エル・デスペラード選手の解説に見る、鈴木軍の解説力

新日本プロレスが愛知・愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)  で開催した『ワールドタッグリーグ2018』。

この日の解説席にはエル・デスペラード選手の姿があった。『鈴木軍』のならずものルチャドールは、イッテンヨン『レッスルキングダム』で3WAYマッチが組まれることが決定しているものの、現時点で『ロッポンギ3K』、『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』との前哨戦はなし。

「チャレンジャー同士よろしくやってろよ」と言わんばかりの姿勢で、第5試合から解説席に現れた。

試合後、白熱した両選手がエル・デスペラード選手に突っかかるシーンがあるもキレることなく、解説者としての仕事を全うした。

今回のテーマはエル・デスペラード選手の解説に見る、鈴木軍の解説力。プロレスラーのフィルターを通して語られる言葉にはプロレスファンに新しい価値観を提供する力がった。

 

f:id:yukikawano5963:20181126182147p:plain

飯塚高史選手が入場時、拘束具を付けている理由

「俺たちが噛み付かれたらたまらねぇもん」

エル・デスペラード選手から出た言葉は、シンプルだが的を得た理由だった。確かに入場時から暴走している飯塚高史選手は敵味方の判別が付いていない可能性がある。

以前はエル・デスペラード選手が手綱を引いていたが、現在はヤングライオンが引率する形となっていた。

拘束具は試合前の鈴木軍とお客様を守る名目で装着されていたのだ。

レフリーちゃんと見ろよ

『鈴木軍』の選手が解説席に座ると、徹底的に相手チームのラフファイトを否定する。

いやいや、自分たちもやってるでしょ?という言葉が浮かびがちだが、実態はそうではない。

稀代の漫画家・島本和彦先生も言っているではないか。

「心に棚を作れ」と。

これはこれ。それはそれ。『鈴木軍』は反則行為は働いているが、反則負けになることは稀である。

サッカーであれば、レフリーが試合を流している状況だ。プロレスにはプロレスのルールがある。その中ルール内を熟知し、最大限に利用することで、効率的な勝利を目指す。

意識の高い。いや、レベルの高いヒールは消耗せずに相手を倒す。

ベビーは真面目。ヒールは不真面目。そんなことはない。

真面目に研究しつくしているからこそ、リングでも解説席でも価値を発揮できるのだ。

 

いい声をしている

優れたプロレスラーは声もいい。エル・デスペラード選手はとてもキャラクターにマッチしたいい声を持っている。

僕がエル・デスペラード選手の声がカッコいいと自覚したのは、髙橋ヒロム選手との『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』で激突した時である。

「俺の方がヒロムよりも強かった...」

痺れた。それまでレスラーは声を張るイメージがあった僕に“ならず者ルチャドール”は、ウィスパーボイスでも強さを証明し、キャラクターを確立させることを教えてくれたのだ。

勿論、いいのは声だけでもマスクだけでもない。試合を見てみても、高難易度の技を連発。ハイフライヤーとは違った魅力のある試合を連発するエル・デスペラード選手は徐々に新日本プロレスでの地位を確立し、現在の活躍に至っているのだ。

プロレスラー選手名鑑2019 (週刊プロレス2018年12月9日号増刊)

プロレスラー選手名鑑2019 (週刊プロレス2018年12月9日号増刊)

 

タイチ選手の実況もすごい

エル・デスペラード選手の解説を取り上げるのであれば、タイチ選手の話題を出さないわけにはいかない。

前回、ミラノコレクションA.Tさんと共演した際のコメントは非常に際立っていた。

例えば、メキシカンのチョップが非常に効くということ。

日本とは異なる独特の打ち方で放たれるチョップはダメージが大きい。思えば髙橋ヒロム選手がYOH選手とバチバチにやりあった際、皮膚が裂けるシーンがあった。これは髙橋ヒロム選手がメキシコで学んできたものを輸入した結果なのではないだろうか。

また、ロープの違いにも言及していた。日本のロープはメキシコのリングと異なり、ロープが回るという。そのため、技が失敗する可能性について指摘していた。

生で観戦していても映像で見ても伝わらないプロレスラーならではの目線。そういった情報の価値は非常に高い。

www.njpwfun.com

 

タイチ選手とエル・デスペラード選手はプロレスラーの視点から解説ができる。

これは『新日本プロレスワールド』にとっても大きな武器になると思う次第だ。

 

プロレスラーのコミュニケーション

全勝街道を走るEVIL選手&SANADA選手から勝利を掴んだタイチ選手とザック・セイバーJr.選手。

バッグステージの模様は試合とは打って変わってチグハグ。明らかにタイチ選手は英語が理解出来ていないし、ザック選手も日本語が分かっていない。

だが、試合では完璧なコンビネーションができる。

『天翔ザック・ドライバー』に至っては阿吽の呼吸以外の何者でもない。

この点についてもエル・デスペラード選手は言及した。

「目を見ればなんとなく分かる」と。

合点がいった。これができる、できないの差が優れたプロレスラーとそうでないレスラーの違いなのではないか、と。

「ミラノさんあんたも分かるでしょ」

「まぁ分かるけど・・・」

という2人の会話や、『鈴木軍』ではないが、田口隆祐選手とタッグチームを組み、名前がついた“ガイジン”レスラーは飛躍している。

プリンス・デヴィッド選手しかりリコシェ選手しかり。ACH選手の今後にも期待が集まっている。

いいレスラーはアイコンタクトで身体が自然に動く。だからこそどんな相手ともいいプロレスができる。

トップレスラーの口から語られた何気ない一言は、僕の疑問を一瞬で吹き飛ばすものだった。

3WAYに向けて

エル・デスペラード選手の胸中はさておき、イッテンヨン『レッスルキングダム』をチャンピオンとして迎える事になった。

久しぶりの防衛戦。王者2人の最高のプロレスを見せて欲しいと思う。

『ワールドタッグリーグ2018』ついてはこちらのランキングに入っている人気ブログでも言及されているので、ぜひチェックいただきたい

→『ワールドタッグリーグ2018』の星取表はこちら

→鈴木軍の人気記事一覧はこちら

 

 PR

楽天ポイントが貯まる!【闘魂SHOP】楽天市場店がオープン!

【週刊プロレス】が月額380円(税抜)で楽しめる!【楽天マガジンはこちらから】

海外航空券+ホテルがお得!【エアトリ