ヒール・マスター金丸義信というテクニシャンの極み

新日本プロレスの祭典2019年のイッテンヨン『バンドリ! ガールズバンドパーティ! presents WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム』で『IWGPジュニアタッグ選手権試合3WAYマッチ』にチャンピオンとして出場する金丸義信選手。

新日本プロレスへ進出して早2年。既に2度『IWGPジュニアタッグ』を戴冠。プロレスリング・ノア時代も合わせれば新日本プロレスの至宝を3度手に入れていることになる。 

金丸義信選手のプロレスを見ているといつも思う。動きがしなやかで無駄がない。全身から激しい主張の色を出しているわけでもないのに、何故か目を奪われる。

「ここ(頭)と、ここ(腕)と、ここ(格)が違う」と金丸義信は時折語るが、その試合やレスラーからの評判を目にすると、納得せずにはいられない。勝利をベルトを掴む男は、腕と頭の回転が違うのかもしれない。

現在、金丸義信選手とエル・デスペラード選手のタッグチームは4度の防衛を行っている。『IWGPジュニアタッグ』の最多防衛記録は田口隆祐選手とプリンス・デヴィット選手の7回。

ちなみに2012年のブシロード体制となって以降はマット・ジャクソン選手&ニック・ジャクソン選手の5回が最高記録となっている。

イッテンヨンで防衛を果たせばブシロード体制の新日本プロレスでトップタイに並ぶのだ。

SHO選手、YOH選手。鷹木信悟選手&BUSHI選手。ジュニアの猛者たち6人が揃うリングで、金丸義信選手はどんなプロレスを魅せるのだろうか。

ヒール・マスター金丸義信というテクニシャンの極み。その魅力をここでは紐解いていきたい。

 

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外道選手ですら認めるテクニシャン

人の道を外れた男。ヒールレスラーの鑑として、オカダ・カズチカ選手とシングルマッチを戦った外道選手。アメプロを見て育ったウィットに富んだ解説も魅力的である。そんな外道選手が『SUPER J-CUP 2016』で褒めちぎったのが金丸義信選手である。

著書「To Be The 外道 "レヴェルが違う!"生き残り術」でその答えを知ることができた。非常に面白い書籍なので、一度目を通していただきたいと思いつつ、触りだけここには記載する。

20年以上の歴史を持つタッグチーム邪道&外道は、金丸義信選手に生涯で一度も勝利したことがない。

この事実が金丸義信選手の凄まじさを現していると思う。

To Be The 外道

To Be The 外道 "レヴェルが違う!"生き残り術

 

タッグもいいけど、シングルもいい

金丸義信選手は新日本プロレスに『鈴木軍』として姿を現して以降、一貫して『IWGPジュニアタッグ』の王者として君臨している。

タイチ選手、エル・デスペラード選手と積み重ねてきたチャンピオンとしての期間は約10ヶ月。参戦以降、半分以上の時間はベルトを巻いているのだ。まさにヒール・マスターという言葉がピッタリなレスラーである。

タッグチームは相手選手との駆け引きや間のとり方、レフリーのブラインドを突くなどシングルとは異なるテクニックが必要になる。とことん無駄なく、効率的に戦う金丸義信選手が凄いのはタッグでもシングルでも結果を残していることだ。

全日本プロレスでは世界ジュニアヘビー級王座に輝き、プロレスリング・ノアでは『GHCジュニアヘビー級王座』を8度戴冠。ミスターGHCという2つ名まで定着していた。明らかにシングルでの実績が図抜けている。そこで『新日本プロレスワールド』に何かないかと調べてみた所、『SUPER J-CUP 2016』にたどり着いた。

 

KUSHIDA選手を圧倒する姿があった

そこには、『鈴木軍』のジュニア戦士としてタッグでの長期政権に貢献しているイメージを一新するシングルプレイヤーの姿があった。

『GHCジュニアヘビー級王者』として『IWGPジュニアヘビー級王者』であるKUSHIDA選手と対峙した金丸義信選手。

首にテーピングを見つけるやいなや首攻めを徹底する。“あの”KUSHIDA選手がペースを最後まで握ることができなったのだ。

明らかに強い。明らかに上手い。だからこそ思うわけだ。そろそろタッグのベルトを持ったまま、ジュニアのシングル戦線に絡んできてもいいのではないか、と。

因縁のKUSHIDA。そして、石森太二

プロレスリング・ノア『GHCジュニアヘビー級王座』の最多戴冠記録は金丸義信選手。そして、最多防衛記録は石森太二選手が持っているのだ。

2人は『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア2018』のAブロックで激突。ここでも金丸義信選手が勝利を掴んでいる。

イッテンヨン『レッスルキングダム13』で『IWGPジュニア選手権試合』を戦う両選手ともに、金丸義信選手とは因縁がある。

KUSHIDA選手には『SUPER J-CUP 2016』。石森太二選手にはプロレスリング・ノアで雌雄を決してきた。

どちらが勝ってもいい。そろそろシングルでも「ここ(頭)と、ここ(腕)と、ここ(格)が違う」ことを改めて証明する時期だと思う。

 

IWGPジュニアタッグ王座の行方

2019年のイッテンヨン『IWGPジュニアタッグ選手権試合 3WAYマッチ』は『スーパージュニアタッグリーグ2018』のリマッチである。

あの試合、最も目立っていたのは一番コスチュームが地味な金丸義信選手だった。

タイチ選手は解説席でこう語ったことがある。「おめーらみたいなシロートに、ノブの凄さは分かんねぇんだよ」と。髙橋ヒロム選手もこう言っている「のぶおじさんはプロレスが上手い」と。

どんなスポーツの分野にも選手と玄人から圧倒的な支持を得る選手がいる。いわゆる数値化されないところの動きが秀逸な選手だ。

3WAYのタイトルマッチという各選手が穏やかじゃない状況で、さらっと結果を残すのは金丸義信選手なのかもしれない。

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