まさに外道!VSレインメーカーで見せたのは、ヒールの生き様だった

「レインメーカーはよぉ!『CHAOS』がいただいたぜ!!」

新日本プロレスのV字回復が加速した2012年のはじまりは、ある意味で外道選手のこの言葉だったのかもしれない。

レインメーカー オカダ・カズチカ選手が新日本プロレスに凱旋してから7年が経とうとしている。

この年に生まれた子供たちが小学生になるほどの時間。オカダ・カズチカ選手と外道選手は二人三脚でチャンピオンロードを走ってきた。

2人の別れは突然だった。

2018年の『G1クライマックス28』の最終戦で、外道選手がマネージャーから外れたことがオカダ・カズチカ選手の口から飛び出した。

それから2ヶ月後、可愛がっていた後輩のジェイ・ホワイト選手が牙を向いた時、マネージャーだった男は元パートナーの背後から強襲した。

「Switch Bladeが新時代を作る」この言葉と共に『バレットクラブ』が、外道選手の新しいホームとなった。

そして、2018年12月14日。オカダ・カズチカ選手と外道選手のシングルマッチが組まれた。

立ち見席まで完売した後楽園ホールのセミファイナル。レインメーカーとレインテイカーの2人が見せた景色について届けたい。

試合の展開はまさに外道!VSレインメーカーで見せたのは、ヒールの生き様だった。

 

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人の道を外れた男 

運命の一戦。人の道を外れた男は、入場から度肝を抜いた。包帯と松葉杖姿。

「実は今朝、交通事故にあいまして、申し訳ございません」

絶対嘘でしょ!と会場全体が大ブーイングに包まれる中、オカダ・カズチカ選手の『レイン・メーカー』が鳴り響いた。

オカダ・カズチカ選手はTシャツではなく、赤を基調としたガウンで入場。最近ではタイトルマッチ以外はTシャツ姿での入場が多かったため、僕自身驚きを隠せなかった。

顔色を変えずにレインメーカーはマイクを奪い取り、こう宣言した。

「ケニーみたいな試合にならないんで」

すぐに終わるから早くやろうぜ?そう言わんばかりの表情で外道選手を煽り続ける。

あの日の外道

やはり包帯も松葉杖をフェイクだった。いきなりメリケンサックでオカダ・カズチカ選手を強襲する外道選手。

自身が得意とする場外戦に持ち込み、序盤のペースを握る。

なんてことはない。『新日本プロレスワールド』でいつも見ている場外乱闘。ただ、何故だろう。僕の目から涙が溢れ出していた。

 

外道さんっていいレスラーなんですね

昨日、NJPW FUNのツイッターアカウントで仲良くさせていただいている方が、外道選手VS田口隆祐選手の『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア』について語っていた。

恥ずかしながらこの試合を見たことがなかった僕は仕事の帰り道に、はじめて視聴した。

この試合を解説席で見たオカダ・カズチカ選手は「外道さんがこんなに良いレスラーだったって知らなかった!」と感激の声を上げた。

そう、外道選手はめちゃくちゃプロレスが上手いのだ。僕みたいな人間でも分かるほどに。

その試合でも断崖式のDDTを繰り出し、コーナーマットを外した。

この試合と近い光景が再び後楽園ホールに広がったいた。

だが、あの日とは状況が違いすぎる。オカダ・カズチカ選手の“道を外れた”男は、過去のようなヒールに戻った。

スプレー、場外乱闘、椅子、メリケンサック。何でも使う。

なのに何でだろう。どんどん僕の視界がボヤけていくのは。

レインメーカーの外道超え

「立て!オラ!」

オカダ・カズチカ選手を蹴り続ける外道選手。普段、試合中は英語が多いためある意味で違和感があった。

邪道選手、ジェイ・ホワイト選手。次々に現れる『バレットクラブ』のメンバー。

途中、ロッキー・ロメロ選手がオカダ・カズチカ選手を救出に入ったが、ブレード・ランナーで一蹴されてしまった。

絶体絶命の危機。過去、乱入が発生した試合であれば外道選手が、救いの手を出していたタイミングである。

このピンチをオカダ・カズチカ選手は1人で乗り越えた。

そして、外道選手にはじめて『レインメーカー』を見舞った。

この瞬間、オカダ・カズチカ選手は本当の意味で1人立ちをしたのかもしれない。

外道選手と別れて以降の勝率は決して高くなかった。前シリーズではドリームタッグで7連敗を喫していた。

たからこそこのタイミングで、外道超えが必要だったのかもしれない。

ベヒーフェイスが輝くには最高のヒールが必要不可欠である。この日のオカダ・カズチカ選手は最高に輝いていた。

 

 “感動の雨”。“驚きの雨”。“幸せの雨”。

「プロレスは裏切りだけじゃないから」棚橋弘至選手の名言である。

この言葉の通り、ケニー・オメガ選手と飯伏幸太選手は復縁したし、矢野通選手は真壁刀義選手と同じコーナーに立った。

オカダ・カズチカ選手と棚橋弘至選手のようなライバル関係だった2人のタッグではない。完全に袂を分かった2人が手を組んだのだ。

1組はリング上で抱き合った。もう1組はあっさりとタッチした。

「時間経ってるんだから湿っぽいのいらなくない?お互い大人なんだし」

という矢野通選手の心中が伝わってくるようなタッチは、見ていて非常に心地よかった。

お互いプロのレスラー。あの時はあの時、今は今。ビジネスライクに映るかもしれないが、現実はこんなものだよ?と教えてくれた。

この流れから鑑みるにオカダ・カズチカ選手と外道選手もまだ終わりではない。 

To Be The 外道

To Be The 外道 "レヴェルが違う!"生き残り術

 

2018年イッテヨン『レッスルキングダム12』でオカダ・カズチカ選手は3つの雨について語った。

 “感動の雨”。“驚きの雨”。“幸せの雨”。

もしかすると、この雨が土砂降りになる日は、外道選手と再合体を果たした日になるのかもしれない。

その時に僕は再びこう叫んで欲しいのだ。

「レェェヴェルが違うんだよこの野郎!」と。

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