「タイチ先輩、次はオマエだよ!」SANADA選手のシングル年内ラストチャンス!『NEVER無差別級』への名乗りを期待する
2018年1月5日に新日本プロレスが開催した『NEW YEAR DASH !!』。毎年、何かしらの動きがある注目の大会である。
何かが起こると固唾を飲んで見守る中、僕の心を沸点まで導いたのは『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』SANADA選手だった。
これまで何があっても頑なにノーコメントを貫いていたSANADA選手が、カメラの前でとうとう口を開いたのだ。
「オカダ、次はオマエだよ!」
全日本プロレスからWRESTLE-1、TNAと20代の内から各団体を渡り歩いた“天才”が、いよいよIWGPヘビー級ベルト戴冠へと名乗りを挙げたのだ。
この一戦でSANADA選手は更に評価を上げた。G1クライマックスでも好勝負を連発した。石井智宏選手が名勝負製造機として本格的に覚醒していなければ僕の中でのMVPはSANADA選手だったと思うほどに。
ただし、未だ新日本プロレスでシングルベルトの戴冠に至っていない。また、11月3日に開催される『九州三国志 presents POWER STRUGGLE ~SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018~』では対戦カードが組まれない可能性すらある。
今こそ再び口を開くべきなのではないか。僕は今回のウィル・オスプレイ選手の欠場を受けて、SANADA選手に期待を抱いてしまった。
『NEVER無差別級』にSANADA選手が名乗り出ることを。
V12期のオカダ・カズチカ選手を最も追い詰めた2人
V12を達成し720日もの間『IWGPヘビー級ベルト』を戴冠していたオカダ・カズチカ選手。V12で挑戦した選手を以下に並べてみる。
- 内藤哲也選手(2016.6.19)
- 丸藤正道選手(2016.10.10)
- ケニー・オメガ選手(2017.1.4)
- 鈴木みのる選手(2017.2.5)
- 柴田勝頼選手(2017.4.9)
- バッドラック・ファレ選手(2017.5.3)
- ケニー・オメガ選手(2017.6.11)
- Cody選手(2017.7.1)
- EVIL選手(2017.10.9)
- 内藤哲也選手(2018.1.4)
- SANADA選手(2018.2.10)
- ザック・セイバーJr.選手(2018.4.1)
- 棚橋弘至選手(2018.5.4)
- ケニー・オメガ選手(2018.6.9)
ケニー・オメガ選手による3度目の正直でベルトを落としたものの、改めて見るととんでもない防衛ロードである。
僕は各試合を見ていて、これはオカダ・カズチカ選手が負けるかも?と感じた試合がケニー・オメガ選手の3試合目を除き2つあった。
柴田勝頼選手とSANADA選手である。
男の根性の美しさに涙した日
柴田勝頼選手はレインメーカーの直撃に耐え、レインメーカー式張り手を繰り出した。まるで、オカダ・カズチカ選手に「新日本プロレス」を叩き込んでいるような印象すら受ける試合。好勝負という範疇を超えた激闘。チャンピオンとしての意地が柴田勝頼選手との我慢比べを上回った試合だったように思う。
天才の本気に胸を熱くした日
そして、SANADA選手。この試合のSANADAは躍動していた。鉄柵目掛けてのフェイスクラッシャー。掟破りのレインメーカーやSkull End、ラウンディングボディプレス。試合展開を見てもオカダ・カズチカ選手に全く引けを取っていない。
常に考えながら戦う様子からも対オカダ・カズチカについて研究してきたことが見て取れた。考えながら動く天才。『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』の勢力図を壊すという意味でも、SANADA選手の勝利に期待している僕がいたのは事実である。
この2戦の印象
柴田勝頼選手、SANADA選手に勝利の匂いを感じていたのは、オカダ・カズチカ選手が自分のペースに中々引き込めない点にあった。凱旋帰国後、プロレス大賞で数多くのベストバウトを記録してきたオカダ・カズチカ選手。一見すると相手が攻めているように見えても、オカダ・カズチカ選手のペースで試合が進んでいることは多い。だが、この2選手は終盤まで試合をリードし続けた。メインイベントを張り続けている男にペースを握らせなかったのだ。
G1クライマックスのベストバウト
多くの試合が好勝負という前提で2018年のG1クライマックスを振り返ろう。僕が最も印象に残っているのは石井智宏選手 VS SANADA選手だ。以前からSANADA選手にも新技が必要だと考えていた。Skull End、ラウンディングボディプレス共にフィニッシャーとして申し分ないが、何か一つ新日本プロレス入団後の新技が欲しいと思っていた。
そこで飛び出すのは、恩人でもあるレジェンド武藤敬司選手のシャイニング・ウィザードだった。
SANADA選手がシャイニング・ウィザードを繰り出し、王者を倒す。そこからベルトへの挑戦権利を得る。そう本気で考えていたのだ。
だが、現実に起きたのは石井智宏選手にシャイニング・ウィザードを見舞われる姿だった。
VSザック・セイバーJr
『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』内藤哲也選手とEVIL選手対ザック・セイバーJr選手の試合を見ると非常に相性が悪いことが分かる。内藤哲也選手が「完封」と漏らしたように、ザック・セイバーJr選手の良いところばかりが目立つ試合になっている。
だが、SANADA選手はザック・セイバーJr選手と同じ土俵で完封した試合を見せた。あの試合展開ができるのはおそらく新日本プロレスのヘビー級選手ではSANADA選手だけなのではないだろうか。
先ほどの石井智宏選手対SANADA選手と肩を並べるほどに面白かったのがSANADA選手対ザック・セイバーJr選手のG1クライマックス28だった。
意地悪な言い方になるのを承知で疑問もあるのだ。
EVIL選手はザック・セイバーJr選手に2度も丸め込み負けを喫し、スペシャルシングルマッチが組まれた。だが、突如として姿を現したクリス・ジェリコ選手の襲撃にあい、ノーコンテストマッチとなった。
そして、『九州三国志 presents POWER STRUGGLE ~SUPER Jr. TAG LEAGUE 2018~』で『IWGPインターコンチネンタル選手権試合』に挑戦する。例年通りであれば、おそらくこの試合がメインイベントになるだろう。
そして、内藤哲也選手がザック・セイバーJr選手とスペシャルシングルマッチで激突する。では、SANADA選手はどうか。冒頭に記載した通り、カードが組まれない可能性すらある。
シングルマッチ以外で出場するのであれば、鷹木信悟選手、BUSHI選手がリーグ戦で敗退し、3人タッグマッチで出場するしかない。
つまり、仲間が脱落しなければ対戦カードすら見えてこない状況なのだ。※案外『NEVER6人タッグ』に挑戦するかもしれないが。
一歩踏み出す勇気、タイミングを見極める目
クリス・ジェリコ選手がEVIL選手を挑戦者に指名した理由は、『IWGPインターコンチネンタル選手権試合』後のリングにEVIL選手が現れたためだ。実はこれ以外の理由はないのである。EVIL選手はシリーズ中ザック・セイバーJr選手に完敗していてもタイトルマッチが組まれたのだ。
G1の成績を振り返ってみても、2018年大きな盛り上がりと注目を集めたのはBブロックだった。両国国技館3DAYSの動員数を見てもそれは明らかである。
SANADA選手は激戦のBブロックで石井智宏選手に次ぐ成績を残していた。内藤哲也選手に春・夏と連勝しているザック・セイバーJr選手から完封勝利を掴んだ。それでも、ビッグマッチの対戦カードが未定なのである。
もしもあの日、内藤哲也選手を救出に行ったのがSANADA選手だったら?それほどに「一歩踏み出す勇気」、「行動を起こす」ということは大きく人生を変えるのである。
2015年1月5日の『NEW YEAR DASH !!』で、SANADA選手は言葉を発した。ダラダラと喋る必要はない。必要最低限でいい。ただ一言、今Twitterでこう発信してほしい。
「タイチ先輩、次はオマエだよ!」と。
全日本プロレス出身の2人が新日本プロレスで激突する瞬間を僕は楽しみにしている。
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