棚橋弘至選手とオカダ・カズチカ選手の“友情タッグ”再来。この日の主役は誰だったのか

棚橋弘至選手とオカダ・カズチカ選手の“友情タッグ”再来。この日の主役は誰だったのだろうか。

改めて考えた時に“友だち”というキーワードが出た瞬間からあの2人が脳裏によぎっていたのは事実だ。

そして、この日“元祖・友情タッグ”が躍動した。

新日本プロレス史に残る一夜となった棚橋弘至選手とオカダ・カズチカ選手のドリームタッグ。

『G1クライマックス28』ではハングマン・ペイジ選手とYOSHI-HASHI選手を誘い“逸材ボンバーズ”の結成を匂わせるなど、リング上でも様々な話題を振りまいてきた新日本プロレスのエース。

『IWGPヘビー級王座』前人未到のV12を記録後に、“可愛い後輩”ジェイ・ホワイト選手、長年寄り添ったマネージャー外道選手に離反されるなど、栄光の前半戦と辛酸を舐める後半戦を歩んだレイン・メーカー。

北風と太陽ならぬ、“金の雨と太陽”が揃い踏みした聖地“後楽園ホール”。

僕は『新日本プロレスワールド』での観戦となったが、立ち見席もギッシリ詰まった完全に札止めと言った客入りだ。

第1試合からいつも以上の大歓声が巻き起こっているのは、メインイベントを待ちきれない気持ちが溢れた結果なのだろうか。

 

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全試合がベストバウト級

満員御礼の後楽園ホールで全選手が躍動した。

チャッキー・T選手の不穏な動き、天山広吉選手のムーンサルト、飯塚高史選手の魔性のスリーパー復活劇。

映画では爆音上映が流行っているが、今回の興行は爆音興行だと感じさせるほどの歓声が巻き起こり続けた。

『ワールドタッグリーグ2018』に参戦している選手たちはこう思っていたのではないか。

「公式戦でもない前哨戦に食われてたまるか」

そう。ドリームタッグは圧倒的な注目度を誇るが、あくまでも今シリーズの主役は俺たちなのだ、と。

運命の入場はレイン・メーカーから

ここまでの余韻が残る中、まずはジェイ・ホワイト選手が入場。松葉杖をついた石森太二選手、新コスチュームのバットラック・ファレさんが続く。

レインメーカーが鳴り響き、オカダ・カズチカ選手が新Tシャツにバルーンを持ち姿を現した。

GO ACEが響き渡ると、棚橋弘至選手、KUSHIDA選手の入場を待たずにバチバチのぶつかり合いがスタート。2人が救出に入る展開でメインイベントはスタートした。

運命のタッチ

呼吸を止めて待ち続けるも中々、オカダ・カズチカ選手のローンバトルが続く。

ジェイ・ホワイト選手に場外でダメージを与えられると、石森太二選手、バットラック・ファレ選手にダメージを与えられ続ける。

3対1では流石のオカダ・カズチカ選手でも分が悪い。そう感じ始めた瞬間にオカダ・カズチカ選手から棚橋弘至選手へのタッチが実現した。

「待ってました」とばかりに躍動するエース。後楽園ホールからも大棚橋コールが巻き起こる。

この日、棚橋弘至選手は赤のメッシュを入れてきた。

EVIL選手が髙橋ヒロム選手の欠場以降、赤のメッシュを入れているように、オカダ・カズチカ選手との友だちタッグを見た目からも体現したのだ。

ジュニアの至宝対決

注目は棚橋弘至選手とオカダ・カズチカ選手だが、忘れてはならないのがKUSHIDA選手と石森太二選手だろう。

イッテンヨン『レッスルキングダム』で激突する両雄も熱気に包まれる会場に呼応するようにボルテージが上がっていく。

2人の対決に割って入ったのが怪物バットラック・ファレ選手だ。

だが、息が合いはじめたドリームタッグは流れを渡さない。

技の数を減らし続けてきたオカダ・カズチカ選手のドラゴンスクリューが炸裂。

外道選手の暗躍にも完全対応するなど、3人としての強さが見え始めた。だが、タイチ選手が「今、一番危険な技」を語ったブレード・ランナーを受けたKUSHIDA選手が石森太二選手にフォールを取られ、ドリームタッグの初戦は黒星という結果に終わった。

 

まだまだドリームタッグははじまったばかり

12分43秒。ドリームタッグの試合は早すぎる幕切れに終わった。

ワクワクしすぎた心は正直、「もう終わり!?」と思ってしまうほどだった。

この日、外道選手がマイクに参加しなかった。そして、会場からは大ブーイング。「帰れコール」しか聞こえない状況に。終わってみれば、純度120%のヒールレスラー・ジェイ・ホワイト選手が全てをかっさらう展開となった。

だが、この前哨戦はまだまだ続く。太陽と金の雨の融合。

対角線で火花を飛ばし続けてきたKUSHIDA選手とラッキー・ロメロ選手の共闘。

2018年の新日本プロレスはまだまだ終わらない。

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2018年11月29日の後楽園ホール

観戦後の余韻に包まれる中、改めて今回の興行を振り返ってみたいと思う。少々長くなるが、お付き合いいただければ光栄だ。

第1試合から次世代のスター候補たちが筋肉に挑む。パワーで勝ち目がないのであればと関節技に持ち込む展開には、胸を踊らされた。

まだ勝ち星のない2人。ヤングライオンの殻を破り、これまで出していない技を繰り出す海野翔太選手に期待したい。

第2試合では往年のアマレスタッグに青い目のヤングライオンだった2人が立ち向かい勝利を掴んだ。

時折日本語で雄叫びを挙げる姿に大きく会場は湧いた。

美しいムーンサルト

第3試合ではテンコジがKESに勝利。最強ガイジンタッグチームに連勝を飾る姿を誰が想像しただろうか。

また、前述した通り天山広吉選手のムーンサルト炸裂はこれまでのファンが総立ちになるほどのインパクトがあった。優勝へ最後の切り札テンコジドライバーを隠し持っているだけに、まだまだ目が離せない。

感動に包まれ後楽園ホールに不穏な空気を残したのが第4試合だろう。チャッキー・T選手が完全にキレてしまった。

温厚なベストフレンズから一転、ラフファイトに身を投じる姿に思わず『CHAOS』のスパイという言葉が浮かぶ。以前にもチャッキー・T選手はバレッタ選手を相手に流血試合を展開していたが、今回の一件がどんな結果に繋がっていくのか。ますます、目が離せなかなってきた。

※獣神・サンダーライガー選手が『CHAOS』の裏切り者が分かったと言った試合にチャッキー・T選手は出場していただけに、かなり不安である。

第5試合は『バレットクラブ』VS『ジ・エリート』という元々仲間だった4人の一戦。

この試合、勝利を掴んだGODは確かに凄かった。だが、それ以上に僕の胸を打ったのは高橋裕二郎選手だ。

普段はチームのサポートに徹し、クールな試合が増えた高橋裕二郎選手。だが、その真の魅力は気迫溢れるファイトにある。

以前、怪我したことで本領を発揮するのが難しくなったと吟味されることを解説席にで語っていたが、まだまだファンの心は高橋裕二郎選手を待っているのだ。

 

魔性のスリーパー復活

そして、第6試合。鈴木軍対決である。序盤は鈴木みのる選手とザック・セイバーJr.選手のレスリングが繰り広げられ、中盤以降は場外乱闘や噛みつきという展開へ。

そして、この日1番の大歓声が巻き起こった。

1723人が集まった後楽園ホールで3446の瞳に映ったのは飯塚高史選手の魔性のスリーパーだった。

結果はタイチ選手とザック・セイバーJr.選手の勝利。

鈴木みのる選手と飯塚高史選手のタッグチームは同ユニットに連敗する結果となってしまった。

そして、セミファイナルでは石井智宏選手&矢野通選手とEVIL選手&SANADA選手が激突。

この試合は『ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン』としては絶対負けられない勝負だった。単独首位に躍り出る最大のチャンスであり、『ワールドタッグリーグ2018』を盛り上げると公言している以上、メインイベントを超える試合をしなければならないのだ。

『CHAOS』の最強タッグを徹底的に研究。曲者の矢野通選手を常に分断させ、石井智宏選手に集中攻撃を浴びせる試合展開となった。

あの2人が勝負に徹するとやはり強い。貫禄勝ちという言葉が浮かぶほどの試合を魅せた。

以上が、メインイベントまでの振り返りだ。最後にこの日の真の主役について書きたい。

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プロレスに友情はある

棚橋弘至選手とオカダ・カズチカ選手、メインイベントを締めたジェイ・ホワイト選手。多くの注目を集めた試合だけに、全員が主役という見方もある。

ただ、僕の胸に浮かんだのはやはり元祖・友情タッグである天山広吉選手と飯塚高史選手だった。

かなり久しぶりにムーンサルトを繰り出した天山広吉選手。

意識が復活したのか?と錯覚させるほど華麗な魔性のスリーパーを繰り出した飯塚高史選手。

現在とは異なり極悪非道を極めたヒールユニット『GBH』から追放された天山広吉選手を救出した飯塚高史選手によって生まれた友情タッグ。

だが、このタッグチームは裏取引によりあっという間に解散に至ってしまった。

これは2008年の出来事である。10年越しに再び巻き起こった“友情”についての話題。

時を超えてこの日の後楽園ホールで真の主役になるべく躍動したのは、あの日別れた2人だったのかもしれない。

「友情なんてねぇんだ!」

仲違いした2人に割って入ったのが小島聡選手。もしも、棚橋弘至選手とオカダ・カズチカ選手が仲違いを起こした時、救出に入る選手は誰なのだろうか。

ひょっとすると、現在欠場中でありリバビリに精を出しているオカダ・カズチカ選手の正パートナーなのかもしれない。

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