内藤哲也の贅沢な時間とネタバレが不快感を生む理由
内藤哲也選手が常に言及している「プロレスファンにとって贅沢な時間」という言葉。このフレーズの意味とネタバレが引き起こす不快感について考えてみたいと思う。
2018年12月22日、平成仮面ライダーシリーズ20周年記念作品である『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』が公開となった。
仮面ライダージオウは放送開始直後から“レジェンドライダー”と名を打ち、これまでの功績を積み上げてきた平成仮面ライダーのオリジナルキャストが出演してきた。
これまでの期待や考察の行き着く先として銀幕デビューが期待されていた『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』。
ここである事件が起こった。某メディアが同作の一大サプライズシーンのネタバレ記事を公開してしまったのだ。
そんな騒動が落ち着いた数日後、パレハから連絡があった。
「すごいネタバレだったね...。前から内藤さんが『贅沢な時間』について言及しているけど、答えよりも過程が大切だということを改めて考えました」と。
プロレスはリアルなエンターテイメントという性質を持っている。レスラー同士が繰り広げる魂を揺さぶる好勝負だけではなく、ユニットを超えた結託や裏切り。再会や別れ。試合を含めた名シーンが生まれ続けている。
今回はもしも、2018年の一大ビックサプライズとなった『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』6人目のパレハ・鷹木信悟選手の発表された贅沢な時間にネタバレが発生したら?という視点で考えてみたい。
また、現在内藤哲也選手がクリス・ジェリコ戦選手と繰り広げている舌戦についても言及する。
6人目のパレハ
“制御不能”となって以降の内藤哲也選手は定期的にファンへ謎かけをしている。
「オレは両国に“パレハ”を連れて行きますよ」
パレハというパワーワードだけではなく、このセリフはファンに大きな波紋を呼んだ。
一体誰が登場するのか?相棒と言えば高橋裕二郎選手?『ロス・インゴベルナブレス』のルーシュ選手?それとも髙橋ヒロム(当時髙橋広夢)?
色々な予想を裏切りメキシコではなく、アメリカ遠征に出ていたEVIL選手が両国に姿を現した。
また、2018年にはTwitterで発表があると宣言し、動画を投稿した。
その内容は6人目のパレハを招集するというものだった。
ここからが本題だ。もしも、当日の両国国技館にマスコミが張り付き、鷹木信悟選手の会場入りをリークしたらどうだろう。
リークに関する補足
念のため補足しておくと、『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』のリークは最速上映直後に発信されたものである。
つまり、公式が正式に発表していないものの、映画館の最速上映に行った人は知っていた情報ということである。
答え合わせの大切さ
心理学的な影響だけで言えば、ネタバレの有無でコンテンツの楽しみ方はプラスに作用するらしい。
サプライズを知っている分、俯瞰してコンテンツを楽しめるため、総合的な満足度は上がるそうだ。
ネタバレについて僕がマズいと思うのは一点に尽きる。贅沢な時間の答え合わせを、他人から不意に伝えられることで、ストレスが生じるということだ。
前述した内藤哲也選手の「6人目のパレハ」について、様々な想像を張り巡らす中で、答え合わせは内藤哲也選手の口から聞きたい。リアルな入場で真実を知りたいということだ。
贅沢な時間とは何か
ここからは贅沢な時間について考えてみたい。
前提としてお伝えしたいのが、「人は知識を得ることを好む生き物である」という点がある。
後天的に得た知恵や知識を言語化し、共有することで人類は大きく発展した。
この点が大きく人と動物が異なる点なのである。
内藤哲也選手が語る贅沢な時間とは、問題を定義し、時間が経つまで答えが出ない方程式を解いているようなものである。
映画や小説、漫画、ゲーム。ストーリーが存在するのであれば、起承転結がある。
起承転結の言い方を変えれば、【1】問題定義→【2】考える時間→【3】ヒント(答えのチラ見せ)→【4】正解になる。
鷹木信悟選手で例えれば、【1】6人目のパレハの発表→【2】誰だ?誰だ?→【3】入場!顔が隠れてる。でも身体はバキバキだ!→【4】鷹木信悟選手だ!!!という流れだ。
ネタバレはここでいう、【2の】段階で流れを止めてしまうのだ。
正解の納得度合いに関係なく、楽しんでいる時間が終わってしまう。だからこそ、ネタバレは大きな波紋を呼ぶのだろう。
内藤哲也選手はある事象に対しての起承転結を作っている。だからこそ、ファンの心を大きく掴んだとも言えるだろう。
急なサプライズでファンを突然驚かせるのも十分なインパクトがある。ただ、敢えてファンが想像させる間を作ることで、人々の気持ちを目線を釘付けにしているのだ。
インターネットを通じてファミレスの談義は広く拡散される時代になった。
SNSが盛り上がるたびに、内藤哲也選手の注目度は高まっていた。その声は民意へとつながり彼をスターダムに押し上げたのだ。
運命の一戦に向けて再度、話題を提供する男
これは誰しもができることではない。タイミングと頻度も話題を作るための重要なトリガーになり得るためである。
現在、内藤哲也選手はクリス・ジェリコ選手との『IWGPインターコンチネンタル選手権試合』を控え、動画で舌戦を繰り広げている。
「ジェリコさぁ〜ん」という過去に例のない挑発から始まる映像。そのテーマは「ラストマッチ」という方向に定められた。
“黒のカリスマ”蝶野正洋選手はクリス・ジェリコ選手VS EVIL選手との一戦で警鐘を鳴らし続けた。
『新日本プロレスワールド』で自身の試合を振り返る内藤哲也選手だけにそのメッセージを受け取り、“制御不能なカリスマ”として、実行するという流れがここに生まれているのだ。
約20日間の長期オフなだけに、どう東京ドームを盛り上げるのか?という点もレスラーとして大切になってくる。
さらに12月26日に公開された動画では「あのマヌケなメイクをするな」と言い放った。
ここでまた一つ新しいドキドキを生んでいる。クリス・ジェリコ選手はメイクをして入場するのか?しないのか?また、メイク有りの場合、内藤哲也選手はどう出るのか?
様々な憶測と予想と想像と理想が飛び交う平成最後の冬。内藤哲也選手が提供する「贅沢な時間」はまだまだ続きそうだ。
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