『WRESTLE KINGDOM』メインイベント挑戦権利書の“システム”と“ジンクス”について
新日本プロレスが誇る真夏の祭典・G1クライマックスの優勝者は、東京ドームでのIWGPヘビー級王座に挑戦する権利を得ることができる。
真夏の激闘を制したレスラーだけが掴める、最高の舞台での最高の挑戦。IWGPヘビー級チャンピオンと真夏の覇者の対峙。激闘必至の時間は、2014年の1度を除き、イッテンヨン東京ドームのメインイベントにて行われてきた。※2014年はダブルメインイベント1
ただ、それは夏以降はほぼ王者と挑戦者が変わらないというデータを生んでしまっている。
変化の無い世界
権利書保持者のジンクス
前述した通り、G1クライマックス優勝者は、東京ドームでのIWGPヘビー級タイトルマッチに挑む権利書を得る。
権利書を受け取った後は、防衛ロードがスタート。権利書を賭けて戦う相手は、G1クライマックスのリーグ戦で自身に黒星を付けた選手がメインとなっている。
2017年の内藤哲也選手の権利書マッチは石井智宏選手の1戦のみ。内藤選手は、別ブロックから挙手があれば戦う姿勢を示した。
IWGPチャンピオン優勢
G1クライマックスで敗戦を喫した選手と防衛戦が組まれる傾向がある。
余談だかG1はそのシステム上、真夏の連戦が続いてしまう。暑さだけでも体力が奪われる中での過密スケジュールだ。
仮にリーグを突破できなかったとしても、各チャンピオンに勝利さえできれば挑戦権利を得ることにつながる。必然的にベルト保持者はマークされる宿命となるのだ。
中には当然、大金星が生まれる瞬間もある。直近であれば、2017年のEVIL選手だ。
当時のIWGPチャンピオンはオカダ・カズチカ選手は、2016年の戴冠以降シングルで負け無しという実績を持っていた。
ここに土を付けた。EVIL選手が一気にスターダムへ上り詰めた瞬間となった。
ただ、そんな破竹の勢いのまま挑んだEVIL選手も、オカダ・カズチカ選手にベルトを賭けた試合では勝つことはできなかった。
ちなみに権利書システムが出来上がって以降、G1後にIWPベルトが動いたのは、2014年10月に棚橋弘至選手がAJスタイルズ選手から勝利を掴んだ時のみとなっている。
権利書の歴史
G1クライマックス優勝者が東京ドームでIWGPチャンピオンに挑むシステムができたのは、ブシロード体制となった2012年から。権利書保持者は権利書の防衛戦を行い、敗れた場合は権利書が異動する。ただし、挑戦権利書システムが開始されて以来、一度も権利書が動いたことはない。
https://njpwworld.com/p/s_series_00197_3_09
凱旋帰国からIWGP戴冠。G1クライマックス制覇というレベルが違う勢いを見せたオカダ選手と外道選手が作り上げたシステムはそれ以降、普遍のジンクスを作ってしまった。
システムの限界
権利書システムのジンクスが強固すぎるため、下半期は話題に掛ける印象がいなめなくなっている。
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また、IWGPヘビー級ベルト自体も“同じ人”ばかりが巻いている景色が当たり前になった。
オカダ・カズチカ選手、内藤哲也選手、棚橋弘至選手、ケニー・オメガ選手。現在の4強以外でIWGPを戴冠しているレスラーを振り返ると、2014年、2015年のAJスタイルズ選手。その前は2010年の小島聡選手となる。
IWGPヘビー級ベルトはお嬢さますぎないか?
ジンクスは破れる?
一方で、ジンクスが壊れるのもイチファンとしては怖い。推しのレスラーが優勝している場合は特にだろう。
棚橋選手が権利書を防衛するのは、オカダ選手のみになりそうな予感もする。
ここで権利書が動き、ジンクスが壊れるのか。ジンクスが発動するのか?権利書マッチに期待が集まる。
最後に
僕は棚橋選手に権利書を落として欲しい、ケニー選手が石井選手に敗れて欲しいと願っているわけではない。
ただ、いつかジンクスには終わりは来るものだとも思っている。
負けても立ち上がるのがプロレス。もし仮に権利書を取られたとしても、取り返せばいいのだ。
2018年のイッテンヨン。僕は、G1クライマックスの覇者である内藤哲也選手が、イッテンヨンで勝てないジンクスを打ち破ってくれると信じていた。声を張り上げた。「デ・ハ・ポン」を大合唱したかった。
ただ、届かなかった。それほどにオカダ選手は強すぎた。
ジンクス通りに2019年を迎えるのか、この下期に新しい動きが出るのか。注目の展開を心待ちにしたい。
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