逆転の内藤哲也を“バリバリバリ”期待している

逆転の内藤哲也を“バリバリバリ”期待している。

2021年4月26日、新日本プロレスは今年3度目となる広島大会を開催した。

メインイベントを飾るのは広島カープが大好きという理由だけで広島を自身のホームだと宣言する内藤哲也選手とグレート-O-カーン選手の一戦だ。

とにかくこの試合がとんでもなかった。

まずはこの試合の勝者である“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”内藤哲也選手から。

ひっさしぶりにあんな内藤哲也選手を見たなと思うほどにイキイキとして輝きまくっていた

まず、肉体。ここ数年でここまで完璧なコンディション。一番近いのが一人ロス・インゴを始めたときくらいか。明らかに筋肉が隆起していて、キレていた。

続いて表情、仕草、戦いの進め方。グレート-O-カーン選手を心から楽しめる相手として認識しているのだろう。弁髪での遊び方(弁髪を首に巻き付けたのは流石に驚いた)や切り返し技が完璧。

グレート-O-カーン選手のグラウンドの誘いに対してもすかすことなく受けて立つなど、“先輩”としての懐の深さを見せつけた。

2021年、逆転の内藤哲也がはじまる音が聴こえる。そう感じさせる試合だった。

 

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あの頃のように

内藤哲也選手が一番キラキラしていたのは、一人ロス・インゴから“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”の結成初期だろう。これはどうしようもないが、単純に「駆け上がっているとき」が一番美しく見えるものだ。

それまで格上とされていたレスラーを次々と倒す様は多くのファンを痺れさせた。2億円プロジェクトを引っさげた完全無欠の王者ではなく、苦労人のピープルズチャンプ。

制御不能となった男はどんな相手でもおちょくり、プロレスをエンジョイし、これが本当に俺がやりたかったプロレスなんだ!という強い意志を感じさせていた。

今回のグレート-O-カーン選手との試合は“あの頃”の内藤哲也選手を彷彿とさせた。弁髪までをも利用したジャベ。完璧過ぎる受け。得意技もほとんど使用した。

それほどに内藤哲也選手とグレート-O-カーン選手は噛み合っていた。

内藤哲也選手が輝くトリガーがここにあったのだと改めて感じさせられた。そう、彼は下の世代の壁になり、ヒールな立ち位置で試合を進めることでバリバリバリ輝くのだ。

こんな試合を見せつけられたらもうしょうがない。“逆転の内藤哲也”とウィル・オスプレイ選手の試合が楽しみ過ぎてしょうがないのだ。

 

グレート-O-カーンの進化

そして、この日対角線に立っていた男も独自の光を放っていた。

凱旋帰国から早くも半年。いや、まだ半年。もう半年。いろんな考え方があるが、グレート-O-カーン選手は明らかに進化していた。

凱旋帰国当初のオカダ・カズチカ戦と今回の試合を見比べて欲しい。たった半年でこんなにも人は変わるのかと思わせるほどに躍動感、リズム感、なによりも強さが際立っていた。

試合序盤。内藤哲也選手をグラウンドへと誘った。アニマル浜口道場仕込みのグラウンド。内藤哲也選手にも確かな自信がある。2020年の新日本プロレスを牽引した二冠王に対して、一歩も引くことなく最後まで自分のペースを貫いていた。

恐らく年内にNEVE無差別級やKOPWでグレート-O-カーン選手の真価が発揮される時が来る。そんな期待が生まれた好勝負だった。

ただ、一点だけ。これはグレート-O-カーン選手ではないが、ミラノ・コレクションA.T.さんに思ったことがある。

メチャクチャ試合が盛り上がって、本当に内藤哲也選手を広島の地でマットに沈めるかもしれないと拳を握った試合終盤。重要な試合の局面で関係のない話題をダラダラと話すのは緊張感がなくなるのでやめて欲しい。これは本当に思った。緊迫感が薄れ、またこの話かよと集中力が切れかけた。

グレート-O-カーン選手は言葉はいらないと明言していたはずだ。心の底から獣神サンダー・ライガーさんに「この試合を見ながら何を話してるんだ」と一喝して欲しかった。

 

制御不能な男の言葉

試合後、バックステージにて内藤哲也選手は試合中と同じようにイキイキとコメントを残した。

内藤「帝国の支配者、という名前のUNITED EMPIREの広報さん。広報さん、俺は言っとくけど、広報さんをバカにしてないよ。あれだけ堂々と、リング上で広報活動をできる人は、なかなかいないよ。すごいと思うよ。それに彼は、レフェリーストップとはいえ、間違いなく俺に勝ってるからね。俺はギブアップしないよ。でも、俺は負けてるから。実力も間違いないでしょう。そして広報活動も間違いないでしょう。いや、すごい選手だと思いますよ。だからこそ俺は、TETSUYA NAITO de la Leversion、“逆転の内藤哲也”のきっかけに、彼を指名したんだ。

そのへんの誰でもよかったらそんなの、きっかけにならないからね。きっかけになり得る男だからこそ、きっかけにしたわけで、俺はUNITED EMPIREの広報さん、グレート-O-カーン、なかなかいいと思ってるよ。まあそんな相手、そんなオーカーン相手に今日、リング上でも言った通り、“逆転の内藤哲也”のきっかけを見せることができたんでね。前回ここ、俺のホームである広島で、ベルト統一阻止を大声で叫んだんだけどね。皆様に結局ウソをついてしまったことになってしまった。じゃあ今回、“逆転の内藤哲也”を宣言した、“逆転の内藤哲也”を実現させなかったら、またまたホーム広島のお客様にウソをついたことになってしまうからね。ここ広島で宣言したこと、しっかり守りますよ。今日の勝利を、“逆転の内藤哲也”のきっかけにしてみせるよ。今年の年末あたり、振り返った時、『ああ、あの広島のオーカーン戦が“逆転の内藤哲也”のきっかけだったね』って言ってもらえるように、ここから一気に、トップに突っ走ってみせますよ。その姿を皆様、トランキーロ、焦らずに、そしてバリッバリッバリ、楽しみにお待ちください。

おっと、次は明後日の鹿児島大会……オーカーンが言ってたよね、『内藤に負けたら辮髪を切って、ヒゲを剃り落として、ヤングライオンスタイルで試合してもいい』みたいなこと言ってたよね? ってことは明後日の鹿児島大会もしかしたら、辮髪を切って、ヒゲを剃ったグレート-O-カーンの姿を見れるかもしれないね。それを楽しみに鹿児島大会へ行きますよ。また明後日、会場でお会いしましょう。アディオス」

出典:新日本プロレス

グレート-O-カーン選手は鹿児島でどんな姿を魅せるのか。ますます新日本プロレスから目を離せない展開は続きそうだ。

週刊プロレス 2021年 05/05号 No.2119 [雑誌]

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