タマ・トンガの胸中とスカウトすべき漢

海外のプロレスまでチェックし、レスラーのTwitterを見ている人はぼんやりと知っている。

新日本プロレスワールドで感染している人は【解説者】の言葉でなんとなく把握している。

ただ、Twitterを見ない。会場で観戦している人は、今の状況が把握できていなかったかもしれない。

現在、“バレットクラブ”内で内紛が勃発している。ことの発端はカール・アンダーソン選手&ドク・ギャローズ選手とタマ・トンガ選手&タンガ・ロア選手の一戦にジェイ・ホワイト選手が乱入を果たし、“ブレードランナー”を“仲間であるはずの”G.oDサイドにぶちかましたこと。

あの日以降タマ・トンガ選手はTwitterのフォロワーをすべて外し、深い悲しみに包まれている。

これは海外のリングで起こったことであり、日本の新日本プロレスではバックステージで動いてきた物語である。

一体、何が起こっているのか。それぞれの胸中はどんな状況なのか。

国内のプロレスファンに向けて、タマ・トンガ選手が口を開いた。

そこには、ジェイ・ホワイト選手が焦っていたのではないか?という考察。

“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手が全く信用できないという現実が描かれていた。

“バレットクラブ”は事実上3つ巴の戦争になる。あるいは、どこかのチームが加勢に加わる展開へとつながっていくのだろうか。

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ジェイ・ホワイトの焦り?

タマ・トンガ選手はジェイ・ホワイト選手を新しいカリスマとして迎え入れていた。

“ジ・エリート”と対決を対立関係にあった“バレットクラブ・オリジン”はジェイ・ホワイト選手の加入をもって“オリジン”を外し、“新生バレットクラブ”へと生まれかわった。

それから2020年に突入すると、社会状況の変化によりジェイ・ホワイト選手が海外のリングを中心に活動するようになった。

「G1クライマックス31」、「ニュージャパンカップ2022」には未エントリー。東京ドームにも姿を現さなかった。

全員が全員Twitterを見ているわけでも、ネットでプロレスを追っているわけではない。

日本のプロレスファンで言えば、すでに彼のことを知らない人までいてもおかしくない状況にまでなっていた。

ジェイ・ホワイト選手は新しい動きを魅せる必要があった。それが、仲間を裏切ることで強固なチームを作ることったのかはまだ分からない。

――BULLET CLUB結束からオリジナルメンバーとして活動してきたタマ選手に対し、ジェイ選手は2018年にユニットに加入しました。加入当初と比べてジェイ選手の中で何が変化があったと思いますか? あの裏切りは全く予想外の出来事でしたか?

タマ 興味深い質問だな。そもそもアイツがBCに入ってきた時、オレたちはTHE ELITEと内部抗争を繰り広げていた。オレたちみんながジェイという若い才能を団体のトップに引っ張り上げようと、アイツにチームとして力を貸したんだ。当時から生意気だったアイツはBULLET CLUBのカラーにピッタリのキャラクターでもあった。でも今こうして振り返ってみると、アイツ自身何か思うところがあったんだと思う……。

――具体的に言いますと?

タマ アイツは自分の地位が落ちていくのを感じていたんだと思う。2、3年前と比べると今のジェイは団体のトップ戦線にも関われていない。そんな中でオレという存在がアイツにとって脅威になっていたんじゃないかと思う。去年アイツは『G1』に出場しなかった。その空いたスポットをいろんなヤツらが取りに行こうとした。オレもその一人だ。BCの代表としてチャンスを掴みにいった。で、出場しなかったことにオレが腹を立てていると聞きつけたジェイが最終的に取った行動が、あの裏切り行為ってわけだ。まあ、完全にオレが油断した状態で攻撃に移したのは、ある意味よくやったとも言えるけどな。

出典:新日本プロレス

 

闇の王とは敵対へ

昔からこんな言葉がある。敵の敵は“敵”だ。

ジェイ・ホワイト選手に裏切られたタマ・トンガ選手&タンガ・ロア選手を“ハウス・オブ・トーチャー”が迎えきれ、共同戦線を張るという展開が予見された。

ただ、その可能性はタマ・トンガ選手の口から否定された。

また、“ハウス・オブ・トーチャー”自体が日本人を中心としたユニットである。であれば、ここもつながってこない。

そう考えると、“バレットクラブ”の3分裂。これが今の状況だと見て間違いないだろう。

――さて本題の『NEW JAPAN CUP』ですが、タマ選手はシードとして3月13日の尼崎大会で2回戦からの出場となりますね。1回戦のEVIL vs 田口で勝ち上がった方と対戦が待ち構えています。HOUSE OF TORTUREもこのBULLET CLUB抗争には深く関わっていますが、この状況でEVIL選手と向かい合うことになればどうなるでしょう?

タマ あくまでも公式戦の一つだ。オレがEVILと結託としてHOUSE OF TORTUREに入るのを期待してるファンもいるだろうけど、EVILにはEVILなりの目的があって、オレとは方向性が違う。EVILは信用に値するメンバーかと聞かれたら、100パーセント、ノーだ。それはもう去年の『G1』でハッキリ証明されただろ? 信用できないヤツとは組めない。オレにとってEVILは倒さないといけない相手の一人だ。

出典:新日本プロレス

 

内紛の先にあるのは?

彼自身、バッドボーイからグッドガイ。そして、グッドバッドガイへと変貌を続けけてきた。

髪もバッサリと切ったし、オカダ・カズチカ選手からシングルマッチで今のところ最後に勝利したのもタマ・トンガ選手だ。

実力はある。客を感動させる力も持っている。ただ、ユニットのリーダー経験だけがない。

影のリーダーだとか欠かせないポジションだとか色々と見方はあるが、お山の大将を目指す上で、彼のキャリアにはリーダー経験が不足している。これだけは事実だ。

敢えて言おう。タマ・トンガ選手が狙うの既存の“バレットクラブ”メンバーは一人だけで十分だ。きっと邪道は付いてきてくれると信じて、彼のスカウトへと全力を投じるのみ。

“G.o.D”が欲するのはKENTA選手。彼がいれば人気、実力の面で局地を打開できる。リーダーはタマ・トンガ選手。エースはKENTA選手という座組である。

もしKENTA選手のスカウトに失敗した場合は、新ユニット結成しか道はない。どのユニットにいってもトップに立つのが難しいためだ。

今、タマ・トンガ選手はピンチであり大きなチャンスを掴んでいる。これだけは間違いない事実だ。

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