BUSHIの狙いは鷹木信悟のリベンジと髙橋ヒロムへの宣戦布告なのか

BUSHI選手の狙いは鷹木信悟のリベンジと髙橋ヒロムへの宣戦布告だったのか。

まさに青天の霹靂だった。「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」“キング・オブ・ダークネス”EVIL選手が左足首負傷のため、今シリーズを全戦欠場するという。

更なる深淵を目指して突き進んだ結果、ぶつかり合った石井智宏選手との激闘。ジンクスから何から全部ひっくり返し、己と新日本プロレスの歴史を塗り替えるべく挑んだ飯伏幸太選手との試合。

この2試合を経たEVIL選手を襲った突然のアクシデントをキッカケに新しい物語が動き出した。

代打で今シリーズにエントリーしたBUSHI選手が「IWGPジュニアヘビー級王者」ウィル・オスプレイ選手に挑戦を表明したのだ。

このコメントを見た時、率直に思ったのが「え?」だった。2019年はBUSHI選手にとって険しいシーズンとなったのは事実としてある。

「スーパージュニアタッグリーグ2019」鷹木信悟選手がヘビー級に転向したことで、パートナーが不在という展開になった。

“制御不能なカリスマ”内藤哲也選手はウルトラCで本家「ロス・インゴベルナブレス」からメンバー(ルーシュ選手)を招集するという離れ業を出したが、事情が事情なのかそういった新しい発展もなく、単純にパートナー不在のため欠場という形になってしまった。なぜ、このタイミングでBUSHI選手はウィル・オスプレイ選手への挑戦を口にしたのか。その真意を考えてみる。

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棚橋弘至の言葉

棚橋弘至選手は凱旋企画を果たしたばかりのオカダ・カズチカ選手に対して「実績がない」と一刀両断に切る言葉を発した。

今回のBUSHI選手もそう。ウィル・オスプレイ選手への挑戦表明でワクワクしたというよりも、突然の言葉にビックリしたという印象がある。

2019年秋。新日本プロレスのジュニアメンバーがタッグの頂上を目指す中でこの言葉が飛び出した。

BUSHI「俺はこの『SUPER Jr. TAG LEAGUE』、そしてIWGPジュニアタッグのベルトだけを意識してるわけじゃないんだよ。ウィル・オスプレイ、IWGPジュニアのベルトを懸けて、俺と闘えよ。いい返事、待ってるよ」

様々なレスラーがキチンと段階を踏んで挑戦を口にする中で、あまりにも急な発言である。

BUSHI選手が目指している先には何があるのだろうか。と、考えてみたものの棚橋弘至選手の「プロレスラーが順番待ちとかお行儀のいいこと言っててもしょうがない」という言葉「思い出すと、少し腹落ちした。

BUSHI選手には成し遂げたことがあるのだ。

 

KUSHIDA

2019年。BUSHI選手はライバルとして目の敵にしていたレスラーを失った。

ジュニアのエースKUSHIDA選手が新日本プロレスを退団したのである。壮行試合の相手に指名されたのは棚橋弘至選手だった。

今思えば、BUSHI選手が最も輝いていた時は、KUSHIDA選手の対角線に立っている時だったように思う。

サポートに回るのではなく、熱く本気のプロレスを魅せる。お洒落なレスラーがお洒落を捨てた時に出る魅力があったはずだ。

もしも、ウィル・オスプレイ選手との対決が実現するのであれば、そういった熱を魅せる試合に期待したい。

 

BUSHIの狙いは何か

ウィル・オスプレイ選手は鷹木信悟選手を「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア26」の決勝で下している。この勝利は新日本プロレスに移籍を果たしてから一度もピンフォール負けわ喫していなかった歴史にピリオドを打つことになった。

元タッグパートナーとして鷹木信悟選手の借りを返したい。これが最初の狙い。

次の狙いはウィル・オスプレイ選手を破った後に、チャレンジャーを指名すること。僕はBUSHI選手の挑戦表明は遠巻きに髙橋ヒロム選手への宣戦布告に繋がっているのだと思う。

「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」のメンバーは切磋琢磨する。競争し合う関係にあると内藤哲也選手は何度も口にしてきた。

内藤哲也選手は鷹木信悟選手と。EVIL選手はSANADA選手と。それぞれぶつかり合うことで、新しい魅力を発揮してきた。

BUSHI選手のみが現状維持という状況。この状況を打破し、圧倒的な話題性を生むためには、髙橋ヒロム選手復帰戦の相手を自分が務めるしかない。

BUSHI選手の狙いは鷹木信悟選手のリベンジと髙橋ヒロム選手への宣戦布告だったのかもしれない。

BUSHI選手による個人闘争が幕を開けた。

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