バッドラック・ファレの決断!血の涙を流すタマ・トンガ
新日本プロレスでとんでもない事件が起こった。
ここまで大きな大混乱はいつぶりだろうか。“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手が“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”を離脱して“バレットクラブ”へと加入した時以来か。それ以上のインパクトがある大事件が巻き起こった。
2022年3月13日。新日本プロレスの「ニュージャパンカップ2022」が大きな盛り上がりを魅せる中、“バレットクラブ”の歴史が大きく動いた。
タマ・トンガ選手VSEVIL選手の公式戦が終わると、日本にいる“バレットクラブ”メンバーが大集結。タマ・トンガ選手、タンガ・ロア選手、邪道選手を追放した。
タマ・トンガ選手は“バレットクラブ”オリジナル・メンバーの1人であり、ユニットがスタートした時から在籍しているメンバーだった。また、タマ・トンガ選手についた邪道選手は外道選手とのタッグチーム“邪道外道”を解消する結果に。
3人がどのユニットに流れ着くのか。それとも別のユニットを結成する形になるのか。まだ、今後のことは分からない。
ただ、血の涙(Blood tears)が流れた今、新しい戦いがはじまることだけは間違いない。
2022年3月14日。朝7時21分の時点では本日以降の対戦カードが未発表である。
#NewProfilePic pic.twitter.com/BvkUw7rLNv
— Tama Tonga (@Tama_Tonga) 2022年3月13日
止まらないベビーフェイス化
EVIL選手との試合を見ていてもタマ・トンガ選手には正直思うことはあった。
昨年、オカダ・カズチカ選手を破った時もそうだが、完全にヒール色が薄くなっているのだ。
明らかにベビーフェイス。極論、ダークヒーローですらない。苦労人のベビーフェイスという印象が明らかに色濃くなっていた。
会場、SNSでもタマ・トンガ選手を応援する雰囲気が漂っている。感情移入をさせず、反体制として傍若無人に振る舞うのがヒールだとするのであれば、彼は追放されてもしょうがないレベルに達していた。
“バレットクラブ”を最優先にしてきた。彼の言葉に嘘偽りはない。
ただ、本来の“バレットクラブ”とは“ガイジンレスラー”を評価しない人々への怒り、アンチテーゼから生まれたユニットである。
今のタマ・トンガ選手は多くのファンから愛されている。彼こそが“バレットクラブ”の魂なのだとみんなが理解している。
だからこそ、“バレットクラブ”は彼を追放しなければいけなかった。ベビーフェイス化のたどる先にあるのは、“エリート”に牛耳られたあの頃だ。
それを知っているからこそ、バッドラック・ファレ選手は動いたのだ。
タマ「(※這って引き揚げてくる。コメントスペースまでたどり着くと、そのまま仰向けになって両手で顔を覆う。体を起こそうとするも、痛みで顔をゆがめる。なんとか上半身を起こしてフロアに座リ直したが無言。しばらくして、ようやく口を開き始める)こんな結果になるとは全くの予想外だった……。想像もできなかった……。まさかこんな形で終わってしまうとは……。自分の人生で唯一、心、プライド、情熱を注いできたものが……こんな風に奪われてしまうなんて……。オレは自分のすべてを(BULLET CLUBに)捧げてきた。全神経を注いで血のにじむような努力をしてきた。家族と過ごす時間を削ってでも(BULLET CLUBを)最優先にしてきた。全てを捧げてきたのに!
BULLET CLUBというユニットに対していつだって忠実でいた。他のヤツらが背を向けて離れていったときだってそうだ。友達や家族も含めたメンバーのみんなに、オレは忠誠を尽くした。最初から最後まで! でもアイツらは恩を仇で返しやがった……。(※痛みに何度もも顔をゆがめながらも、ゆっくり立ち上がって)それにオマエもか……ファレ、オマエまでもか……」
ファレの本心
メンバーの代わりはいるが、ユニットに代わりが利かない。
泣いて馬謖を斬る。
まさにこの決断だろう。“バレットクラブ”を守るためにタマ・トンガ選手を追い出すしかなかった。
“バレットクラブ”にベビーフェイスは必要ないのだ、と。
世界中のレスラーが加入したい“バレットクラブ”。そのユニットに異物はいらない。それが例え、大切な仲間だとしても、だ。
二人の絆は本物だった。
今回もなんだかんだ言ってバッドラック・ファレ選手だけは“G.o.D”に付くのではないかと思っていた。だが、違った。
組織を守るために、仲間を斬る道を選んだ。この回答が“ローグ・ジェネラル”なのだ。
“アンダーボス”であった場合、この選択になっていたのか。
タラレバはないがこのことがずっと頭から離れない。
チェーズ「オレたちは(BULLET CLUBの中で)在籍期間が最も長い2人だ。まぁ、オレは立ち上げからいたメンバーではないがな。『BULLET CLUB 4 LIFE』の言葉に……G.o.Dとジャドーは含まれない」
ファレ「オレがどっちを選ぶのか、オマエら全員気になってただろ? よく聞けよ。メンバーは代わりがいくらでもいるが、CLUB(ユニット)に代わりは利かない。(BULLET)CLUBは不滅だ!」
組織人として
バッドラック・ファレ選手は組織人として正しい選択をしたと思う。ただ、圧倒的な個の場合、組織が弱体化するのは間違いない。また、ユニットの空気も大きく変わる。
今は共通の目的であるジェイ・ホワイト選手を選ばなかった者の追放でいいが、今後は何を指針に戦っていくのか。ここが気になるところだ。
同じ名前であっても中身の人が変われば、別のものになる。
すべては人だ。実際、リーダーが変わる度に“バレットクラブ”のイメージも変わってきた。
未来のために何ができるのか。何をすべきなのか。“バレットクラブ”も考えていかなければならない。
永遠なのか 本当か
— KENTA aka Lil’K (@KENTAG2S) 2022年3月13日
時の流れは続くのか
いつまで経っても変わらない
そんな物あるだろうか
見てきた物や聞いた事
いままで覚えた全部
でたらめだったら面白い
そんな気持ちわかるでしょう
答えはきっと奥の方
心のずっと奥の方
涙はそこからやってくる
心のずっと奥の方 pic.twitter.com/6dW7j4cNau
“情熱の真っ赤なバラ”
血の涙を流すタマ・トンガはベビーフェイスでいられるのか。それとも“バーサーカー”と化して、血で血を洗う抗争へと足を踏み入れるのか。
未来はまだ分からない。ただ、とにかく今日以降の新日本プロレスから目を離すことができない。
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