田口隆祐監督と矢野通、真壁刀義の化学反応。2つの展開に期待大

新日本プロレス史上でも稀に見る激震が走った。

2019年のイッテンヨン『バンドリ! ガールズバンドパーティ! presents WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム』は、出場するだけでも過酷過ぎるサバイバルレースとなったのだ。

毎年恒例となっていた『ニュージャパンランボー』は廃止。『NEVER無差別級6人タッグ王座』の時期挑戦権を得る『ナンバーワン・コンデンダー・ガントレットマッチ』に『鈴木軍』ボス・鈴木みのる選手や前・『NEVER無差別級王者』後藤洋央紀選手、矢野通選手がエントリーする形となった。

昨年や年内の興行を見ていれば、第0試合は豪華なメンバーが勢揃いした戦いになることが分かる。

各ユニットを代表するレスラーたちの多くが出場するため、第0試合の時点で多くの観客が来場を果たすことだろう。

そして、先日新日本プロレスから第0試合に出場するメンバーの発表が行われた。例年の『ニュージャパンランボー』では、誰が出てくるのかも分からないドキドキ感があったが、その点も必要ないという判断になったのだろう。

僕はの目を最も大きく引いたのはこの3名の組み合わせである。

真壁刀義選手&矢野通選手&田口隆祐選手。

大方の予想では田口隆祐選手ではなく、本間朋晃選手が加わることで、GBHの復活が予想されていたが、新日本プロレスは全く新しい組み合わせを見せてきた。

田口監督は“暴走キングコング”と“敏腕プロデューサー”とどんな新戦術を魅せるのだろうか。

田口隆祐監督と矢野通選手、真壁刀義選手はどんな化学反応を起こすのか。僕は2つの展開に期待したい。

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生え抜きトリオ

3人は新日本プロレスの生え抜き、野毛道場出身という共通点を持っている。

それぞれ真壁刀義選手が1996年、矢野通選手、田口隆祐選手が2002年に新日本プロレスへ入団。

矢野通選手はその貫禄から真壁刀義選手の少し下くらいのイメージがあるが、学年では田口隆祐選手の一つ上にあたる。※ちなみに棚橋弘至選手の2歳年下である。

矢野通選手と田口隆祐選手は同じ時期に寮に居たという点では古い付き合いではあるのだが、長州力さんの特命を受けた一時期を除き、常にヒールレスラーとして新日本本隊とは敵対関係にあったため、交流はほぼないものだと思う。

G.B.H解散から10年

G・B・H(Great Bash Heel)のトップに君臨していた天山広吉選手を追放し、リーダーに君臨した真壁刀義選手は現在とは異なる極悪非道なファイトで新日本マットを席巻していった。そのNO.2として試合を支配していたのが矢野通選手である。

金髪、ラフファイト、強面。

現在の矢野通選手は唯一無二の存在として、その地位を確立したが当時は完全なるヒール。今、当時の試合を見直してみると、一つの感情が浮かび上がってくる。

単純に怖い。いや、ガチで怖いのだ。

今でこそ、「うるさいよ!バカヤロー!」と“敏腕プロデューサー”としての手腕とDVDで人気を博しているが、当時の極悪非道な矢野通選手は異彩を放っていた。

そんな矢野通選手が真壁刀義選手に反旗を翻したのは、2009年のことだ。2019年のイッテンヨンで10年の歳月が流れたことになる。

中邑真輔選手と真壁刀義選手のシングルマッチに矢野通選手が介入した。真壁刀義選手の椅子を取り上げ、「俺がやる」と言った表情した刹那、真壁刀義選手に矛先が向いていた。

予期せぬ攻撃に意識が飛んだ真壁刀義選手を中邑真輔選手のランドスライドが襲う。

この瞬間、新日本プロレス歴代最長ユニット『CHAOS』が誕生した。

2018年12月、真壁刀義選手は「わだかまりがあるに決まってんだろ!このヤロォ」と語った。

だが、矢野通選手はどこ吹く風と何事もなかったかのように、飄々とした態度を崩さない。

この10年、お互いのキャラクターも変化した。

2人のプロレスを見て、『鈴木軍』や『バレットクラブ』をも上回る極悪非道なイメージは既にない。

たがらこそ思う。

2019年、これまでタッグ戦線のタイトルマッチに絡んでいた2人が第0試合ではファンも当然納得していない。

イッテンヨンの幕開け、新年の幕開けから度肝を抜いて欲しい、と。

田口監督は敏腕プロデューサーを納得させるのか? 

タグチジャパンの監督として、A代表を選出し、サッカー、野球、ラグビーとオマージュするスポーツを変化させてきた田口隆祐選手。今回選出されたメンバーは前代未聞、自身以上のプロデュース力とレスリングテクニックを持つ先輩である。

これまでも小島聡選手や棚橋弘至選手、真壁刀義選手など先輩を従えてのタグチジャパンタイトルマッチはあった。

だが、矢野通選手は寮長時代に「誰よりも怖い」と新人から恐れられていた人物である。当時の関係からサインを簡単に出せるのか?という点が気になる。

また、2つの可能性で想像を膨らましてみると、なお面白い展開が待ち受けている。

 

【1】一夜限りの金夜叉復活。G.B.H降臨

矢野通選手と真壁刀義選手は2007年に東京スポーツプロレス大賞 最優秀タッグチーム賞を受賞しているほどの名タッグチームだった。

新日本プロレスの歴史においても数少ない。両者ともに新日本プロレス所属という意味であれば、2000年のテンコジ、2001年の邪道外道以外で唯一受賞したタッグチームなのである。

2017年の『NEVER無差別級王座決定戦』以来なりを潜めている金髪での登場があれば、なんでもありのラフファイトを実行する狼煙にもなる。

ベビーフェイスの印象が強い真壁刀義選手もこの日ばかりはラフファイトを繰り出す。おろおろとする田口隆祐選手。そんな景色も楽しみである。

【2】タグチジャパンとして入場

タグチジャパンのTシャツを着て矢野通選手が入場。これも歴史的な快挙という意味で面白い。以前から田口隆祐選手はタグチジャパンについて所属ユニットの枠を超えた存在を目指すと公言していた。

事実、SANADA選手には度々オファーを出していたし、ハリウッドJURINA選手も名を連ねている。

別ユニットから初のタグチジャパンメンバー入り。これもこれで見ごたえがある。

また、矢野通選手が素直に監督の指示に従うとは思えない。サイン無視。むしろサインを出す。サインを盗む。ついでにコーナーマットも盗む。矢野通選手だけに、これくらい朝飯前だろう。

これまでになかったニュー・タグチジャパンの誕生だ。

 

革命前夜

2017年1月5日にタグチジャパンは始動した。※ネーミングは少し後になる。

新日本本隊の中にある別ユニットは『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』と抗争を繰り広げ、全国の会場を沸かせた。

ちなみに初代メンバーは、田口隆祐選手、棚橋弘至選手、中西学選手である。

『中西ランド』で本人たちが謎だと語っていたほとである。ファンが戸惑うのもしょうがない。

ただし、ここからタグチジャパン旋風が吹き荒れたのは事実だ。

そして、今回のカードでも同様に「何で田口感監督なの!?」という疑問が最初に浮かんだに違いない。僕もその1人である。

ニュータグチジャパンかG.B.Hの復刻か。優勝候補の最右翼として、この3人の登場を楽しみにしたい。

きっと想像を超える何かを魅せてくれるはずだ。そして、2019年に発売されるDVDに真壁刀義選手と田口隆祐選手が出演することも楽しみにしたい。

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