プロレスファンの常識って何だ?
プロレスファンの常識って何だ?
先日、変なツイートを見た。
その内容は、プロレスファンの方がレスラーを君付けで呼んだことに対して、別のプロレスファンの方が怒ったというもの。
これをキッカケにしてかどうか分かんないけど、プロレスファンの常識なるワードがよく目に飛び込んでくるようになりました。
プロレスファンの常識。
そもそも常識って何やって話なんですけれども。
常識とは社会的な価値観や知識、判断を指す。
つまり、ここでの常識は他の場所では非常識であるケースが大半だ。
プロレスファンって難しいんです。
例えば、プロ野球のセ・リーグ、パ・リーグのどちらの試合を見に行っても御作法的なものってあるじゃないですか。
例えば、7回はラッキーセブンで盛り上がる演出がある、とか。
ただ、プロレスの場合って、全ての団体が別の運営をしているので、そもそも団体Aの常識が団体Bで通用しないわけです。
状況的に今はどの団体も控えていますが、ファンが紙テープを投げ入れる演出だって団体によるものです。
新日本プロレスは紙テープ禁止。DDTプロレスリングはOKみたいな。
そういった団体毎のルールや御作法はあると思います。郷に入れば郷に従え。然るべき応援の仕方があるって話ですね。
ただ、SNSでプロレスファン同士が常識を語り出すと大変なことになります
ジェネレーションギャップ
「ジェネレーションギャップ」
この言葉で済ましてしまうと簡単なのですが、それだと思考が止まってしまうので歴史を振り返って考えてみましょう。
まず、日本プロレスがあり、そこからアントニオ猪木さんが新日本プロレス、ジャイアント馬場さんが全日本プロレスを旗揚げしています。
この時のプロレスラーは“スター”です(今のプロレスラーがスターではないという文脈ではなく)。
戦後で娯楽が少ない時代。人々に勇気と希望を与えるのがプロレスの役割。
身体の大きな“ガイジン”を日本人がやっつける。このカタルシスが“スター”を輩出しました。
そこから時代は流れ、昭和後期から平成へ。
娯楽も増えゴールデンタイムでのテレビ中継こそなくなったものの、男の子が大好きなジャンルとして定着(総合格闘技の台頭で...みたいな話は割愛します)。
強面の男たちがバチバチと自分たちの主張を押し倒すリング。
激しい戦いとまだまだ何でもありな空気感は、大きくのファンを熱狂させました。
アーティストからアイドルへ
敢えてこう例えますが、新日本プロレスで例えると第三世代、柴田勝頼選手までがアーティスト路線。
棚橋弘至選手が明確にレスラーのアイドル化を推進し、実現させた存在。
つまり、棚橋弘至選手以降はアーティストよりとアイドル性がある存在へとシフトしています。
※中邑真輔選手はアーティストでありアイドル性がありなので迷いどころ
※メジャー団体の新日本プロレスでの話です。
呼び捨て(会場での応援)かさん付けがメインだったプロレスラーにおいて「君」や「ちゃん」が“常識”になっても不思議ではない世界がここで到来したのです。
アーティストとしてプロレスラーを見ている人とアイドルとしてプロレスラーを見ている人。
ここに認識の違い。常識の違いがあるのです。
なので、「君」付けで呼ぶなんてけしからん!!と言う人はアーティストとして見ているのだなぁと思って下さい。
※流石に本人を前にしたりメンションを飛ばしたりする時に呼び捨ては変だと思いますが...
そういった指摘をした側もアーティストじゃなくてアイドルとしてレスラーを見ている層を認識して、自分とは違うけれども同じジャンルを応援している人なんだなぁと思っていただければ。そもそも別に絡む必要もないと思いますし。
赦し合うしかない
最近、クリアしたゲームのストーリーが革命と対立、共存について取り扱ったものでした。
その中で取り分け印象的だったのが人は赦(ゆる)すことでしか理解することはできないというもの。
プロレスがその人とって神聖なものかもしれない。
その一方で、エンタメの一つとしてしか見ていない人が大勢いる。
そして、その大勢の人たちはさらに多くの人たちの中からプロレスに興味を持ってくれた人なのだ。
ファンは絶対に目減りする。
新規のファンが増えなければ、文化は衰退してしまうことは歴史が証明しているし、実際そうなると思う。
ここは一つ、自分と価値観が異なる人たちに対して、寛容に接することはできないだろうか。
仲良くするまでいかなくとも受け入れる。自分とは価値観が違うことを赦す。別にその人はあなたを攻撃しているわけでも、プロレス、プロレスラーを侮辱している感覚もないのだから。
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