新日本プロレスファン伝えたい、神漫画「ランウェイで笑って」の魅力【ネタバレなし】
新日本プロレスファンが神漫画「ランウェイで笑って」の魅力を解説する【ネタバレなし】。
2019年10月27日新日本プロレスでは「スーパージュニアタッグリーグ2019」後楽園ホール大会で“ロッポンギ3K”VS“メガコーチズ”のメインイベントが実現。技巧派のベテラン2人が、最も勢いのある若手を料理するというサプライズが巻き起こった。
SHO選手のショックアローを丸め込みで切り返し3カウント。ロッキー・ロメロ選手が1,680人(満員)の後楽園ホールの度肝を抜いた。
そんな2019年の秋。僕は一冊の漫画に心を奪われた。
講談社の少年マガジンが贈る少年漫画「ランウェイで笑って」である。
オフィスにあった単行本の一巻を読んでから一気にKindle版で最新刊である12巻まで買い揃えてしまった。それほどまでのパワーがこの漫画にはあった。いや、オーラといった方がいいのかもしれない。
「ランウェイで笑って」の特徴を一言で言うのであれば、“とにかく泣ける”になる。
成功(定義にもよるが)すると可能性が限りなく低い世界で努力する登場人物たち。その生き様は心を刺激し、胸をいっぱいにするのだ。
プロレスとは泣きながら見るものである。そんな価値観に共感出来る方は、必ず「ランウェイで笑って」に興味を持っていただけるはずだ。
夢を諦めない
「ランウェイで笑って」主人公である藤戸千雪の夢は「パリ・コレクション」のモデルである。
ただし、その身長は高校3年時点で、日本人女性の平均である158センチ。身長の高さが前提条件にあるショーモデルの世界では致命的な欠点(夢を叶える上で)を抱えたまま夢を見続けているのだ。
そして、もう1人の主人公である都村育人は家庭環境の影響で夢であるファッションデザイナー」を諦めていた。
夢はあるが、不利すぎる状況。それでも子どもの頃からの夢や憧れ、好きだったものから離れることができない。
何故ならば、それが自分のアイデンティティであるためだ。
プロレスラーを見ていると時折思うことがある。この人たちは一体どんな気持ちで戦い続けているのだろう、と。
年間の試合数は100を超える。身体を鍛え、身体をぶつけ合う。
ただプロレスが好きという世界を超えたところねプロレスラーは戦い続けている。
「夢を抱いた。だから、そんな自分になりたい」では済まされない世界が「ランウェイで笑って」でも描かれることになる。作品が進み、舞台を変える度に現実的な課題が次々と降りかかってくる。
キャラクターたちは追い詰められるも、それぞれのカタチで答えを出し、ゆっくりと前に進んでいく。
その生き様がまるで世界観や舞台は全く違えど僕が思うプロレスラーに共通するものがあったのだ。
諦めない心。無理だと言われても上を向ける強さ。今の「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」“制御不能なカリスマ”内藤哲也選手が明らかな逆境に立ちながらも偉業を目指しているように。
ウィル・オスプレイ選手があんなに仲のいい家族と離れ、日本に引っ越ししたことのように。
そして、コンディションの良さが圧倒的な才能だと思われていたオカダ・カズチカ選手が膝に爆弾を抱えていたように。
そんな生き様を見せつけられたら感情的になってしまう。その物語に僕は酔いしれてしまうのだ。
改めて「ランウェイで笑って」のアニメ盤あらすじはこちらだ。
身長158cmの藤戸千雪の夢は、
パリコレモデル。
モデルとして致命的な低身長を理由に、
周囲は「諦めろ」と言うが、
それでも折れない。
そんなとき、家族を養うために
ファッションデザイナーの夢を諦めようとする
都村育人に出会う。
――これは一途に夢を追って走り続ける、
2人の物語。
無理という言葉の残酷さ
作品の冒頭で都村育人勇気を振り絞って「高卒でもデザイナーになれると思うか?」と藤戸千雪に質問する。
そこで藤戸千雪は何気なく自分の中の常識から「無理」だと言い放ってしまうシーンがある。
何気ないシーンだが、本来「無理」というセリフは彼女が最も口にしてはならないものなのだ。
だって、明らかに「常識では身長が足りていない」158センチの自分が「パリ・コレクション」に出ると豪語しているのだから。
他人に「無理」だと言うのは簡単。ただ、本気で夢を追っている、追おうとしている人に対してその言葉がどれだけ冷酷なのか。そして、自分はなぜ何度も「無理」と言われたのに「パリ・コレクション」の夢を諦めないのか。
作品冒頭の、1シーンなのだが、ここは非常に刺さる箇所であり、作品を象徴するシーンである。
諦めない。
オカダ・カズチカ選手も柴田勝頼選手との試合を通じて、「諦めない」という言葉を発した。
「どんな技を食らっても立ち上がるのがプロレスラー。諦めないのがプロレスラーです」と。
人は誰がが諦めずに進んでいる生き様を見て共感し、感動するのかもしれない。
ひょっとすると例え、それが叶う叶わないの問題でもなく、努力した軌跡自体に価値があるのかもしれない。
どう生きるか。ここに大切なものがたくさん詰まっている。
とにかく泣ける。その凄さ
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「ランウェイで笑って」の中でベタなお涙頂戴展開はほぼない。
逆境と人のつながり。そこで立ち上がるの主人公や登場人物たち。
それぞれが恵まれた才能を持ちつつ、その中で葛藤している。
夢に対して、絶望なまでに必要なものが足りていない。
大切な人たちのことを思うと夢を目指せる状況じゃない。
圧倒的な才能を持ちながらも、違う世界を夢見てしまった。
超えたい、必ず恩返ししたい人のために理想の自分を追求する。
大切な人の夢を叶えるために動き続ける。
一つひとつのシーンに意味があり、後ほど回収される。
それぞれの夢が交錯し、影響しあうことで化学反応が生まれ、予期せぬ結果を招く。
「ランウェイで笑って」は必ず自宅で読まなければならない漫画である。
何故ならば、場所に関係なく泣いてしまうから。プロレス好きであれば必ず好きになってくれるはずだ。
最後に。「ランウェイで笑って」第一話のタイトルは「これは君の物語」。
あなたの物語はどんな物語か。ぜひ、聞かせて欲しい。
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