KENTAとタイチ。それぞれの挑発スタイルが面白い
KENTAとタイチ。それぞれの挑発スタイルが面白い。
今、新日本プロレスのリングを引っ掻き回しているレスラーの名前を挙げよ？
この質問をされた場合、最初に浮かぶのは2人のレスラーではないだろうか。
まずは、「バレットクラブ」のKENTA選手。そして、「鈴木軍」“愛を捨てた聖帝”タイチ選手だろう。
KENTA選手は現在、石井智宏選手をTOMOと呼び、煽りまくっている。
続いてタイチ選手は「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」“制御不能なカリスマ”内藤哲也選手を相手に散々煽り散らしている。
まずは、タイチ選手から。タイチ選手の内藤哲也選手の状況を一言で現せば、徹底的な挑発と沈黙になる。これは以前の内藤哲也選手と鈴木みのる選手の前哨戦に近いものがあると言えるだろう。
「あなたの言葉を聞かせてくださいよ」と内藤哲也選手は何度も何度も鈴木みのる選手を挑発してきた。
一方で言葉なんぞ無意味だ。と沈黙を貫く鈴木みのる選手。2人は平行線の道を進み、スペシャルジングルマッチへと進んでいった。
ただし、今回のタイチ選手が絡んでいる内藤哲也選手は“制御不能”になって以降にはじめて見るリアクションも多い。
挑発の攻めと受け。この対比にも注目しつつ、4人（＋1人）の流れを振り返ってみよう。
「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」の今
タイチ選手から徹底的に煽られている内藤哲也選手だが、後楽園ホールで口を開くまでノーコメントを貫いていた。
言葉を選ばずに言えば前シリーズで「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」は全敗という記録を作ってしまっている。
内藤哲也選手はジェイ・ホワイト選手に敗れ、「IWGPインターコンチネンタル王者」から失脚。鷹木信悟選手は後藤洋央紀選手のスペシャルジングルマッチに敗北。
EVIL選手は飯伏幸太選手との「東京ドーム挑戦権利証争奪戦」で散り、SANADA選手はライバルであるオカダ・カズチカ選手に再び敗れた。
今シリーズに入ってみると、「美味しい獲物」を見つけた鈴木みのる選手が鷹木信悟選手を標的に上げ、タイチ選手が内藤哲也選手に挑発行為を繰り返してきた。
一方で、EVIL選手が負傷したことにより、代打でBUSHI選手がシリーズに参加することになった。
今の新日本プロレスで「ロス・インゴブレナブレス・デ・ハポン」は、ウィル・オスプレイ選手に挑戦表明をしたBUSHI選手を除き、全員が受け身である。
そして、言葉では攻める時も受ける時も「トランキーロ。焦るなよ」と言っていた内藤哲也選手は影を潜めたままだ。
聖帝の挑発
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タイチ選手のバックステージは相変わらずウイットに富んだ言葉が連発されている。
内藤哲也選手らが新規のファンを多く獲得したのと反対に、タイチ選手は古くからのファンを自分の味方に付けるような発言を敢えて発している気すらしてくる。
例えば、二冠王ブームが流れている新日本プロレスに三冠の話題を持ち出したことだ。
ただの三冠ヘビー級の話ではない。ジャンボ鶴田さんが大田区で三冠統一したことを引き合いに出し、己もその道を歩むと宣言した。
全日本プロレス出身。“ラーメン屋のオヤジの技”や“三冠パワーボム”を繰り出すタイチ選手ならではの言葉には、確かな深みがある。
タイチ「（※記者にマイクスタンドのマイクが取れたところを示す）壊れちまったよ。まぁいい。マイクの首の一つ二つくれてやるよ。マイクの首の一つ二つ、なんぼでも、元に戻るんだよ。だけど、オマエはもう元に戻れねぇぞ。そうなった以上。分かってるよな。やるんだよな。それ相当の覚悟があってやるんだよな。俺が、二冠の偉業達成のための踏み台だ!? 俺はインターコンチ巻いたことねぇよ。だけどそれでも、俺を踏み台だって言うんだろ？ それ相当の価値が俺にあるって、オマエにも分かってるよな。そりゃそうだ。俺なんかに負けたままで二冠王者になれるわけないからな。身をもって分かったろう。アレ、今までの俺と違うなって、テメェでも気付いただろう。それだよ、それ。それがねぇからテメェは口ばっかなんだよ、いつも。あの時みたいに、初対面の時みたいに、今日も来てたぞ。そんな内藤に勝たねぇと俺もねぇからな。これで、正々堂々と、本気のオマエを潰せるよ。両国で言った通り、オマエが言ったこと、全部俺が代わりにやってやるよ。静かに眠れ。あとは俺に任せとけ。二冠？ （※指を３本立てて）三冠だ。（※指を折りながら）ドーム、ドーム、大田区。ジャンボ鶴田も、大田区で三冠統一したんだよ。同じ場所で俺もやってやるよ」
#TOMO
「やっぱりこうなるよな」僕は昨日Twitterのタイムラインを眺めていて改めて思った。
今シリーズKENTA選手はバックステージで凄みを発揮している。リング外の人々を大きく動かしているのだ。
#TOMO
僕のタイムラインは石井智宏選手の写真で埋め尽くされていた。
カッコいいTOMO。強いTOMO。そして、可愛いTOMO。
石井智宏選手が徹底的に露出されているのである。
そして、次の試合でおそらくTOMOの団扇を持ったファンの姿が散見されるだろう。
そこにら「指差して」、「ウインクして」と書いてあるに違いない。
タイチ選手が本人を揺さぶる挑発であるならは、KENTA選手は本人よりも周囲を巻き込んだ形で前哨戦の熱と唸りを作り続けている。そして、YOSHI-HASHI選手はとばっちりを受け続けている。
いよいよ運命の大阪大会も迫ってきた。残り数試合でKENTA選手とタイチ選手はどんな挑発を繰り返すのか。
2019年の秋。2人のヒールを見逃すわけにはいかない。
KENTA「TOMOヲタがさぁ、いよいよウチワに『TOMO』って書いたヤツ持ち始めたでしょ？ アレ、ビックリした！ 今日も70～80人はいたべ、アレ。ビックリした！ そういうとこあるからな、新日本のファンは。やめろよ！ ウチワに『TOMO』って書いて、それを振って応援するようなことはやめろよ？ な？ あと、『#TOMO』で自分のお気に入りのTOMOの写真をツイッターに上げてトレンドを騒がせようなんて思うなよ、オマエら。絶対、それはやめろよ！ な、分かった？ 結局何が言いたかったかっていうと……『YOSHI-HASHIはブス』って言うと本気でキレる人がいてビックリしたってこと！ （※立ち去りながら）ブスはブス！」
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