グレート-O-カーンが生まれた理由があまりにも素敵過ぎて言葉にできない。
グレート-O-カーンが生まれた理由があまりにも素敵過ぎて言葉にできない。
でも、今の感情だけは書き残しておきたい。そう思って筆を取った。
2021年の東京ドーム大会で新日本プロレスのエース棚橋弘至選手に敗れたグレート-O-カーン選手がその胸中をTwitterで投稿した。
いやね。あんまりこういうこと書くのはアレなんですけど、泣いてるんですよ、僕。今、この瞬間。
分かっていた。分かっちゃいたけど、グレート-O-カーン選手って、やっぱり棚橋弘至選手のことを心から尊敬してたんだなと。
“グレート-O-カーン”は棚橋弘至と戦うために生まれたのではないか。
過去の名前を捨てて、全てを捨てて、自分が太陽だと憧れた男にはなれないと思い、“月”になることを選んだ。
そんな1人の男の物語に朝っぱらから感動してしまった。
普段は ムカつく なんだが
— グレート-O-カーン👑 (@Great_O_Khan) 2021年1月4日
今回は 悔しい
プロレスなんて好きじゃねぇから
尊敬できる奴もいねぇ
だけど
超えたかった ずっと思ってた
悔しいな
近くにいたからこそ太陽になれねぇって思った
月になりたかった
なぁ出来が悪い不肖だったか?
認められたか?
もう答えを聞けねぇのが残念だ
悔しいよ
出来が悪い不肖だったか?
僕は本人が捨てたと言う以上、過去のグレート-O-カーン選手の姿について触れたくはない。
なので、昔新日本プロレスのヤングライオンにこんなレスラーがいたという話をしたい。
そのレスラーはとにかく強いが派手さに欠けていた。
同期にマッスルモンスターのような男がいたり、柴田勝頼選手以来の高卒ヤングライオンがいたり。少し下の世代を見ればイケメンばかり。
格闘技やレスリングでの実績であれば誰にも負けないはず。ただ、強さだけがプロレスラーの魅力ではないことを皆が知っている。
それだけに彼はどうなるのだろう?とぼんやりと考えていた。
ただ、彼は見えないところでの活躍がすごかった。
彼がセコンドを仕切っていた当時の新日本プロレスはとにかく(会場が)平和だった。
自分はファンに嫌われてでもいいから、みんなが満足できる大会にしたい。そんな気持ちでセコンド業務に向き合っていたのだ。
注意すれば嫌な顔をされる。でも、誰かが嫌われ役を演じなければいけない。
さらにはメインイベンターが登場すれば、写真撮影の邪魔にならないよう大きな身体をサッと低くする。
決して目立たず、誰もがやりたくないことにも取り組んできたことは、新日本プロレスファンであれば皆が知っている。
だから誰が彼のことを「出来が悪い不肖」などと言うものか。
棚橋弘至選手は今のグレート-O-カーン選手に何も言えない。
自分なんかがこんなところで何を言っても響く訳がない。
でも、言いたい。伝えたい。僕が新日本プロレスを応援し始めてから最高のヤングライオンは○○○という今はもうどこにも居ない漢だ、と。
ヤングライオン杯で優勝していないし、壮行試合すらなかった。
そんな彼が今や新日本プロレスの東京ドーム大会で話題を掻っ攫っている。その「今」に膝をついて、心からの拍手を送りたい。
別に酔ってねぇよ
— グレート-O-カーン👑 (@Great_O_Khan) 2021年1月4日
まだあの時の記憶が脳に残ってただけだ
名と一緒に捨てたはずなんだがな
これから何度でも言う
余が新日本に君臨している
それで新日本を稼がせて上納金をたっぷりと奪う
月の役割だ
なんの事か分からん愚民はいつも通り中身の無い文句を垂れ流してろ
自分へのケジメで言ってんだ
2019年の東京ドーム
新日本プロレスの分岐点は2019年の東京ドーム大会にあったと僕は思っている。
リング上で繰り広げられるアスリートプロレスは、観る者を魅了する一方で怪我という大きな問題に直面していた。
身体能力を武器にとにかく危険な技を乱発し、ファンへ刺激を与える。
プロレスにおけるヘビーフェイスやヒールという概念すらぶち壊し、一点攻撃というお作法すらも無視して、激しい試合でファンを獲得していく。
そんな動きに待ったを掛けたのが棚橋弘至選手だった。
彼は自分の全てを懸けて「棚橋プロレス」を世界中に発信した。
その結果、危険(過ぎる)技が減った今の新日本プロレスがある。
刺激という意味で言えば2017〜2018年の方が強い。ただ、それ以上に心で魅せるプロレスがトレンドになってきた。
ベビーフェイスとヒールの構図だって戻ってきた。
棚橋弘至選手の側にいた漢が、そんな未来を予見して2018年6月30日からグレート-O-カーン選手が誕生したのは決して偶然ではないのだと今は思う。
棚橋「残りのキャリアでベルトを狙うのはもちろんだけど、もう一回プロレスを盛り上げます。残りのキャリア全部使っても。それが今までプロレスで(涙声で)たくさん…たくさん応援してもらった俺の最後の…最後って言いたくないけど、俺の仕事だと思います」
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2021年1月4日
全文https://t.co/8uoYzf8BgD#njwk15 pic.twitter.com/Ov10iuF37N
棚橋弘至・最終章
グレート-O-カーン選手は棚橋弘至選手の最終章に現れた最後の月だ(大丈夫。ライガー最終章は結構長かった)。
彼との抗争が無ければ、今回棚橋弘至選手は東京ドームでスペシャルシングルマッチを戦うことはなかったはず。
かつて新日本プロレスのエースが照らした漢は、今や新日本プロレスに欠かすことのできない男になった。
この日負けたからこそ、勝った時のドラマが大きくなる。帝国の侵略はこれからはじまるのだ。
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