SANADA&EVILの記者会見。その胸中にはドリームタッグマッチ構想か?
新日本プロレス冬の祭典『ワールドタッグリーグ2018』は『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』SANADA選手&EVIL選手の2連覇という結果で決着した。
13戦、10勝3敗。僅差で敗れたのは『IWGPタッツ王者』であるタマ・トンガ選手&タンガ・ロア選手のGOD、柔と剛が化学反応を起こしたザック・セイバーJr.選手&タイチ選手。そして、このタッグリーグで多くの波乱を巻き起こしたビールを愛する2人ジュース・ロビンソン選手&デビット・フィンレー選手である。
勝ち点18で4チームが並ぶ大混戦のリーグ戦となったが、SANADA選手&EVIL選手の2人は矢野通選手&石井智宏選手、ランス・アーチャー選手&デイビー・ボーイ・スミスJr.選手にはグループリーグで勝利し、GODには優勝決定戦でリベンジを果たした。
つまり、今大会を圧倒的な実績で締めくくり、2連覇を達成したと言ってもいい。だが、彼ら2人の胸中には新日本プロレスという団体へ不満の色があった。
グループリーグ中には多くを語らなかた2人は、翌日に開催された一夜明け会見で難色を示すコメントを言い残した。
SANADA&EVILの記者会見。その胸中にはドリームタッグマッチ構想があるのかもしれない。
ワールドタッグリーグとは
2017年以前と以降で『ワールドタッグリーグ』は大きく景色が変わった大会である。
大きくはイッテンヨン『レッスルキングダム』に出場が決まった選手が選抜されなくなった点にある。
また、選手層が厚くなったことで、サプライズ選出の枠もなくなった。以前はあった“ガイジン”レスラーの出場はなくなり、ヤングライオン枠のみが設けられるようになったと言ってもいいのかもしれない。
開催してしまえば、大きく盛り上がる。だが、特に2018年は前評判が高くなかった印象を受けた。
事実、新日本プロレスは前半戦は内藤哲也選手、後半戦は『バレットクラブ』をオカダ・カズチカ選手にぶつけた。特に後半戦は棚橋弘至選手とのドリームタッグで対戦カードを構成するなど、『ワールドタッグリーグ』が主役であり、大会名の冠になっているにも関わらず何故だが、更なる燃料を会社として投下し続けていた。
スーパージュニア・タッグリーグ
一方で、『スーパージュニア・タッグリーグ』は大会名に冠が付いたのは2018年からである。
つまり、会社としてジュニアの価値を世の中に広げていきたいという気持ちが強まっている機運がある。
トーナメントからグループ制へ。大会名も変更。
ある意味で『ワールドタッグリーグ』とは逆の道を歩んでいると言えるだろう。
シングルとタッグ
話を『ワールドタッグリーグ』に戻そう。新日本プロレスとしてヘビー級のシングルベルトを巻いている選手、オカダ・カズチカ選手とジェイ・ホワイト選手、内藤哲也選手という話題の中心が出場しない大会は不安があったに違いない。
実際は杞憂に終わったのだが、始まる前に不安はつきまとうものなのだ。だがらこそドリームタッグを導入した。
そう、これがSANADA選手とEVIL選手の逆鱗に触れたのだ。
2017年の覇者であり『G1クライマックス28』でも好成績を残している2人のタッグチームが話題の中心になり、他のタッグチームを迎え撃つ構造では納得できないのか、と。
2人の記者会見を見るといくつかの要望と展望が見えた。
まずは、東京ドームに出場する選手の参加意思を問うこと。出たくないのであれば、出なくていいが、決まっているから選出されないという基準を撤廃して欲しいということ。
次にタッグの価値を上げるということ。SANADA選手は、東京ドームのライバルはダブルメインイベントだと語った。
事実として、シングルとタッグを比較するとシングルに偏っている印象はある。
東京ドームの対戦カードを見てみれば分かる。レッスルキングダム12.13の2年連続で第4試合なのである。
これまで『IWGPジュニアヘビー級選手権試合』よりも後に対戦カードが組まれていたが、こちらよりも前の試合になっている。
以前から『IWGPタッグ選手権試合』は不思議な試合準備だった。スペシャルタッグマッチが対戦カードとして組まれれば、そちらよりも前に試合は行われている。
ちなみに第1回の『レッスルキングダム』メインイベントは“スーパードリームタッグマッチ”蝶野正洋選手&武藤敬司選手VS天山広吉選手&小島聡選手だ。
SANADA選手とEVIL選手はシングルプレイヤーとしての自負はありつつも、ここまでの価値に高めようしているのではないだろうか。
シングル全盛となった新日本プロレスでタッグの価値を再認識させる。
そのためには、まずチャンピオンにならなければならない。長期政権を築き団体に物を申せる立 圧倒的な立場を手に入れようというのだ。
SANADA
今回の記者会見を見て、SANADA選手の鋭いコメントに驚きを隠せなかった。散々喋らなかった男がいよいよ、本格的に動き始めたとも思った。
そして、『ワールドタッグリーグ2018』で優勝を掴んだ技はラウンディング・ボディプレスであり、マイクも「See You Next Time!」だった。
この記事でSANADA選手を前に持ってきたのもそれが影響しているのである。事実、記者会見でもSANADA選手のコメントにEVIL選手が同意するシーンが目立った。
全日本プロレス出身。タッグマッチを重んじる姿勢は彼の中に根付ききっている。そして、彼が『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』に加入した理由は未だ本人の口から語られていない。
新日本プロレスにSANADA選手来た本当の目的がここからハジマルのかもしれないのだ。
いつか起こり得る可能性
SANADA選手とEVIL選手は『IWGPタッグ王座』として二度の防衛に成功している。一度目はオカダ・カズチカ選手&後藤洋央紀選手、次にKESだ。
だが、ヤング・バックスには2連敗と大きな借りを作っている状況だ。決して得意とは言えない3WAYだがまとめて倒す。2人の胸中はタッグの価値を上げることに燃えているのだ。
そして、そう遠くない未来。ヤング・バックスを破った後には『ゴールデン☆ラヴァーズ』が控えている。
この大一番を実現するためにもカール・アンダーソン選手&ジャイアント・バーナード選手が作り上げたV10を超えるほどの活躍を期待したい。
前述した『レッスルキングダム1』メインイベントの“スーパードリームタッグマッチ”の正式名称は『スーパードリームタッグマッチ"This is レッスルキングダム"』である。
SANADA選手とEVIL選手がタッグの価値を爆上げするのはまだまだこれからなのだ。
This is レッスルキングダム!
Everything is レッスルキングダム!
全ては・・・・・・EVILだ!!!