タイチのイッテンヨン。内藤哲也のセコンドに付く可能性
新日本プロレスが贈るその年一番のビックイベント イッテンヨン『レッスルキングダム』。13回目となる今回の対戦カードが全て出揃った。
未発表だった第0試合『NEVER無差別級6人タッグ王座』ナンバーワン・コンデンダー・ガントレットマッチの出場チームがいよいよ発表されたのだ。
エントリーとなったのは以下の選手たちである。
新日本本隊とCHAOSの越境タッグチーム。真壁刀義選手&矢野通選手&田口隆祐選手。
本隊の“ガイジン”レスラーチーム。マイケル・エルガン選手&ジェフ・コブ選手&デビッド・フィンレー選手。
不穏な空気漂うベストフレンズと次のステージへと向かう荒武者。後藤洋央紀選手&バレッタ選手&チャッキーT選手。
『ジ・エリート』からの刺客。ハングマン・ペイジ選手&高橋裕二郎選手&マーティー・スカル選手。
そして、『鈴木軍』の最恐チーム。鈴木みのる選手&ランス・アーチャー選手&デイビーボーイ・スミスJr.選手。
この発表を見たときに声を失った。2018年、新日本プロレスを大きく盛り上げ、光の速さで支持率を高めたあのレスラーの名前がないためた。
そして、僕はこう思った。
タイチ選手のイッテンヨンは、内藤哲也選手のセコンドに付く可能性があると。
次の1年に向けてタイチ選手の一歩踏み出す勇気に注目が集まる。
2018年のタイチ選手
新日本プロレスの旗揚げ記念日興行が行われた2018年3月。タイチ選手はヘビー級レスラーとしての旗揚げを行った。
それまで新日本プロレスでのタイチ選手は、小ズルいというキャラクターを強みに立ち位置を確立していた。
ノアでは『GHCジュニアヘビー級王座』を4度防衛。のらりくらり戦法からのバチバチの戦い振りはこれまでにも多くのファンを魅了してきた。
2017年に新日本プロレスへ凱旋し『IWGPジュニアタッグ王座』に輝くなど、存在感を発揮していたが、いち『鈴木軍』のヒールレスラーという枠に収まっていたように思う。
だが、タカタイチマニアで内藤哲也選手とシングルマッチをして以降は、圧倒的な支持を得るスターダムへと登り詰めた印象がある。
『ニュージャパンカップ』初出場、『NEVER無差別級ベルト』戴冠。
ブーイングと歓声を同時に浴びるレスラーは新日本プロレスで彼だけである。2018年の新日本プロレス真のダークホースはタイチ選手だったのかもしれない。
出場しない理由がない選手
タイチ選手がここまで注目を集めたのは試合の面白さにあると思っている。
リング外を練り歩いたかと思いきや、重たい蹴りを連発する。
全日本プロレス出身だからという理由だけではないと思うが、受けが非常に上手い。
「効かなねぇなあ(ニヤニヤ)」
まるで漫画のキャラクターのような表現をそのままに、重たい攻撃を一発だけ返す。
打たれ強さという意味で比類ない存在である石井智宏選手ですら、一撃でダウン。攻撃力と受け、表現力。その全てに魅了される。
内藤哲也選手が『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』の優勝候補で常にタイチ選手を推していたのも納得である。
メキシコCMLLでメインイベンターを務め、ヘビー級転向後に多くの可能性を示したタイチ選手。
だからこそ思う。敢えて言おう。
新日本プロレスは『G1クライマックス』に続き、2度目の大誤審をしてしまったのかもしれない、と。
最後の言葉はエールだった
タイチ選手の2018年を締めくくるバックステージコメントは当日の試合結果についてでも、一年を振り返ったものでも東京ドームに対する意気込みでもなく、内藤哲也選手へ向けたものになった。
(バックステージのテレビでクリス・ジェリコが暴れるリング上の様子を見ながら)なんかやってるぞ? 内藤、やられてるんじゃねえのか、あれ? ダブルメインイベントだってな、東京ドーム。応援してるよ、内藤。がんばれよ
そして、NEVER無差別級6人タッグ王座』ナンバーワン・コンデンダー・ガントレットマッチでの不選出が決まりTwitterで自身の思いの丈を語った。
G1に続き
— タイチ (@taichi0319) December 17, 2018
ドームの第0試合ですらか
あの時俺を外して色々とどうなったか
相変わらず学ばねぇな
何をどうしても
俺をアレしたいみたいだな
そうかよ
ならば
力こそが正義
お前ら会社が依怙贔屓にしてるヤツら
どうなっても知らねぇぞ
ここで考えられる可能性はいくつかある。まずは『鈴木軍』メンバーが出場する試合への介入行為だ。だが、これではあまりにもインパクトが薄い。これまでのタイチ選手と同じ行動に留まってしまう気がするのだ。
だからこそ、こう予想する。
当日、世界で最も注目を集めるであろうWメインイベントの第一試合に姿を現すのではないか、と。
『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』内藤哲也選手は「一歩踏み出す勇気」を提案した人物。クリス・ジェリコ選手は、タイチ選手のルーツである川田利明さんとタッグチーム「フットルース」を組んでいたサムソン冬木さんの愛弟子。
この試合、内藤哲也選手のセコンドとしてタイチ選手が登場する。他ユニットの選手がセコンドに付くのは前代未聞でもあり、最も注目を集めるチャンスになるとも言える。
おそらく、2019年のイッテンヨンダブルメインイベント第2試合でも柴田勝頼選手や飯伏幸太選手がセコンドにつく可能性は十分に考えられる。
オカダ・カズチカ選手VSジェイ・ホワイト選手のスペシャルシングルマッチもそう。当然、外道選手は姿を現すだろうし、負傷欠場中のあの男が帰ってくる可能性も高い。
であれば、タイチ選手もこの波に乗って話題を独占してしまえばいいのだ。結果、どちらが勝利しても因縁を付ければいい。
『NEVER無差別級』が違うステージへと向かった今、タイチ選手が目指すのは白のベルト。『IWGPインターコンチネンタルベルト』だ。