新日本プロレスの流行り具合を改めて分析してみた
新日本プロレス初となるMSG「G1 SUPERCARD」は大成功で幕を閉じた。
つかの間の休息を挟み、ここからは「レスリンングどんたく」そして、「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」の開幕が目前に迫っている。
最近、新日本プロレスがじわじわと広がりを見せているなと思うエピソードがある。
例えば電車の中で「新日本プロレスワールド」を視聴している方がいたり、興行がない日でも街でグッズを身につけている人がいたり。
新日本プロレス所属レスラーのテレビの露出も増えた。棚橋弘至選手や真壁刀義選手を筆頭に永田裕志選手や中西学選手、獣神サンダー・ライガー選手など、数多くの所属選手がテレビ露出を続けている。
「鈴木軍」タイチ選手、金丸義信選手、エル・デスペラード選手もYouTubeの人気チャンネル【SUSHI BOYS】に出演。「CHAOS」矢野通選手がプロデュースした北野エースコラボカレーも飛ぶ鳥を落とす勢いで売れていることを目の当たりにした。
また、僕は以前働いていた会社では、「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」のTシャツに身を包んだエンジニアが取材を受けていた。僕ならファミレスに取材場所を移していたと思いつつ、微笑ましい気持ちなることができた。
人は心理的に興味のあるものにしか見ない(映っていると見るの違い)と言われているが、僕が好きになった2017年頃と比較しても明らかに広がりを見せているなと実感している。
ここからは新日本プロレスワールドの変化やグーグルトレンドの状況を踏まえつつ、今後の宣伝施策について考えてみたい。
細かく変化するWeb戦略
以前、新日本プロレスの公式スマホサイトが細かくチューニングされていることに触れた。
その後も特設サイトへの導線が追加されたり、開催スケジュール項目がカスタマイズされたりなど、細かな改修が続いている。
新日本プロレスワールドもそう。清野アナウンサーを招きMSGに向けた特別番組を作るなど、コンテンツの拡充にも力を注いでいることが分かる。
あぁいった番組は大歓迎だ。たくさん作って、軌道修正しながらコンテンツやサービスを磨いていく。非常に素晴らしい取り組みだと思う?僕からの改善点は2つ。まずは新日本プロレスワールドの検索画面について。検索ボタンをタップした後に表示されるタグからケニー・オメガ選手とクリス・ジェリコ選手の名前が消えた。
しばらく参戦予定のない選手を削除するのは当然だが、並び方がメチャクチャだ。
イッテンヨン「レッスルキングダム」の配置をそのまま入れ替えているため、非常に違和感のある並びになっている。
現在、「IWGPヘビー級王座」はオカダ・カズチカ選手である。新日本プロレスの象徴ともいえるベルトを持った王者が先頭に来ないのは明らかに違和感がある。この点、ディレクターがきっちりクォリティチェックをすべきだと僕は思う。僕ならこの並びでリリースはしない。
次に月間シックス・ナイン。新キャラクターを登場させる流れになっているが、あまり必要性を感じない。これは、別撮りのため流れが切れている印象を受けたためだ。
であれば、毎回プロレス界以外からゲストを呼んで、田口隆祐選手と対談形式にした方が新規ファンの取り込みにもつながるように思う。
ただし、挑戦としては素晴らしい。相羽あいなさんのキャスティングもいいセンスだ。
本人登場の方が面白いと思うので、この点はしばらくしてから見直してみてもいいのではないかと思った。
過去5年間の検索推移
ふと気になったので、改めて新日本プロレスの検索推移を調べてみた。検索対象は国内に絞っている。
最後に調べたのは半年前。久しぶりに開いてみると、あの頃以上に検索数自体が増えていることが分かる。
上記したように各選手のプロモーションやファンがファンを呼ぶ口コミで総数が向上しているように思う。
他団体の投資
現在、プロレスリング・ノアのWeb戦略が顕著だ。
新しい船出を始めた日から常にアドネットワークで広告出稿しているし、YouTubeでのLive配信もスタートさせた。
僕のブログを見ている方の目に入ったことも多いかもしれない。
シンプルに繰り返し、繰り返し刷り込むということは、宣伝施策の定番であり有用な一手である。
僕のブログを見ている方の9割がプロレスファンだと考えれば、コアターゲットにリーチできていることになるのだ。
一方で新日本プロレスはどうか。2019年のイッテンヨン「レッスルキングダム」で「新日本プロレスワールド」の広告出稿を行なっていた。
また、MSG「G1 SUPERCARD」の直前にもバナー広告を出稿していた。
新日本プロレスは心得ている。新日本プロレスへの興味関心が高まったタイミングで広告予算を投下しているのである。
プロレスリング・ノアはこれから日本2位を目指すと宣言したばかり。ここから伸ばすことを考えれば、常に発信し続けることが大切なのだ。
最後に、新日本プロレスのWeb戦略で重要な一手を提案して本稿を締めくくりたい。
髙橋ヒロム選手など20代の人気選手に「Tik Tok」をはじめることを推奨することだ。
ここで大切なのは「Tik Tok」がいいという話ではない。現在、若者にリーチするために莫大な広告予算は必要ない。
各SNSを巧みに使いこなせば十分なインプレッションは稼げるのだ。
これからプロレスファンになる可能性を秘めた若者に対して、マルチなチャネルで面を取っていく。
そうしたマーケティングにも期待したいと思う。