『ワールドタッグリーグ2018』鈴木軍と第3世代と若き獅子
新日本プロレスが神奈川・カルッツかわさきで開催した『ワールドタッグリーグ2018』。新日本プロレスワールドでも後日配信が行われており、早速見てみたところ第4試合が非常にココロに残った。
鈴木みのる選手&飯塚高史選手VS永田裕志選手&中西学選手だ。
プロのアスリートが輝くリングであまりこういう話題は好ましくないと思うが、言及しておきたい。この4人の年齢についてだ。
- 鈴木みのる選手(50歳)
- 飯塚高史選手(52歳)
- 永田裕志選手(50歳)
- 中西学選手(51歳)
実はこの4人、完全な同世代なのだ。天山広吉選手、小島聡選手の4人を第3世代と称するが、世代という意味ではこの2人も同じ。それぞれの道からプロレス界を盛り上げてきた。
そして、鈴木みのる選手と永田裕志選手は高校時代にアマレスで戦った経験があり、セルリアンブルーのリングでも好勝負を連発してきた。だからこそ、今回の『ワールドタッグリーグ2018』でも表面に見える以上の深みがあったように思う。そして、この因縁の一戦のセコンドに1人のヤングライオンの姿があったのだ。
今回は、鈴木軍と第3世代と若い獅子について書きたいと思う。
ヤングライオンを強襲
ロープを上げていた“ヤングライオン”が蹴り落とされる。『鈴木軍』の強襲から試合を幕は開けた。
すぐさまTシャツを脱ぎ臨戦態勢と取る永田裕志選手。場外乱闘でペースを握られまいと、飯塚高史選手の攻撃を身軽に交わした後は、中西学選手と2人で鈴木みのる選手にダメージを与えていく。
悪の連携は芸術レベル
鈴木みのる選手が永田裕志選手をロープに振るとそこには飯塚高史選手のイス攻撃が待っていた。
映像に映らないと思いきや、一瞬で敵チームにダメージを与える。“怨念坊主”は意識があるのか?それともないのか?非常に難しい質問になってきている。
ここからは再びの場外戦へ。手に持った椅子を中西学選手に見舞う飯塚高史選手。その裏側では、鈴木みのる選手が鉄柵攻撃を行った。と、思いきや2人は観客席に突入していく。椅子攻撃の雨あられが永田裕志選手にダメージを与えていく。
カミツキだ!
場外戦からリングに戻ってきて早々に、飯塚高史選手が噛みつき攻撃を実行に移す。鈴木みのる選手がレフリーを抑えブラインドを作るスピード感が堪らない。
永田裕志選手は噛みつかれるは、タランチュラ式で腕を取られるわと、見るも悲惨な状況にまで追い込まれる。そして、鈴木みのる選手が「来い!オラ!」と挑発をはじめた時に、反撃の狼煙が上がった、かに見えた。
エルボー合戦に入っていく2人。だが、鈴木みのる選手の“職人芸”というレベルまで研ぎ澄まされたエルボーの前にコーナーから動けなくなってしまった。
野人の躍動
中西学選手の「永田!永田!」という声に動かされるように、飯塚高史選手へ得意のエクスプロイダーを見舞う永田裕志選手。そして、パワーが有り余る中西学選手の出番が来た。
チョップを乱れ撃ち、コーナーでのラリアートを連発。飯塚高史選手にダメージを蓄積させていく。
鈴木みのる選手を場外に突き落とすと「ホー!」から野人ダンスへと突入した。
吉野真治アナウンサーであれば「“霊長類最強、最後のゴリラ”が平成最期のタッグリーグで活躍という名の餌を探し続けている」といっただろうか。
三度ラリアートを繰り出すと片エビ固めへ。これはカウント2。
「上げるぞ!!!」
中西ランド・ザ・ムービー ~大江戸プロレスラー計画~ [DVD]
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2014/07/18
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (1件) を見る
必殺のアルゼンチンバックブリーカーを高らかに宣言。したのだが、野人の手は“怨念坊主”の口の中に吸い込まれた。だが、野人の勢いは止まらない。
続く鈴木みのる選手がロープに振ろうと試みるも、中西学選手を動かすことができない。
ヘビー級VSヘビー級でこんな芸当ができるのは“野人”ただ1人だ。更には永田裕志選手との連携プレーで『鈴木軍』のボスを追い詰めていく。アルゼンチンバックブリーカーが鈴木みのる選手に決まった!だが、その裏で噛みつかれている永田裕志選手。
飯塚高史選手が救出に来たところ、鈴木みのる選手を振り下ろす“野人”。ここで佐藤健太レフリーも巻き添いを受けてしまった。
アイアンフィンガー強し
レフリー不在のまま進行する試合。再びアルゼンチンバックブリーカーを決める中西学選手に大きな歓声が巻き起こる。
だが、これをするりと逃れた鈴木みのる選手はスリーパーの体制へ。そして、アイアンフィンガーフロムヘルを装着した飯塚高史選手が地獄突きを放った。更には永田裕志選手にも一閃。
その後ろでは鈴木みのる選手がゴッチ式パイルドライバーを見舞い試合は決着へと向かった。
試合後、中西学選手へ踏み付け攻撃を行った後、リングを去るプロレス王。
何故か、一瞬立ち止まり、1人の“ヤングライオン”を見ていたのは気のせいだったのだろうか。
この日、あるヤングライオンが久しぶりセコンドに入っていたという報告がTwitterで確認できた。
まだ、セコンドについただけ。会社からも発表は行われていない。僕は、正式発表が行われた時に彼のことはしっかりと書きたいと思う。
鈴木軍と第3世代と若い獅子。歴史の体現者とこれからの時代で活躍すべき獅子。それぞれの思いが交錯する『ワールドタッグリーグ2018』はまだまだ続く。
【週刊プロレス】が月額380円(税抜)で楽しめる!【楽天マガジンはこちらから】