに向けて、「お前らもプロレス楽しんでこいよ」

最高に痺れた。

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棚橋弘至という男

絶対に泣く、泣くぞ、泣くぞ?(FF10)と思いつつ、やっぱり泣くだろうな。そう思っていたら爆泣きだった。

新日本プロレスのエース・棚橋弘至の男泣きである。

やっぱり入場の段階から表情や放っている空気が全然違いましたね。

ブーイングを経て、棚橋コールを体全身に浴びて強く、まっすぐに団体を引っ張ってきた男。

彼が歓声を浴びると、こうも輝くの方と改めて感じた次第だ。

実際、歓声を引き出すパフォーマンスだって、約2年半ぶりなわけですよ。

ただ、そんな時間はなかったかのように徹底的に観客を揺さぶり、テンションを上げていく。

そんな彼の横に立っていたのは現代プロレスの象徴こと“レインメーカー”オカダ・和チカ選手。

声援が飛ばせない会場の中でも、「いつも大きな声援ありがとうございます!」と言い続けてきた。

声援を耳ではなく、心で感じていた。そんな気持ちでプロレスに取り組んできた。

だが、やっぱり声援は嬉しいのだろう。

笑顔が耐えなかった。そして、深夜にこのシーンを見て、僕の涙腺はぶっ壊れた。

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「こっちだよね?」と右腕を上げながらファンに問いかけるオカダ・カズチカ。2年連続のG1クライマックス王者。IWGP世界ヘビー級王者として2022年上半期の新日本プロレスを牽引してきた男は「今日は棚橋さんでしょ?」と言わんばかりの表情で、先輩にマイクを手渡した。

マイクを受け取った棚橋弘至選手の表情。これがもうたまらない。感情が爆発しそうなところをギリギリのところで守っているような。そんな感じ。

「嬉しすぎて、何も浮かばねぇ」

2年半。何度も何度もエースは涙をこぼしてきた。ずっと悔し涙を流してきた彼が、この日流した涙は嬉しさの色で輝いていた。

 

新しい一歩

と、ここまでさらっと書いてきたが僕自身半年ぶりの更新である。

実はたまに書こうかな?と思って、少しだけ手を動かした日はたしかにあった。ただ、公開するまで書ききることができなかった。

KUSHIDA選手の復帰とかね。少し書いてはいたんですよ。

ただ、今日だけは書かねばならぬと久しぶりに筆を取ってみました。毎日更新はもう現実的に厳しいほど仕事がカッツカツだったりする(そもそもリアルタイムで試合を見れない日も増えた)ので、あの頃が戻ってくるにはまた環境を変えるしかないわけですが、それもそれでうーんという感じ。

なので、こうしてたまに筆を取るのでその時々で楽しんでいただけると嬉しいです。

最後に。

「あし↑あと↓」買いましょうね。(当日はブーイング飛びまくりでホワイ?という表情が最高だった)

最後と言いつつもう一つだけ。

やっぱり大・内藤コールはエグかったですね。あれって2年半前は当たり前の光景で、どこの会場に行っても内藤コールは定番だった。

いつも以上にデカイコールに聞こえたのは、この2年半の間にファンになった方にとっては、初の内藤コールだったんだなと。

そんなことも想像するだけで胸が熱くなるわけですよ。

誰かの夢が叶った瞬間だったかもしれない。そんな光景を受け“制御不能なカリスマ”内藤哲也選手はこう語る。

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レスラーだけでは最高の空間は作れない。会場のお客様と一緒に作り上げるものだって。

声出しありの興行の破壊力は新日本プロレスワールドを通じてもはっきりと伝わってきた。楽しそう!会場行きたい!と改めて感じたファンも多いはずだ。

この興行を実現するために尽力した新日本プロレス関係者の皆様、本当にお疲れさまでした。

新日本プロレスの爆発はこれからだ!

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