柴田勝頼選手から“プロレス”の美しさと気高さを学ぶ
新日本プロレスの『YouTube』チャンネルにて柴田勝頼選手の最新動画が公開された。
タイトルは、"ザ・レスラー 柴田勝頼" LA道場密着ドキュメンタリー「CALIFORNIA DREAMIN' 」 #3。2018年9月に投稿された動画の続報となる。
カルフォルニアの地で生きる柴田勝頼選手の今を垣間見ることができる貴重なドキュメンタリー動画。同作を見ていて、いくつか心に響くシーンがあったので、その点をまとめていきたい。
まだ、動画を見ていない方は動画を視聴してから目を通すことを推奨する。
僕はこの動画から柴田勝頼選手から“プロレス”の美しさと気高さを学んだ。
ザ・レスラーはリングが似合う
"ザ・レスラー 柴田勝頼" LA道場密着ドキュメンタリー「CALIFORNIA DREAMIN' 」 #3では、柴田勝頼選手の様々な顔を見ることができる。
『』のダークマッチでは4人の選手の緊張感を保つために当日に出場選手を決めたこと。道場生が帰った後に自分の身体を追い込んでいること。
怪我をする前、怪我をした当初、今。できることがとても増えたと笑顔で語っていた。
これは僕の所感だが、『IWGPヘビー級選手権』を経て、リングにで挨拶をした2017年のG1クライマックスの時と、一年が経過した現在の柴田勝頼選手は別人のようだ。
今の姿はとても自然体に見える。以前ブログに記載があった怪我の後遺症を考えると、その心中は僕なんかでは到底想像もつかない。
ただ、全てを受け入れて、環境を変えて柴田勝頼選手はさらに美しくなった。
サイン会の思い出
今年の夏、G1クライマックスの福岡大会で柴田勝頼選手はサイン会を行った。運良く、里帰りを兼ねて福岡大会に参加する予定だった僕はホテルのチェックインも早々に、会場へ向かいサイン会へと並んだ。
恥ずかしながら、僕は当日の新幹線に乗るまでサイン会が開催されることを知らなかった。
ただ、運命の悪戯か柴田勝頼選手と後藤洋央紀選手の共著である『同級生 魂のプロレス青春録』を新幹線内で読み返していたのだ。
同級生 魂のプロレス青春録 (G SPIRITS BOOK)
- 作者: 後藤洋央紀,柴田勝頼
- 出版社/メーカー: 辰巳出版
- 発売日: 2014/12/09
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たまには読書をじっくり楽しみたい。久しぶりにこの1冊を読み返したい。
この思いから飛行機ではなく新幹線で福岡に“密航”したわけだが、勝手に運命的なものを感じた。初めてお会いした柴田勝頼選手。
何故だろう、涙が出そうになるのをグッと堪えて、僕はこうお話しした。
「新幹線で同級生読んできたんです」
「ありがとうございます!どこからお越しいただいたんですか?」
「東京です!」
「東京から!新幹線で!?時間掛かったでしょ(笑)わざわざありがとうございます!」
「『同級生』を読んでいたらあっという間でした(笑)アメリカはどうですか?」
「熱いですね(ニヤリ)」
「日本から、心から応援しています!」
「ありがとうございます!」
少しうる覚えだが、こんな感じの会話だった。終始笑顔の柴田勝頼選手を見て、とても胸が熱くなったことを今でも覚えている。
柴田勝頼選手の手はゴツゴツとしてて、大きくて。まるで子どもの頃に大人と握手した時を思い出させた。
僕がプロレスラーに憧れるのは、子どもの頃になりたかった強い大人を体現していることにも通じているのかもしれない。
道場生に染み込む“柴田イズム”
新日本プロレスLA道場では“ガイジン”レスラーが時折、日本語を発している。
特に礼儀に関する点では、ほぼ日本語を使っている印象を受ける。柴田勝頼選手は英語ではなく日本語で接するようにしたと動画内でかたっていた。
いずれ新日本プロレスで戦う時が来れば、周囲は日本語になる。技だけでなく言葉にも慣れてもらおうというコーチ心を感じた。
アリガトウゴザイマス!
レイ!
モクトウ!
オツカレサマデシタ!
日本人である僕が見習わななくてはならないほどに和の心を持って練習に打ち込む4人の道場生たち。
彼らが黒パンツ、黒レガースで新日本プロレスに上がる時、僕は一体どんな気持ちになるのだろうか。
“プロレス”とは何か
動画の終盤、撮影班が「今、プロレス楽しいですか?」と質問を投げかけた。
柴田勝頼選手は一瞬顔をしかめて「それは見るということ?」と確認を取ると「やっている方」と取材班は返した。
ここで柴田勝頼選手の顔が明るくなった。自分がヘッドコーチとして「プロレスを教えていることを(あなたは)プロレスだと思っている」。この感覚が非常に彼のハートを掴んだらしい。
“プロレス”
たった4文字の言葉だが、その裏側にある秘めるものはエベレストよりも高く、マリアナ海溝よりも深い。
心技体を鍛え上げたプロレスラーが、リングの上で見せる“闘い”。この“闘い”を通じて、民衆にメッセージを伝えることを僕は“プロレス”だと思っていた。
リングでは嘘をつけない。プロレスラーの生き方がそのままリングの上で表現される。つまり生き様がプロレスなのだ、と。
ただし、柴田勝頼選手の話を聞くことでプロレスに対する考え方が少し変わった。
プロレスラーひいては“人”が“闘う”場所は、リングの上だけではないということだ。
今の自分にできることをする。精一杯やる。その姿勢こそがプロレス。
僕たちがプロレスを観戦することもプロレス。それぞれの場所で自分だけの価値を発揮することもプロレスなのだ。
柴田勝頼さん、あなたやっぱり最高に美しいですよ。
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