なぜ、金丸義信&エル・デスペラードはこうも強いのか?

なぜ、金丸義信&エル・デスペラードはこうも強いのか?

結論から書くと、経験とここ(頭)とここ(腕)が違うという話しなのだが、もう少し踏み込んで考えてみたい。

“ロッポンギ3K”が王座を返上したことですたーとした「62代IWGPジュニアタッグ王座決定リーグ戦」は、直接対決の結果により金丸義信選手&エル・デスペラード選手組が1位通過を果たした。

宮城・仙台サンプラザホール大会のメインイベントで激突した高橋ヒロム選手&BUSHI選手が2位通過。9月11日の後楽園ホール大会で勝利したチームが62代の王者となる。

高橋ヒロム選手による「IWGPタッグベルト」初戴冠の瞬間が訪れるのか。

それとも“ロッポンギ3K”と同時期から台頭した鈴木軍の最強ジュニアタッグチームが2年半振りの奪還に成功するのか。

運命の日が迫りつつある。さて、本題に入っていこう。

新日本プロレスは今回の王座決定リーグ選手で明らかに一つのチームをプッシュしてきた。

高橋ヒロム選手&BUSHI選手は全試合メインイベント。

現在の「IWGPジュニアヘビー級王者」である石森太二選手ですらメインイベントは一度きりなので、“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”には破格の扱いが行われた。

ただ、終わってみれば2位。繰り返しになるが、開幕戦で田口隆祐選手に翻弄された鈴木軍チームが1位通過を果たした。

彼の強さとは何か。今日はこの点について考えてみたい。

「G1クライマックス」の話題は後楽園ホール大会が終わってから。これがマナーってもんだろう。内藤哲也選手もいつも言ってるだろう。「今をじっくり楽しんでくださいよ」と。

 

f:id:yukikawano5963:20200910071911p:plain

合体技あったっけ...?

タッグマッチの華と言えば合体技だろう。田口隆祐選手。マスター・ワト選手のチームは試合を進める度に連携が高まっていった。

高橋ヒロム選手&BUSHI選手については明らかに2人での練習を積んでいることが分かる。とにかく合体技(LATなど)のバリエーションが豊富になった。

鷹木信悟選手と組んだBUSHI選手がベルトを戴冠したことがよほど悔しかったのだろう。

と、ここで改めて考えると金丸義信選手&エル・デスペラード選手のタッグチームには合体技がない...気がする。

そもそもタッグチームにおける合体技とは華だ。シングルでは絶対に見ることができないド派手な一撃は試合を決定付けるものであり、一発逆転すら決して珍しいものではない。

基本合体技はオーバーキルなものが大半である。ただ、“ゴールデン☆エース”こと棚橋弘至選手&飯伏幸太選手の時にも書いたが、合体攻撃がつなぎ技になっている場合、隙が生まれる可能性もある(デンジャラス・テッカーズはユニオーネの竜巻以外フィニッシャーとして位置づけられている)。

ただ、金丸義信選手&エル・デスペラード選手組は派手さを捨てることで、確実に相手チームを追い詰めることに特化している。

実はスポーツドリンク以外、露骨な反則行為もなかったりする。汚いよりも上手い。スラムダンクの山王工業で後半から出場した松本選手のように「こいつ...うめぇ...」という試合運びがウリなのだ。

最近プロレスを好きになった友人から「合体技とかいいの?」と聞かれた時、案外回答に困ったりする。レフリーが止めてないからええんやで...。くらいのものだ。そんな疑問を抱かせない辺りも2人の魅力なのだろう。

エル・デスペラード選手がナックルパートを使うのも今考えれば皮肉めいていてニクい。本来ベビーフェイスが起死回生で使う技(反則技)を敢えて使うヒールっぷりがとにかくニクい。

負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じ抜くこと。だめになりそうな時 それが一番大事(大事MANブラザーズバンド)。

 

相性が抜群過ぎる2人。まるでジャズだ。

今の新日本プロレスで最も上手いレスラーは誰だ?と訊かれたら、僕は金丸義信選手だと答えるだろう。

相手を分断したり、詰めたり、ピンチの時に介入するタイミングが完璧すぎる。また、受け身に関しては世界で見てもトップクラスに入ると僕は思っている。

本来であれば前に出て、ガンガン輝く実力を持っている金丸義信選手が一歩引いた位置からリズムを作り、ならず者が自由に即興でソロパートを演奏する。

これが2人の強さなのだ。そうだ。2人の試合はジャズなのだ。

その場の流れをつかみ取り、お互いがお互いの得意なところを出す。パート練習なんて必要ない。その場で思いついたまま動けば相手が合わせてくれる。

最近、お前のプロレス...どんどん青くなってきたな(ブルージャイアントの続きが早く読みたい)。

BLUE GIANT SUPREME(10) (ビッグコミックススペシャル)

BLUE GIANT SUPREME(10) (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者:石塚真一
  • 発売日: 2020/02/28
  • メディア: Kindle版
 

2人のどちらが引っ張るというものも無い。お互いがタイミングでリードするだけ。そう考えていくと、この2人が1位通過したのも納得という気がしてきた。

※ただし、鷹木信悟選手は1人の力でなぎ倒すことに成功している。これがザ・ドラゴンの恐ろしさだ...。

僕の優勝予想は金丸義信選手&エル・デスペラード選手。2年半振りのベルト戴冠に期待している。

 

地元に帰ったセーラーボーイズ

最後に余談だが、昨日のバックステージで久しぶりに石森太二選手があの口調を披露していた。

まさか普段の標準語は喋りにくいのか...?と錯覚するほどに軽快なトーク内容である。

石森「これで決定戦進出はこのメイン次第だな。それはじっくり見させてもらうよ。(急に仙台弁になって)それよりよ、タグヂ(田口)! タグヂ(田口)! なんだ、あのビッチャビチャなタオルは? ああ? 気持ぢ悪いしよ~。食らってみろ? 凄え痛えのに、客に全然伝わんねえべ、お~い! でも、こうして地元で試合できんのはうれしいべ。俺はヒロムの肩をぶっ壊すわ~りい人だけどもよ、こたろうと仙台来た日には優しいから、そのへんわかってけろ。また、次、けえってくる時、楽しみにしてるッペ」

出典:新日本プロレス公式

こちらこそ楽しみにしてるッペ!防衛戦も楽しみにしてるッペ!

→【ランキング参加中】人気プロレスブログはここからチェック!【クリックで応援お願いします】

→NJPW FUNのTwitterフォローはこちら