『ユニオーネ』タイチとミラノの感動ヒストリー

『ユニオーネ』タイチとミラノの感動ヒストリーについて書きたい。

「オリジナル NJPW Together 2020年5月30日 Tele Pro-Wrestling ユニオーネSP」が新日本プロレスの動画サービス「新日本プロレスワールド」にて配信された。

ユニオーネ。

最近、新日本プロレスにハマった方でもこのタッグチーム名について耳にしたことはあるだろう。

現「鈴木軍」“愛を捨てた聖帝”タイチ選手が解説でお馴染みミラノコレクションA.T.さんと組んでいたチームである。

今から10年前に解散したチームの特集が組まれるのはかなりレアなことであり、業界内外から多くの支持を得ていた結果だろう。

『ユニオーネ』に関しては、過去の試合が新日本プロレスワールドで配信されていない。

きっと数試合は配信されるだろうとワクワクしつつ、爆笑の準備をしていた。が、番組終盤。2人の本音が出るとなぜだが涙が止まらなくなった。

2人共に決して直接的に表現はしないが、「あぁ、本当はもっと『ユニオーネ』として活動したかったのだな」と。

10年たった今でも語り継がれる新日本プロレスで生まれた最高のタッグチーム『ユニオーネ』。今回は、配信を見た感想を書いていきたいと思う。

まずは、ミラノコレクションA.T.選手についてからだ。

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闘龍門が産んだ最高傑作

1000のジャベ。手足が長い独特の体型。饒舌なマイク。そして、圧倒的な華。

ミラノコレクションA.T.選手はこんなにいいレスラーだったのかと面をくらった。

約10年以上前の試合でも全く色あせることがない。むしろ、今の新日本プロレスになぜこのレスラーがいないのかと嘆くレベルだった。

派手で華のある外見に対して、試合運びは玄人向けそのもの。

イタリアン・ストレッチに代表される複合関節技を軸にした試合運びをベースにキメるところはオリジナルの技でド派手に行く。

SANADA選手やDOUKI選手らが技を引き継いでいることからも同業者からも熱視線を浴びていることが分かる。

解説で愛されるミラノさんは最高のレスラーでもあったのだと改めて感じた。

 

大事な相方を...

『ユニオーネSP』はとにかく笑えるバラエティ色のある時間になるのだと思っていたが、後半になると少々雰囲気が変わってきた。

直接対決やApollo55との歴戦が終わると、ミラノコレクションA.T.“選手”のクライマックスへと向かっていく。

目の怪我は2005年の出来事であり、蓄積されたダメージが“たまたま”邪道外道の一戦で爆発してしまったこと。

“当時”のタイチ選手がミラノコレクションA.T.さんを大切に思っていたこと。

その全てが涙腺を刺激してくる。

タ イチ「オイ、邪道、外道、お前ら2人の力では、もうJr.タッグのレベルはねぇってことを気づいてっから、こうやって俺の大事な大事な相方を、そんなきた ねぇマネまでして潰しにかかってんだろ? オメェらが自信がねぇから、こういうことやってんだろ? 正々堂々とやればいいじゃねぇかよ。それじゃ勝てねぇから、こうやってやってんだろ。俺の大事な大事な相方、こんなことしやがって。ホント、タダじゃ済ま んからな。お前ら、明日から腹くくっとけよ。俺らは本気だぞ。温厚な俺だけどよ、こりゃ許さんぞ」

こりゃ許さんぞ。この言葉の意味はここから数年続く物語となる。

タイチ選手がミラノコレクションA.T.さんと叶えられなかった夢を別のパートナーと実現した時、その防衛戦には常に邪道外道がいた。

そして、一人称が僕から俺に変化していることも分かる。

ミラノコレクションA.T.さんとの日々が今のタイチ選手を作る礎になっているのは間違いない。

だって、当時のミラノコレクションA.T.さんのコメントを見てみると、かなり口が悪かったから。

 

大切なものを引き継ぐ

ミラノコレクションA.T.さんが引退した日、透明犬ミケーレを持ったタイチ選手が囲み取材に乱入してきた。

(ここでタイチがミケーレを持って会見に登場)……何してんの!?」

タイチ「いや、忘れてきたのかと思って……」

ミラノ「何やってんの? 置いてきたんだよ、リングの上に! 何、持ってきてるんだよ! 引退するんだよ」

タイチ「……じゃあ、預かっとく(笑)」

ミラノコレクションA.T.さんから透明犬ミケーレを預かり、飯塚貴史さんの「アイアンフィンガーフロムヘル」を引き継いだ男は番組終盤にこう口を開いた。

「2人でジュニアタッグは取っておいてもよかったかなって思うよ」

これが本音なのだ。組んでいた時間は約2年。“ロッポンギ3K”が既に3年経とうとしていふことを考えれば、かなり短い時間での活動だったことが分かる。

派手なビジュアルと華。関節技を主体にしつつ、ユニークな合体技で魅せる。

2020年に見ても素晴らしいタッグチームだったのだなと心から思う。

とりあえず...このユニオーネTシャツ(令和2年Ver)が発売されたら即購入したいと思う。

アナウンサーの村田晴夫さんを含め実況席で戯れている3人の姿をまた見たいと思う。

解説席でも分かるようにミラノコレクションA.T.さんはクレバーなタイプだ。必要以上にのリスクは取らない。

だから万が一を考えて、現役復帰もしなければタイチ選手から提案された引退試合ですら断固たる意志で拒否する。

僕もそれがいいと思う。リングの外からでもプロレスは続けているわけだし。でも、医者が許可を出すのであれば、何をしてでもその試合は見に行く覚悟だ。

「タイチ式ヴィクトリア・ミラネーゼ」

白のコスチュームを着たタイチ選手がこの技で「IWGP」に手が届いた時、きっと多くのファンは泣いてしまうだろう。

大切なパートナーであり、お師さん。“愛を捨てた聖帝”の物語はまだまだ続くのだ。

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