飯伏幸太VS髙橋ヒロムというNEVER無差別級の新しい景色
飯伏幸太選手VS髙橋ヒロム選手。内藤哲也選手の同級生に挑む“TICKING TIME BOMB”の姿を想像してみたい。
イギリス、メキシコ、アメリカのリングを渡り歩き、新日本プロレスのジュニアに凱旋帰国した髙橋ヒロム選手。
強烈なキャラクター。怖いもの知らずのファイトスタイルは一瞬で多くのファンを虜にし、新日本プロレスの新時代を築く1人として、その存在感は日増しに高まっていった。
2017年『IWGPジュニアヘビー級ベルト』を戴冠すると、ドラゴン・リー選手や田口隆祐選手、リコシェ選手を相手に防衛を果たす。
また、新日本ジュニアの象徴とも言うべきKUSHIDA選手から民意を奪い取り、彼に対してブーイングが巻き起こるほどの支持を手に入れた。
現在は負傷欠場中の身でありながら、新日本プロレスファンが選ぶMVPランキングで2位にランクインするなど、ファンのガッチリと掴んだと言っても過言ではない。
度々、ここでも話題に挙げているが、髙橋ヒロム選手の復帰戦は誰が務めるのだろうか。
今回は現『NEVER無差別級王者』飯伏幸太選手を軸に考えてみたいと思う。
自由をテーマに新しい挑戦者を歓迎する飯伏幸太選手。もしも、イッテンヨンでウィル・オスプレイ選手に勝利を収めた場合、彼の目の前に立つ最も相応しい男は髙橋ヒロム選手なのかもしれない。
ゴールデン☆スターのNEVER
現在、新日本プロレスの公式サイトではイッテンヨン『レッスルキングダム13』の勝敗予想を行っている。
第一試合に行われる『NEVER無差別級選手権試合』飯伏幸太選手VSウィル・オスプレイ選手の下馬評は8:2で現王者が大きくリードする形となっている。
だが、2018年の新日本プロレスを締めくくる後楽園ホール大会で比類ない存在感を発揮したウィル・オスプレイ選手だけに、ファン投票の結果がそのまま結果になるとは考えにくい。
試合はやってみなければ結果は絶対に分からない。
だが、この2人を中心に『NEVER』が自由なベルトとして変化するのはいい傾向のように思う。チャンピオン次第で次々に新しい景色を魅せられるのが唯一『IWGP』の冠を持たないシングルベルトの強みだと言えるだろう。
飯伏幸太選手としての新日本プロレス初のシングルベルト王者として迎える東京ドーム大会。初防衛戦の相手は新日本プロレスジュニアで大きな結果を残した空王。数年前の自分と同じキャリアを歩む“ガイジン”レスラーにゴールデン☆スターは何を魅せるのだろうか。
IWGPインターコンチネンタルの中邑真輔
2012年から2016年までの約4年間。『IWGPインターコンチネンタルベルト』は中邑真輔選手と共にあった。2014年の年末に「(手持ちの)カードがもうない。ジョーカーが欲しいな」と発した中邑真輔選手にいきなりバックドロップを仕掛けたのが飯伏幸太選手である。
掟破りの「ボマイェ」を魅せるなど、善戦するも東京ドームでタイトルを掴むことができなかった飯伏幸太選手。あらから3年が経ち、別のベルトで長期政権を築く可能性ができてきた。
後藤洋央紀が作ったNEVERの可能性
2017年のイッテンヨンで『NEVER無差別級ベルト』を柴田勝頼選手から奪取した後藤洋央紀選手は、約2年間の間自身の所有物として物語の中心に居続けた。2017年は鈴木みのる選手、2018年はマイケル・エルガン選手やタイチ選手、飯伏幸太選手を相手に好勝負を連発。
柴田勝頼選手が作り上げてきたブランドに荒武者のエッセンスを加えることで、漢と漢の意地がぶつかる熱い心の戦いこそが『NEVER』という景色を魅せてきた。
だが、その役目は2018年に一旦の完結を見せたように思う。ここからは飯伏幸太選手が作る『NEVER』。つまり、階級の枠を超えた無差別級の戦いが繰り広げられようとしているのかもしれない。
髙橋ヒロムのクリスマスカード
これは読者の方からメッセージが届いて気づいたことである。髙橋ヒロム選手が自身のTwitterで12月24日にクリスマスカードを公開した。
このツリーに2つの願いを書いた紙が吊るされている。「コウモリ」、「肉く(れ)」。
「コウモリ」と言えば、哺乳類でありながら唯一鳥類と同様の飛行能力を持っている存在である。
髙橋ヒロム選手はおそらく、ジュニアの階級に籍を置きながら、無差別級の戦いにも身を投じることを復帰後の目標に掲げているのではないだろうか。
その証拠として、新日本プロレス公式スマホ内で公開されている選手日記「ヒロムちゃんの心の抱きしめ方」である変化が語られている。
ジュニアをもっと!もっと!もっと!盛り上げるために髙橋ヒロム選手は新しいフィールドでの試合を繰り広げていくのかもしれない。
飯伏幸太と髙橋ヒロムというドリームマッチ
飯伏幸太選手は飯伏プロレス研究所の所長として日夜プロレスを研究し続ける一面を持っている。ヘビー級戦線で活躍しているがウエイトは100キロ未満。1000%の回復を果たした髙橋ヒロム選手と対峙する可能性もゼロではないと言えるだろう。
あくまでも東京ドームでウィル・オスプレイ選手に勝利することができれば、だが。ただし、ウィル・オスプレイ選手が勝利した場合でも髙橋ヒロム選手を挑戦者として指名する可能性もある。『IWGPジュニアヘビー級ベルト』を懸けた最後の戦いでは髙橋ヒロム選手に軍配が上がっているためだ。
飯伏幸太選手による『NEVER無差別級』長期政権が築かれるのか。髙橋ヒロム選手はその防衛戦の相手として復帰を果たすのか。
これは、過去歴史のない『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』VS『ジ・エリート』にも発展する可能性を秘めている。
イッテンヨンの結果、イッテンゴでのサプライズ。新日本プロレスはもっと!もっと!もっと!楽しくなりそうだ。