SHOが週刊プロレスの表紙へ「Uを貫く新日本の矢」

SHOが週刊プロレスの表紙を飾った一件について書いていきたい、

立場やポジションによって物事の見え方は全く異なる。

勝てば官軍。負ければ逆賊。最高の瞬間を勝ち取った人間の裏で一世一代の大勝負に負けたと涙を流す者が出る。

真実と事実は主観によって変わる。

この前提で読み進めて欲しい。

2021年7月7日発売号の週刊プロレスは新日本プロレスのSHO選手が単独で表紙を飾った。

見出しには「Uを貫く新日本の矢」と出ている。

先日行われたGLEATの旗揚げ戦の結果を受けての表紙である。

これには色々な意見があると思う。

まず、新日本プロレスをゴリ押している身としては、石井智宏選手と永田裕志選手、天山広吉選手、小島聡選手が握手しているシーンじゃないんだと思った。

新日本本隊とCHAOSが本当の意味で雪解けしたような。これから新しい物語がスタートするような。結局、何も変わらないような。

新日本プロレス的に見ると、あれが表紙になっても全く違和感がないし、とにかく感動したワンシーンだったのは間違いない。

他団体に目を向けるとDDTプロレスリングでは竹下幸之介選手が火野裕士選手を破り、「KING OF DDT」制した。

他にも僕がチェックできていないだけで、色々な動きがあると思う。

そんな中で週刊プロレスはSHO選手を表紙に抜擢した。

その背景について編集者の目線から考えてみたい。

 

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クラスマガジン

ターザン山本編集長時代を終えた週刊プロレスは業界のクラスマガジンを目指して、現在も歩みを進めている。

数ある週刊誌が週刊から月刊、月刊から季刊へと発行を調整したりそもそも雑誌がなくなることも珍しくない中で、週刊プロレスは戦い続けている。

リアルな場で陳列される雑誌の表紙は、その週のプロレス界で最も大きな動きを語るべき場所なのだ。

さて、本題へ。

週刊プロレスはSHO選手を選んだ。

この行動について腹を立てるのはリデットエンターテインメント社だろう。

「旗揚げ戦で新日本プロレスのレスラーを表紙にするとは何事だ!?」と。

最もな指摘であり、怒らない方が変な話である。

ただ、週刊プロレスサイドがそのことを想定していないわけがない。

リデット社には申し訳がないがSHO選手を表紙しようという決断が編集部で行われていたはずだ。

 

新日本とUというパワーワード

プロレスファンであれば避けて通れないのが「U」。その存在感は「有田と週刊プロレスと」の初回で語られたほど。

「U」はそれほどにインパクトの強い言葉なのだ。

さらに今回は「U」の世界に新日本プロレスのレスラーが飛び込んだ形になる。

この時点で表紙確定レベルと言ってもいいエポックメイキングな出来事なのだ。

 

 

覚醒のSHO

先日、新日本プロレスの高橋ヒロム選手がSHO選手に対して「落ち着いてきた」と語っていた。

実際、これは僕も思うところではある。

YOH選手の復帰以降、SHO選手の勢いが若干弱まった気がする。

高橋ヒロム選手からすると、もっともっと爆発してくれよと思っているところでのギアダウン。

彼は再び覚醒するために必要な経験としてGLEAT参戦を選んだのだと思う。

そもそも新日本プロレス所属のレスラーが日本の他団体に上がること自体かなりレアだ。

週刊プロレスとしてはSHOに発破をかける意味でも、「新日本」と「U」の歴史に新しく名を刻み込んだ男としてもSHO選手を表紙にしてプッシュしようという意味があったのだと僕は解釈している。

後はシンプルにメインイベントでSHO選手は勝利している。

勝負に出て勝負に勝った男が表紙になる。

プロレスは勝った負けた“だけ”の世界ではないが、やはり勝たなければいけない瞬間があるのだ。

もしもSHO選手が負けていれば新生「U」が新日本プロレスの「矢」を折る!と見出しに踊っていたかもしれない。

 

「U」的な仕掛け

クラスマガジン化が進んだと言っても「お願いします」、「はい。分かりました」では編集者としての存在価値を問われてしまう。

GLEATが旗揚げしたんだから最後のシーンを表紙にすべきだ!その意見はごもっともなのだが、直近だとJUST TAP OUTが旗揚げした時も週刊プロレスの表紙を飾っていない。

とてもドライな話になるが、「旗揚げしました!」が表紙の場合は僕もこうしてコラムを書いていないと思う。おめでとうございますという気持ちはありつつも、2000文字以上も書いてない。

SHO選手に表紙を飾ったからこそ、あの日の試合で話が終わらず新しい因縁が生まれたと僕は解釈している。再戦と因縁がより色濃くなった。

昭和、平成であれば編集部に乗り込むところだが、今はご時世的にもそうはいかない。

であれば、オンラインで勝負に出る。Twitterで文句を言っても仕方ないので、オンライン会見を開き週刊プロレス編集部に今回の一件について説明を求めるのもいいだろう。

「U」と言えば(正確にはUインター)そういった過激な仕掛けもあっていいと思う。その模様をVlog的に追えばそちらでも新しい盛り上がりが生まれるかもしれない。

週刊プロレス 2021年 7/21 号 [雑誌]

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