日菜太は新日本プロレスの東京ドーム大会へ参戦するのか

日菜太は新日本プロレスの東京ドーム大会へ参戦するのか

うーん。個人的にこういったニュースを取り扱うのか迷うところだが、一応書き残しておこう。

正直、「日菜太選手は一体何を言ってるんだろう?」といった感じである。

キックはキックの素晴らしい流儀がある。プロレスにはプロレスの世界観がある。

その線を跨ぐということは、多くのリスクを取らなければならないと思うわけだ。

そもそも世界の中から選ばれた一握りのレスラーのみが立つことが許された“聖域”がイッテンヨン「レッスルキングダム」である。

新日本プロレスにとって何に一度の東京ドームはあまりにも重要な要素を秘めているのである。

一年間紡いできた物語の終着点。

オカダ・カズチカ選手や棚橋弘至選手。内藤哲也選手、ジェイ・ホワイト選手、鈴木みのる選手ら各ユニットのリーダーがそれぞれの試合順で雌雄を決する日。

また、新日本プロレスの象徴である「IWGP」と「NEVER」それぞれのベルトの威信を懸けたタイトルマッチが繰り広げれるエックスデーだ。

ここ数年は「ニュージャパンランボー」と題し、普段新日本プロレスに参戦していないプロレスラーも含めたバトルロワイヤルが展開されていた。

だが、2019年からは更にイッテンヨン「レッスルキングダム」は狭き門となり、ニュージャパンランボーは廃止。「NEVER無差別6人タッグ」の挑戦者決定戦となった。

新日本プロレスに継続参戦しているレスラーですら立つことが許されない年に一度のお祭り。

そんな神聖な場所に立ちたいとは流石にネタだろうが、中々ユニークな冗談を言う方だと思った。

敢えて言っておこう。筋が通っていない物言いは、民衆を味方につけることはできない。

もし実現したとしても、最悪のケースだってありえることを念頭に置かなければならないと思う。

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予想と想像。

プロレス村という言葉がある。プロレスファンは閉鎖的な中でプロレスを楽しんでいるという昔ながらの比喩表現にあたる。

今回、日菜太選手の発言で引っかかる言葉が2人あったので、ピックアップしておきたい。

キックボクシングとプロレスはそもそも競技が違う。既に新日本プロレスファンからも否定的な反応を示されているが「めちゃめちゃブーイングされて入場したいです。(カードは)ガチガチのキックボクシングでもいいし、プロレスラーとやりたいです。第3の新しい道を見せられたら」と口にした。大のプロレス好きで、いつか東京ドームで試合をしたいという格闘家としての希望もあった。

認識のズレを2点指摘しておこう。

おそらく大きなブーイングは起こらない。そして、彼が語る第3の道はもう新日本プロレスが通過し、二度と同じ過ちを繰り返さないと誓っているはずの道である。

ブーイングが起こらない点から補足すると、日菜太選手は新日本プロレスにとって外敵でもなければ、憎むべき相手でもないためだ。

ヒールでも、悪役でも悪でもない。キックボクシングを広げるために新日本プロレスの東京ドームを活用したい方である。

 

キックボクシングファンは応援するだろう。心と暖かいプロレスファンも応援するだろう。

ただし、自分の推しレスラーがイッテンヨン「レッスルキングダム」に出場できなかった場合、SNS等で集中砲火を食らうのは日菜太選手だ。

「あなたの試合が無ければ立てたのに」

そう思われる可能性が限りなく高い。

現在の新日本プロレスにおいてはプロレスファン以上にプロレスラーファンの比重も多い。

日菜太選手もプロレスファンだと自負しているのであれば、その点は汲み取った発言をするべきだったように思う。

そして、プロレスは既に格闘技と別の道を歩んでいるため、おそらくもう交わることがない。

 

今のセルリアンブルー

新日本プロレスが格闘技路線を打ち出していた2000年代。この時期K-1、PRIDEの勢いは凄まじく、プロレスそのものの人気を根幹から揺るがすものだったと聞く。

この勢いに便乗してプロレスラーを売り込もうとしたのがアントニオ猪木さんである。

結果はご存知の通りだ。

プロレスと総合格闘技はそもそもルールが異なる競技である。そのため、長期にわたって特化した練習を積まなければ、対応することは難しいのだ。

棚橋弘至選手や中邑真輔選手、第三世代を中心にもう一度プロレスを再興させ、オカダ・カズチカ選手が起爆剤となり、今の新日本プロレスがある。

 

気持ちは分かる

あの頃の新日本プロレスと今の新日本プロレスは大きく状況が異なる。

優れたプロレスを魅せてお客様を満足させる。最高の試合とファンが喜ぶプロモーション。この2つをコツコツと続けてきたからこそ、今の人気があるのだ。

日菜太選手の言い分も分からなくはない。東京ドームに自分が参戦することで、キックボクシングに注目が集まる。

だからこそ、相手もこだわらないという姿勢を見せたのだろう。

そう、彼を誰も否定することはできない。自分が愛する競技を広めたいと思った結果の行動であるためだ。

ただし、新日本プロレスにとっての東京ドームはあまりにも意味が深い。

そして、獣神サンダー・ライガー選手の引退もある。プロレスファンはこの日を心から楽しむために世界中から足を運ぶのだ。

ここまで書いてふと思ったのが、東京ドームは難しいかもしれないが、イッテンサンはどうだろう。

大プロレス祭であればまだお祭り感もあるし、可能性はゼロだとは言い切れない。

プロレスファンに向けてプロレス愛を伝え、キックボクシングの魅力を伝える。

恥ずかしながら僕は今回の一件で日菜太選手のことを知った。

発した言葉一つで知名度を上げることができたのだ。

新日本プロレスの人気がここまで高まったと実感すると共に、応援するファンの熱量を再確認したエピソードだったように思う。

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