さようならのレインメーカーとブラックライガー

さようならのレインメーカーとブラックライガー。2019年の新日本プロレスを締め括る一撃は黒い獣神への別れとなる惜別の意味が込められていたように思う。

新日本プロレスジュニアを長年牽引し、国内外で爆発的な人気と実績を持つ“世界の獣神”こと獣神サンダー・ライガー選手の後楽園ホール最終戦が開催された。

超満員札止め。チケットは完全に完売。スケジュールが合えば2F席をと思っていたのだが、完全に甘かった。※新日本プロレスはこの日の動員数を一夜開けても発表していない。まぁ、発表がなければ事実は分からない。盛り上がったというのがその答えだと思って間違いはないだろう。

昨年は棚橋弘至選手がイデオロギー戦争を仕掛け、最後の最後で恋人たちに雪が降り注いだ2018年から一年。

今年は獣神サンダー・ライガー選手。そして、“餞別”となるレインメーカーをぶちかましたオカダ・カズチカ選手のために雪が雪が降り注いだ。

この日の興行を持って2019年の新日本プロレスは幕を閉じた。

思えば全王者が敗れるという前代未聞なイッテンヨンからはじまり、さらに凄みをました「ファンカスティカマニア」、オカダ・カズチカ選手の優勝に終わった「ニュージャパンカップ」、フルハウスで大成功を納めた「MSG大会」。

「ベスト・オブ・スーパージュニア」と「G1クライマックス」。そして、「スーパージュニアタッグリーグ」と「ワールドタッグリーグ」。

終わってみれば呆気ないほどに早く感じる。沢山のスターが生まれた一年。今年も一年新日本プロレスが応援できてよかったなぁとこころから思う次第だ。

獣神サンダー・ライガー選手は獣神ライガーとして東京ドームで生まれた(正確には永井豪宅)。そんな彼が残す試合は故郷・東京ドームでの2連戦だ。

プロレスの聖地・後楽園ホールでの試合は2019年12月21日が最後となる。

鈴木みのる選手との戦いで鬼神ライガー、バトルライガーの姿を魅せていたが、一つ残されたコスチュームがあった。

獣神サンダー・ライガー選手が着用したのはブラックライガーのコスチューム。最後の最後に仕掛けを入れてきた。

ブラックライガーだ。

 

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アルティメットフォーム

真壁刀義選手でも「正直分からない」と語ったブラックライガーの意味。これをレスラーでもなければ、プロレスマスコミとして彼のことを取材したこともない僕がその真意について語るのは無粋というものだ。

なので、あくまでも僕目線で感じたことを書きたい。

僕はこう捉えている。新日本プロレス=オカダ・カズチカへ最後の挑戦をする。そのためのコスチュームだったのではないか、と。

2004年。ブラックニュージャパン、C.T.Uとして、新日本プロレスに挑戦した獣神サンダー・ライガー選手。

改めてその出立は「仮面ライダークウガ」のアルティメットフォームにも似ているよう。

「凄まじき戦士」が新日本プロレスの後楽園ホールにやってきた。

 

VSオカダ・カズチカ

掌底、雪崩式バレンバスター、ライガーボム。そして、レインメーカー式掌底、レインメーカー破りとなる張り手。

獣神サンダー・ライガー選手は明らかにオカダ・カズチカ選手を倒すための準備をしてきたように思う。

この日、BUSHI選手がザック・セイバー Jr.に勝つという超ド級の番狂わせも起こっていた(ニュージャパンカップ優勝者であり、現プリティッシュ・ヘビー級ベルト保持者)だけに、何かが起きる予感はあったのかもしれない。

オカダ・カズチカ選手に勝つ。獣神サンダー・ライガー選手が直接ピンフォールを取る。

昨日、黄金の虎から受け取った涙すら背負って新日本プロレスの象徴に挑んだ獣神サンダー・ライガーの姿はあまりにも気高く、力強かった。

 

ライガー「(※肩を借りてインタビュースペースに着くとベンチに横たわって)あー、クソ……あー、クソ……(※しばらく息を整えて)飯伏にすまないことしたなぁ。棚橋も。あー、チキショウ! みんなで盛り上げてくれてるのに、俺が足引っ張る結果になって。レインメーカーは確かに効いたけど、隙間ができる分、切り返せるんだよね。それ狙ってたんだ。オカダ・カズチカは強かったな。(※体を起こして)これが引退する人間と、現役チャンピオンの差だよ。それだけだ!」

 

試合後、3つ言わせてください

オカダ・カズチカ選手は試合後のマイクでライガーと同じく四方に礼をした。

2019年の新日本プロレスを応援してくれたファンへ新日本プロレスの頂点を歩む「IWGP王者」からのメッセージに獣神サンダー・ライガー選手が継続してきた姿勢が加わる形となった。

「自分を新日本プロレスに入れてくれた」とオカダ・カズチカ選手はその胸中を語った。中学校を卒業して、闘龍門へと入門を果たし、メキシコへと渡った彼はウルティモ・ドラゴン校長に見出される形でセルリアンブルーのリングへとたどり着いた。

その時、獣神サンダー・ライガー選手からの口添えがあったのかもしれない。恩返しという意味でツームストンパイルドライバーは旋回式で決めた。普段、前哨戦ではあまり使うことのない、オカダ・カズチカ選手の奥の手の一つだとも言える技。獣神サンダー・ライガー選手にレインメーカーをぶち込ん向けてためには、あれを使うしかない。チャンピオンを追い込んだから出たのか。それとも違うのか。答えは2人だけが分かればいい。

いよいよ新日本プロレスは東京ドームへと向かっていく。そして、NJPWFUNも年末特別企画へと進んでいく。

明日からも一つ、お付き合いいただければと思う。

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