上村優也と「鈴木軍」は“前哨戦”か。それとも...
上村優也が「鈴木軍」に行く可能性を考えてみると正直ありだなと思った。
2021年6月。新日本プロレスは「映画『ゴジラvsコング』PresentsKIZUNA ROAD 2021」に突入しました。
パッと対戦カードを見た瞬間から目に飛び込んでくるのはヤングライオンのシングル5連戦。上村優也選手と辻陽太選手に運命の日が近づいてきているのがよく分かります。
この試合は「今」の勝った負けたではなく、「未来」の前哨戦です。数年後、この試合の映像が煽りVで使用されることは間違いありません。
この5連戦の意味。その重要さを明確にするため、新日本プロレスは開幕から2枚重要なカードを切ってきましたね。
上村優也選手には鈴木みのる選手。辻陽太選手には棚橋弘至選手です。
辻陽太選手は棚橋弘至選手との出会いがプロレスラーという生き方を決定付けたところがあります。
もしも海外遠征に旅立つなら欠かせない一戦ですし、これからのプロレスキャリアにとっても大切な試合となるのは間違いないです。
実際の試合も素晴らしかった。
改めて、自分の目指す先には棚橋弘至選手がいる。そんな決意を新たにした時間になったようです。
では、上村優也選手はどうか。既に期待値はヤングライオンを遥かに超えています。
柴田勝頼選手を含めて先輩からの評価も非常に高く、ここ数年で最高のヤングライオンと言っても過言ではありません。
そんな彼の五番勝負最初の相手を務めたのが、鈴木みのる選手でした。
ザック「アイツ(上村)のテクニックは凄いよ。でも俺を倒せるほどではないってことだ(中略)俺から一つ提案だ。ユーヤは俺の道場に来い。テッカーズの全てを叩き込んでやる。俺のテッカーズはオーガニックで、ヴィーガンで、大豆ででできてるんだ」
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2021年6月15日
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鈴木軍という輝き
「お前が今の道場で教わっていない、あるいは使いこなせていない(新日本)プロレスの技術を教えてやるよ」
鈴木みのる選手が右足で上村優也選手の左脹脛上部を押さえつける。
そんなに力を入れているようにも見えない。スッと踏んだ。それくらいのことにしか見えないのに、アドレナリンがドバドバ出ているはずの上村優也選手の顔が苦痛に歪む。
この後のリストの取り合いを見ても“最近の試合”ではあまり見ることのできない展開が続いた。
ゴッチ式パイルドライバーを出さずして試合は終了。上村優也選手の完敗だった。
この後、上村優也選手は昨年から続いていた鈴木みのる選手との物語についてこう語っています。
上村「(※しばらく階段の踊り場で横たわって動けずにいたが、起き出すと転がるようにして階段を降り、何とかインタビュースペースへ。ヒジのあたりを押さえながら床に突っ伏して)クソー! 悔しい! (※顔を起こして柱に寄りかかり)今までさんざん生意気言って、ブチ当たってはボコボコにされ、そりゃ、あんなのにケンカ売ったら、怖いし、痛てぇよ。でも、俺はプロレスラーだよ。リング上なら、誰が相手だろうと、行くしかないでしょ」
「(※控室へと進みかけて)もうひとつ、鈴木みのる。いまのまま、強いままでいろ。必ず、勝ってやる。それまでは絶対に、いまのまま、強いままの、鈴木みのるでいろ。俺が勝つまでは。絶対勝ってやる!」
怖いし、痛い。
そう彼はド天然のトンパチではなく正常な“恐怖心”を持ちながらも勇気を持って、鈴木みのる選手に向かってたのです。
自分はプロレスラーだから。いつか超えなくちゃいけない壁だから。
先輩は極論全員怖い。だったら一番怖い人に向かっていく。
誰か相手でもいくしかない。その心を鍛えるために上村優也選手は鈴木みのる選手に向かっていったのかもしれませんね。
イギリスの匠
翌日、今度は鈴木軍のザック・セイバーJr.選手が相手でした。
既にイギリスには存在していないとされるランカシャースタイル。チェーンレスリングとも言われる技術を上村優也選手は浴び続けました。
この試合で印象的だったのが、ザック・セイバージュニア選手からかなりヒール色が薄くなり(黒は着ているものの)、上村優也選手の師匠的な雰囲気を放っていたことでしょう。
次の試合のタイチ選手もそうでしたが、稽古をつけてやる。本気のお前を見せてみろ。この試合で何かを掴んでみろ。
そんな空気感が試合中に漂っていました。 日本語もバリバリ使ってましたしね。
俺から一つ提案だ。ユーヤは俺の道場に来い。テッカーズの全てを叩き込んでやる。俺のテッカーズはオーガニックで、ヴィーガンで、大豆ででできてるんだ。
力だけではない技をお前に授けてやる。イギリスの匠から手ほどきを受けるチャンスが上村優也選手の前にはあります。
ジェイ・ホワイト選手も徹底的に可愛がっている上村優也選手。彼の争奪戦はこれからも激化することでしょう。
海野翔太選手や成田蓮選手ですら、ここまでメインイベンターたちの視界には入っていませんでした。
今のヤングライオンが成熟する時、新日本プロレスはいよいよ次の時代を迎えるかもしれませんね。
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